中野さなえ活動日誌

花には太陽を こどもらには平和を

「博士の愛した数式」を鑑賞しました

2006年01月25日 19時09分28秒 | 活動日誌
 (私の絵の道具  元はといえば子どもたちの夫へのプレゼントを私が取上げてしまった。)



お休みの日でした。朝食の時、「そうだ、今日は映画を見よう!」と思いつきました。この21日からロードショウが始まったばかりの「博士の愛した数式」を見に行きました。ぜひこれは、と思っていたものですから。

 交通事故の後遺症で80分しか記憶がもたなくなった数学者と、家政婦とその子どもの心の交流を描いた作品で、博士の役は寺尾聡が演じています。
 博士を愛した、博士の兄の妻役は浅丘るり子です。

 記憶がもたないために家政婦はいつかず次々と変るのでしたが、深津絵里ふんする家政婦が派遣され、その子どもとの楽しい生活に「8時間」を楽しむようになる博士。博士の優しさに周りが包み込まれてゆき、人間の心のふれあいが暖かく描かれています。

 博士は数学の世界に美しい哲学を持っています。私は、そこに惹かれました。数学の世界はなんと奥深いのでしょう。
 
 ルートマイナス1の虚数の「虚」は「謙虚」の虚、控えめに底から支えてくれる数字・・・「284の約数の和は220、220の約数の和は284、友愛数だよ。美しいと思わんかね。」

 などなど、数学の数や方程式の不思議と、まだ発見されていない数の世界に、引き込まれていきました。
 数はずっと前から存在していた。人間はまだその一部を知っているだけなのです。

 そして、博士がもっとも愛した方程式は・・・・それは内緒にしておきましょう。博士の人生観そのものを解釈できる方程式でした。
 
 学生時代は数学はただ難しくて、答えを出すのに四苦八苦していた私ですが、こんな風に教えてもらったら好きになることができたのに・・・・。
 
 高校の数学の先生がある日の授業の時「答えが出るのはまだ数学ではないのだよ。数学の世界は答えを出すことではないのだよ。」といった言葉を、印象深く今でも覚えています。映画を見て「ああ、こういうことだったんだ。」と霧が晴れた思いがしました。
 数学的考え方というのはこういうことか、と胸に落ちたのです。

 受験勉強での当面の答えを求める勉強では、豊かな学びはできないですね。
 
 社会科学や自然科学、語学などは、日常的に生活でぶつかる具体的な事象に対応している学問だから、学びなおしたり、深めたりする機会は始終ありますが、こと数学はいったん離れると、別世界のものになってしまいがちです。
 
 「難しい数学なんて卒業したら役にも立たないのに、なんで勉強するの。」なんて思っているかたがいるとすれば、「博士」の映画はそれに答えてくれ、「なぜ?」という好奇心で深める学問の人間くささを教えてもらえる映画だと思いました。
 
 ノーベル賞をもらった小柴さんを思い出しました。すぐに役に立たないことでも、解らないことを解ろうとする研究が、人間の賢さであり豊かさ、文化なのだとの考えに、私は共感します。

 映画を見た後、東急デパートに行きました。近隣の市町村にある障害者の作業所の合同のバザールの、今日は最終日だったから。知り合いがお店を出しているので出かけました。
 お花、パン、さおり織りの洋服を着ている可愛いお人形、味噌など買いました。

 仲間の皆さんは「はい、500円もらったよ。おつりはいくら?」とのボランテイアさんやお母さんの援助で、一生懸命計算してくださいました。
 この算数は、生活にはとても大切なものです。
コメント (1)
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