お孫ちゃんが今、夢中になっている本があります。
バァバからのクリスマスにプレゼントの「世界を変えた100人の女の子の物語」です。
とても熱心に聞き入って、「もっとよんで、もっとよんで」とねだるので、「これで最後だよ」と念を押して区切りをつけています。
著者はジャーナリストのエレナ・ファビッリと、作家・舞台演出家のフランチェスカ・カヴァッロ。
世界の70を超える国の大勢の方がお金を出してくれ、世界各国の60人の女性アーチストが「100人の女の子」の肖像画を描きました。
期待されて書かれた本なのでしょうか。
初版は2018年3月。
2019年6月に4刷しています。
この本がお孫ちゃんをとらえる魅力はどこにあるのかなあと思いを巡らしました。
まずは実在の人物だということでしょうね。
100人は、探検家もいればスポーツ選手もいる、画家や声楽家、科学者、発明家、トランスジェンダーの小学生も政治家も活動家も、様々な分野で活躍した女性が出てきます。
日本語版だからかあいうえお順で編集したのか、真っ先に出てくる「女の子」はアウンサンスーチーさんです。
15才で体の熱を使ったエコなホロウ懐中電灯を発明したアン・マコシンスキーの「電気の使えない人々に、エコなホロウ懐中電灯を無料で配りたい」との夢には、お孫ちゃん、ずい分ひきつけられていたようでした。
次には構成が上手で、非常にコンパクト。一人の女性について半ページ、せいぜい1300文字くらいでまとめてあります。
読んでもらう方も疲れないのです。一まとめで頭にエキスが入る。伝記の簡単版になっています。
でも、あまり端折って簡単だから、だんだん想像力も膨らませてきます。
そして肖像画が素敵です。絵にも見入っていますね。
「わたしとおなじおんなこが、いろんなことでがんばっている!」と、わくわくするするのではないでしょうか。
夜、寝る前に読んであげるいい本はないかと探した結果、これを選んだのですが、ヒットでした。
お孫ちゃんどころか、大人が夢中になり、本を出発点にいろいろと調べ始めました。
例えば、ホロウ懐中電灯のその後など。1万円以上する、高価な懐中電灯でした。そして彼女は起業して頑張っている。
クレオパトラもいれば、海賊のグレース・オマリー、記者のネリー・ブライ、Nzの女性参政権で力を尽くしたケイト・シェパードもいる、マリア・カラスにミシェル・オバマ、オノヨーコ、そしてマララさん、ムッソリーニと戦ったパルチザンのクラウディア・ルッチェリーチ二、エカテリーナ2世、サッチャーもいる。
ほんとに多彩。
100人に絞るには大変な努力があったと思いますが、今なら、地球温暖化を防ごうとがんばっているグレタさんも入ることでしょう。
ジェンダー平等の観点に立って書かれた本ですね。だから、その真髄が、子どもの心にも届き、わくわく感を大きくさせるのではないでしょうか。
我ながら、いい本を選んだと思うに至りました。