中野さなえ活動日誌

花には太陽を こどもらには平和を

旅のまとめ  旅の魅力は違いを知って友好の気持ちを深めること

2019年11月30日 22時16分49秒 | 活動日誌

今回のNZへの旅も、行ってよかったと思えた旅でした。

 

どこに行っても初めての国は、生活習慣の違いから始まって人生の価値観の違いに驚き、感動し、また疑問を抱くときもあり、そんな経験が頭を柔軟にしてくれるのかなと思いながら帰路の飛行機に乗りました。

 

最近は近代的ビルが立ち並んできたオークランドの家屋の値段が急高騰していると言います。数十年前に3000万ほどで手に入った家が、今は8000万円だと。



格差も広がってきているのでしょう。その実態は、今回は良くつかめませんでした。経済政策と福祉政策がどうなってゆくのかなと思いました。


消費税は15%、所得税は30~40%だそうです。



児童施設や孤児院がないことも驚きでした。「自閉症の子の施設は若干ある」そうです。

クライストチャーチの地震災害での被災者の当座のくらしの場がホームスティだったことには大変驚きましたが、児童施設ないことも同じ理由なのかもしれません。


フィンランドに行った時は、障がい児を養子に迎えることをいとわない国民なのだと知りました。日本とのボランティア精神の違いをNZでも感じました。


NZの国民はアイスクリームが大好きなんだそうです。

人口500万人ほどの国のアイスの消費量は世界一、肥満率は世界第三位。


確かにうなずける面はありました。皆さん、太い方が多い。人工透析患者が多いとのこと。糖尿病が多いということでしょうか?


職場での定期検診はない。学校でも歯科健診のみだそうです。


だけど、DAIさんが調べてくださった資料では、平均寿命は、NZで男性80才 日本81才。女性でNZで84才、日本で87才。


一人当たりの医療国家予算はNZが3500ドル、日本は3200ドル、とそう変わりないと。


どんな調査か明らかでないし医療制度も違いますので、これでものをいうことはできませんが、ざっくり見て「アイスが好きで肥満が多くて、透析患者が多くて、それで平均寿命が日本と変わりないとは、一体どうなってるの」と思っちゃいますよね。


でも、長野県の平均寿命は日本でトップクラスなのに、健康寿命はランクがずっと下という事実もある。30位以下だったかなあ。


NZも中身を精査しないとわからない。


酪農に続いて林業も産業の高い位置を占めていますが、多くは、ラジアタパインの木でした。ティッシュにする木です。成長が早いのですね。日本の「ネピア」がNZと関係しているとは、初めて知ったことでした。


でも、地熱発電の建屋を見学したときには、入場料?は「森を取り戻すための資金に使う」と言っていました。ティッシュに消える木だけでなく、森を取り戻そうという努力がありました。


原発はゼロ、近い将来完全に再生可能エネルギーの実現に向かっている国、離婚率65%の国、200年前の侵略から始まった移民の国NZ。


一番の目的だった地熱発電はもとより、とても多くのことを学び、楽しんでも来た旅でした。日本が学ばなくてはならないことが、たくさんありました。


欲を言えば、子どもたちともっと接したかった。


コマを喜んでくれた子が、「〇〇△?」と聞いてきました。

「オー、オフコース。プリーズ」と言ったら、コマを二個選んで胸に押し当てた女の子の嬉しそうな顔が忘れられません。



全体にいい旅でした。NZに住む皆さんのことが、行く前よりずっとよくわかったし、ほんとにいい旅でした。


ジィジもまた、似顔絵で大活躍。花岡さんの折り紙も強力な武器。そして合唱団「旅の仲間」も、NZの方々と友好関係を築くための良い働きぶりをしました。

花岡さんの指導のもと、折り紙のコマを飛行機の待ち時間に、夜にビールを飲みながら、皆で折った数は150個!

おまけに、あれだけ食べて飲んだのに、体重は維持しましたので、ほっとしました(^◇^) 

最後に、私たちの要求をかなえるべく、いつも努力してくださっている「たびせん」の皆さんに、特にいつも添乗していただく成島さんと、現地でのガイドとして心を砕いて準備してくださったDAIさんに、心からの感謝をいたします。




 



 

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NZの報告をあと少し

2019年11月30日 06時25分46秒 | 活動日誌

もう少しブログでNZの旅の報告をします。

忘れないために、熱いうちに書いておきたいと思います。あと何回かで終わりますので、お付き合いください。

 

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小さな子もハカ

2019年11月29日 22時46分58秒 | 活動日誌

どこに行っても、「ラグビーでは日本はがんばりましたね」とか「またがんばって」とか、言われました。

あの試合で有名になったハカ。


最初の晩にホテルのショーで見たマオリ族の皆さんのハカはものすごい迫力だった。戦闘の時に士気を高め相手を威嚇するための踊りだっただけに、目を見開き、舌を思い切り出しての叫びはぞくっとさせるものがあった。


夫たちも一緒に踊りましたよ。


女性は片方に玉がついたヌンチャクのようなものを持って踊りましたが、オークランドの博物館でそのヌンチャクの大本を見ました。


片方に丸い球がついています。


それは踊りで使っていた軽いものではなく、丸く削った石が使われていました。つまり、女性の武器だったんですね。


マオリの学校を訪問した時に、歓迎のセレモニーの中で子どもたちが踊ってくれたのは、ハカ。小さな子でも、それなりに可愛いハカを踊る姿に、この文化が継承されてゆく様を見ました。

 

あのタトゥーは自分の歴史を語ってるのだという。

カウリの木の樹液(琥珀)を使っていると聞きました。炭を混ぜて鳥のくちばしなどの鋭いもので入れ墨していくのだそうです。


ホテルに飾られた写真を見ると、男性は顔全体に、女性は顎に、見事な模様のタトゥーです。その模様で誰かがわかるとのこと。さぞ痛かったことだろうなあと思いますね。

 

NZの公用語は英語とマオリ語です。学校では両方を教えるそうです。

 

イギリスに侵略され、土地を奪われ文化も奪われた民族がマオリ語を公用語として認めさせ、政党も持っている。こんな国があるでしょうか。私は驚きました。マオリ族のたたかいが見えてきます。


1960年から70年代に世界的におきた民族独立運動に呼応して、NZの運動もあったのでしょう。

ガイドのDAIさんは「あの頃世界を励ました人権復活の歌を歌ったボブ・マーレ―に励まされたのです」と言っていました。

 

四分の一、マオリの血が入っていればマオリと認められてるそうです。

マオリと認められると、週200ドルのおかねを支給されるそうです。侵略責任からでしょうか。

4人家族で週800ドル。

これには国民の中で賛否の考えがあるようです。「マオリにお金を出すのは当たり前だ」という人もいればそうでない考えも。

「経済を支えているのはポリネシアなどから来た働く人」とDAIさんは言います。収入の少ない方々だと言いたいのですね。

昔、ドイツのヒトラーは、ユダヤの血が4分の一入ってると、ユダヤとみなし迫害しました。そんことを思い出しました。




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NZの働く女性たち

2019年11月29日 13時15分04秒 | 活動日誌


NZは皆さんご承知のように、世界で初めて女性参政権を得た国です。1893年の事でした。1919年には被選挙権を得ました。日本では1946年、戦後になってやっとのことでしたから、NZはすごいですね。

 

NZ10ドル札の人物は、女性の地位向上に貢献したケイト・シェパードでした。


世界女性の地位格差指数(収入、学歴、成果の比率などの比較)では、世界135か国でNZは61位、日本は101位。

賃金格差でみると、OECD32か国で見ると買う差が少ない2位がNZ、日本はなんと30位。


女性の地位では日本よりNZの方がずっと進んでします。


ちなみに、NZの女性首相は就任の次の年に産休に入り、副首相が代理を務めたことで有名です。


日本ではとてもとても考えられないことです。

 

私が子育ての時に学童保育の運動に携わった、今からほんの少し前だって「母親が子どもを他人に預けて働くなんて何事だ」と言われたのだし、今だって、仕事のために子どもを犠牲にしなければならない事態に追い込まれることは当たり前のようにあります。



労働条件をお聞きしたところ、パートとフルタイムとの賃金やその他の格差は全くないとのこと。


パートで働く女性は70%、フルタイムは30%。弾背はその反対。


女性は主出産があること、フルで働くメリットがないことなどで、パートが多いとのこと。

学校も3時で終わるので、お迎えがありますし。


たとえば年金にも影響はしない。65才になれば誰もが300ドルの年金をもらえる制度です。年金の積み立てなどはなく、税金として丸めて払っているとのかな。1年前のGDPの2パーセントをファンドで運用していると、どこかで読んだ気がするが。

ま、とにかく、パート労働は年金には関係ない。


また、失業保険も働いてなくても65才までは出るのだから、失業保険の後を年金でつないでくれる仕組みですね。


その失業保険も、20歳からもらえます。大学を出てすぐにもらえるので、ガイドのDAIさんは「それはどうかと思うのですよ。働く意欲を損なうのでは。失業保険で優雅な暮らしの若者もいますよ」とのことだったが。



それともう一つ、基本的に労働の考え方が日本人と違うのですね。


DAIさん曰く「仕事中心ではなく、家庭が中心、家庭事情に合わせて働くのです。一生の仕事という価値観がない」のだそうですよ。なるほどね。

 


お国によってほんとうに価値観が違うものなのですね。まあ、社会制度に裏付けられた面も多いとおもいますが。


いずれにしても、日本はまだまだ働く女性にとっては後進国であることは事実です。


お買い物をしたお店でも、学校でも、レストランでも、地熱発電の建屋でも、女性が生き生きとはたらいていました。


そうそう、NZにも女性省があるそうです。日本では内閣府の部局の男女共同参画局に当たるのかな。省にはなってないですね。


調べたら、女性省を持っている国はたくさんあるのですね。知らなかった。





ホキアンガからオークランドに戻る途中で、開拓者が入った200年前そのままが保存された学校を見ました。

当時は女教師は、在職中は結婚してはならない、スカートから足を見せてはならない、男性と付き合ってはならない・・・などなどの厳しい規則があり、当時の規則がそのまま壁に貼ってありました。

そのNZで初の女性参政権を得たんですね。


ただ、気になったことはそんなNZでうつ病や自殺者が多いということです



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仮設住宅ではなくホームスティ

2019年11月27日 17時59分46秒 | 活動日誌
一つだけ本日のつけたしです。
 
クライストチャーチの災害で時投げ出された8000世帯の皆さんは、当座、どうしたのか、お聞きしてみました。
 
仮設住宅を建てたなんて様子は全然ない。
 
お聞きしてびっくりしました。

 「ホームステイ」なんだそうです。
 「うちはベッドが空いているから来て」という声がかかるのだということです。
 
日本との文化の違いを感じました。
 
8000世帯の住宅は、国が評価額で買い取ったそうです。

まつわる話しはたくさんありましたが、また後程。
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マオイ族との交流でしったNZの魅力

2019年11月27日 14時10分13秒 | 活動日誌
ホキアンガではインターネットがつながらず、報告できませんでした。
 
オークランドのホテルにもどり、つながって、ラインでお孫ちゃんにも会えました(*^。^*)
 
昨日、今日と二日間、マオリ族の生き方、哲学に接し、みんな伐採され燃やされ牧草地になって、もう2パーセントそか残されていない原始林にはいりました。
 

一昨日のマウントクックの景観もすばらしかったけれど、マオイ族の自然とともに生きる姿に触れた感激は、言葉に言い表せないほどです。
 
3000年の巨木と静かに幹あっていたら、アメージンググレイスが歌っているように、人類の歴史と人間の命と自然のかかわり、そして自分が今生きていることの意味が胸に広がり、自然に涙が、拭っても拭っても流れ落ちました。
 

今日はマオリの小中学生の学校で交流でした。
 マオリ式の儀式は素晴らしく、挨拶と唄踊りのやり取りは、まるで長野の北信流のようでした。
 
時間が空いたところで一生けんめい折った折り紙のコマは、子どもたちの大うけでした。
 
NZはどこまでも広がる牧草地を見ただけでは理解できない。
 
原始林が2パーセントしか残らなかった歴史と「子どもたちやみらいのため」と守る努力をも知らなければならないと、実感です。
 

詳しくは、帰国後まとめます。
 まとめをするのは、私が経験したことを忘れないためです。
 記録にしておかないと、残念ながらみんな忘れてしまうんですよ。(^◇^)
 たまに振り返り読んでみるときに、この感動を思い出し、他民族の考えを振り返ることができます。




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マウントクックへ。5時で閉じるNZのお店!

2019年11月25日 17時44分32秒 | 活動日誌
今日は疲れました。
 
マウントクックの往復だけで700キロを終えました。
 時間にして片道5時間。
 

なんと、今日は快晴、30%の確率に大当たり!!
 マントクックはその姿の全貌を見せてくれました。
 
日本のアルプスとは全く違った光景です。感動しました。
 
いろいろお伝えしたいことはあるのですが、今日はもう寝ます。
 

明日は7時半の出発でオークランドに戻り,そこから、ホキアンガにいきます。マオリ族の皆さんとの交流がまっています。
 

一つだけ、NZでは5時といえば、お店は全部閉じてしまいます。労働者はさっさと自宅に帰るんだそうです。

 6時ごろ国道を走っていましたが「もう、ラッシュは終わった」と。
 
「お客さんより店員が大事」なんだだそうです。
 
それから、法律で13才以下の子どもを一人にしておいてはいけない、との法律があるので、3時で終わる学校の送迎は親か、ベビーシッターを雇うか、だそうです。
 
NZの女性の就労率とか、どう潜り抜けいているか、また、特別に大事にされている法律などあるのか、など知りたいところです。
 
酪農、農業、林業などの大一次産業が7割も占めている国ですから、興味があります。


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クライストいチャーチ、震災の後の町

2019年11月24日 12時53分31秒 | 活動日誌
オークランドから南島のクライストチャーチへ移動しました。
 
イギリス人がはじめてNZへ上陸した町で、4隻の船で800人きました。
 
ですから町並みはイギリス風でバラの花にあふれガーディニングが美しい。
 

到着したばかりですから、二つだけ。
 

まず一つは、目を疑ったこと。NZを襲った地震の傷跡がまだ深く残っていたことです。

 ビル街だたっところは空き地になったままで、まだ修繕も指定ない建物もありました。若真央尚の街だったのに、どこへ行ってしまったかと。人がいなくなってゴーストタウンみたいだと言っていました。

観光客も激減でほとんどいない。私たちはマウントクックに近い宿ではなく、ここに決めたのは、宿代が安いから。
 
今いるホテルの前に大聖堂がありますが、後で写真をアップできたらと思いますが、無残な姿です。
 
想像以上に大変な災害だったのだと、改めて思いました。
 
3・11の直前でしたね。富山の学生がたくさん亡くなったと記憶しています。180人も亡くなった方々が、なんとほとんどがたった2つのビルにいた人だったそうです。
 「ここにいなかったなら・・・」と。
 

8000世帯が危険地帯から強制撤去させられたそうですが、その方たちのその後はどうなったのか、お聞きしなければ。
 
長野の被災地のことが思い出され、胸が痛みました。
 

もう一つは、公園の多さです。被災を受けていない地域は美しかった。
 700もあって、一番大きな公園は東京ドームが38個も入る大きさだといいます。
 人口は40万人、南島は人口100万人ですから、一番大きな町です。


その町が緑にあふれて、とても美しい。町としての公園の整備の予算が大変だと言っていました。

NZにはどんな樹木が適しているのか、100年前にためしてみた木がどんどん成長して大木になったそうです。

もっと詳しく知りたいです。


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ワイトモ鍾乳洞で停電、うつくしかった土蛍

2019年11月23日 14時32分19秒 | 活動日誌
ワイトモの鍾乳洞へ行きました。

途中で停電、真っ暗。スマホの光で進む。
 
運よく葉入れましたが、私たちが最後のグループとなりました。
 
暗いだけでなく,酸素濃度の測定器が動かなくなったので、入場はストップとなりました。
 
大聖堂と呼ばれるちょっと広い場所があって、小さなコンサートホールのような感じです。ここでは歌っていいことになっていました。
 
旅の仲間はそのまま合唱団として、訪問の先々でお礼に歌ってきていますが、今日は鍾乳洞の中でも歌いました。
 
1曲のつもりでしたが、なんとスタッフの方から2度のアンコールがあって、結局3曲歌いました。

鍾乳洞の中で光る土蛍の美しかったこと、実はハエの幼虫。滑りこみセーフで堪能できました。運がよかった。
 

ワイトモ中心に広範囲の停電で、余滴の昼食のレストランも使えなくなり、そこから1時間半車で移動して、やっと昼食にありつけました。
 

停電は困るけど、旅のハプニングは、これまた楽し。
 地熱発電を視察したつぎの日に大停電とは!
 
写真は、来年中止になる火力発電所。これで火力はなくなるとのこと。日本とは違いますね。
 

ガイドのDAIさんの話では、NZのきれいな水を狙って買い占めをしようとしていたが、つい数日前、国の許可なしに勝手に土地や水の権利など売ってはいけないとの法律ができたそうです。
 

イギリスがEUに入ってから(今は反対の動きですが)、イギリスへの羊毛の輸出がうまくいかなくなり、代わって中国で牛を飼ってくれるようになったし、観光でも中国からたくさんの人がくる。
 
でも、だからと言って国を売ることはしない、というNZの国民の心意気を見た思いです。

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ワイラケイ地熱発電所視察

2019年11月22日 17時04分39秒 | 活動日誌
最初に、やっぱり今日も写真が飛びません。私だけないみたいです。(;_;)

ニュジ-ランド最大の津熱発電所の見学視察、案内はグレッグ・ビグナル地質学博士、少し前までは大学の先生だったが、今は民間の地熱発電所に努め、その道のエキスパートとして活躍している方で、かつては日本の大学にも所属していた方です。


まずの感動は、グレッグ氏の科学者としての誠実さでした。それが短時間しか会っていなかったのにもかかわらず、伝わってきてきました。


グレッグ氏の言葉を最初に紹介します。
「真実は必ず答えを出す」


科学者はお金や儲けにお左右されてはならないのはもちろんだ、いつでもだれにでも意見を言う勇気をもたなければならない、と。

間違った方向に行っていないか、自分の分野で検証するのが科学者の役割だと。


あたり前のことですが、これが難しいではありませんか。


そのために力にはむかい辛い目に合うこともあるのは容易に想像できます。
彼は「おかげで頭はつるつるに、ひげは真っ白になった」と冗句を飛ばしました。


事実私は、浅川ダムの裁判訴訟の原告団として、間違っていると明らかなことをうそで塗り固めて平気で証言した科学者を見てきました。


さて、本題です。地熱をどのようにしてエネルギーに変えるかなど具体的なことについては省きます。


ワイラケイ発電所は、世界で3番目にできた。一番はイタリア、二番は日本の別府ですね。そしてワアイラケイ発電所は世界最初の熱水型地熱発電所です。


蒸気だけでなく、熱水と蒸気が同時に上がってくるので、それを熱水と蒸気に分けるための方法発案に苦労したそうです。それは、ものすごい勢いで出ている間欠泉の見学でよくわかりました。


地熱発電は現在ニュージーランドのエネルギー全体の18%をしめていること、2030年には完全に再生可能なエネルギーに転換する方針が、改めて語られました。


発電は日進月歩で進んでおり、古い方式のフラッチャー方式から、バイナリー方式も開発され、環境によって使い分けるようです。


日本ではバイナリーが適切ではないか、との言葉もありました。


グレッグ氏が強調したことは、「科学的調査なしでは着手できない」です。

ですから、プラス面もマイナス面も住民に明らかにし、納得を得ることが何より大事だと。


マイナス面では、ニュージーランドでも温泉を壊してしまった過去があると。今は、環境を壊さないことが最重点で、そのための調査は徹底して行うといいます。

当然のことですが、これがむずかしいことですね。お金がかかりすぎると見切り発車したり、権力の思惑で調査してもねじ曲げることのあるし、おろぬくこともある。


地盤沈下についても「昔作った発電所は地盤沈下した。それは調査が不十分で、沈下しやすい土地だったこともある。新しい発電所は、充分な調査をして作ったので沈下はない」といいます。


私は広大な施設をみて、率直に「こんなに土地を使うんだ」と思いました。しかし、新しい方式では地上は狭くて地下に網の目のようにパイプを張り巡らせることが可能とのことでした。



そしてグレッグ氏も「日本の地熱発電も、国立公園を守るという立場は私もおなじ立場です」と。

バイナリー方式なら、公園を守りながらできる方法もあるのかなと思いました。


いずれペイできるとしても、その調査には、かなりのお金がかかる。再生エネルギーに転換するかどうかのかまえにかかっていますね。


NZでは資金の面では国の援助はないが、国民に納得してもらえっるための方策には支援をしているとのこと。

学校で子どもたちへ説明を行う取り組みもその一つでしょうか。


NZでは1987年に「非核法」が定まっています。NZの領海には核を持った船の領海進入は禁止されています。


そこまでに至る歴史は省くとして、核を受け入れない国民にの意思があったということは事実で、その上に立って100%再生可能エネルギーへの挑戦はすばらしい国民の知恵だと私は思いました。

日本の神戸方式を国の方策として、しかも港ではなく領海進入を禁止しているとはなんと素晴らしいことでしょう。


そのあと、タービン建屋内の見学をしました。

騒音を避けるため、耳栓を渡されました。原発の建屋とは違って、安全です。でも服装など準備をしました。


この見学に、ひとり50ドル(約4000円)払いました。建屋はもちろん、観光では入れないし、この度、申し入れもして許可をいただいたので、もしかして見学料など決まっていないのかもしれないなと思いました。

このお金は、植林に使うそうです。マオリの森を取り戻そうと、森を作る一歩から始めているといいます。


つまり、即座に木を植えるのではなく、下草を育て植生を守りながらやがて木の育つ森へと、非常に気長に着実はな方法ですね。これを聞いて、「ああ、そうだよね!」と私は合点がいきました。

一人50ドル、納得です。



NZは人口500万人の国です。NZで行っていることを即、日本に導入することは勿論できません。何より、科学的調査が必要です。

しかし、再生エネルギーに、しかも100%にしようとの情熱は学ぶべきだし、その姿勢に立てば、NZから得ることはとても多い。


グレッグ氏のお連れ合いが日本人で宮城県の出身でした。偶然のうれしさ!

充実した一日でした。















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