シロケー村の村長さん、ユーモアたっぷり。
あまり長い時間は・・・と言われていたのですが、1時間20分もお付き合いしてくれました。
シロケー小学校は9年生までで420人在籍。
近隣の2つの村高学年がないので、5年生になるとシロケーにくるそうです。
現在人口2450人。毎年生まれる子どもは、35人から40人、亡くなる方は15人くらいだといいますから、人口増加地域です。
それは特別に子育て支援があるというより、立地条件がいいからのようでした。新しくできた高速のインターに近い、工業地帯へ通いやすいなど話してくれました。
子どもたちは学校は午前中で終わります。
放課後は学童保育もありますが、美術学校、音楽学校、サッカーなどありますが、それは有料とのこと。
手取りの収入が、平均で手取り500~600ユーロだといいます。日本円にして6~7万というところでしょうか。
美術学校、音楽学校は7ユーロ、団体で教えるサッカーなどは2ユーロくらい。そこに給食代が3ユーロ・・・・・なかなかゆるくないですね。
村長さんは「子どもたちのために体育館を建てる計画です」と。体育館がないのですね。
簡単なことと思うでしょう?でも、おききするところによると、許可されてから、国の予算は事前に降りるわけではなく、完成後支払われるのそうです。ですから資金繰りも大変、業者も大変なシステムでした。
ガイドの邦子さんお話では教科書は無料で渡されますが、返還するそうです。そのとき、汚した度合いで罰金があります。「書き込まないで!いたずらしないで!ですよ。でも、どっちかというと勉強のできる子はきれいに使うようです」だって。
9年生までありますが、日本のように自然に進級できるわけではありません。
その学年の学力がつかないと、留年、一年生でもです。最高11年生まで在校できます。それが、みなさんの前ではっきり「もう一年やりましょう」と言われるのそうですよ。
周りもそう思っているし、本人も自覚しているから、納得するのですって。厳しいですね。さらに、成績は特に低学年は学校の責任ではなく、親の責任なんだそうです。これにはびっくり!!
低学年のうちはしっかり見てやって、学習の習慣をつけさせるということらしいです。ふーん、なるほどね??!!
「ハンディキャップを持つ子は、今はいない」と。「でも普通の学級でやっていけないと判断されたら、ブロックに分けられた地域ごとに学校があるのでそちらに入る」そうです。スロバキアに拠点として何か所かあるんでしょうね。
どんな障害児教育が行われているか、今回はよくわかりませんでした。
最後にロマのおはなし。ロマの子はほかの子と別学級。
いいろいろ試してみたのだそうですが「うまくいかない。別にしたほうがいいと結論」「もちろん、成績のいい子もいますから、その子はそちらのクラスです」と。
また「この村にはロマは定住していません。差別するわけではありませんが、内心ほっとしています」と本音ものぞかせました。生活習慣、考え方など違うジプシーと折り合って暮らしてゆくことは、頭で考える程簡単ではないと、実感を深くしました。
村長室で記念撮影。村のしるしの入ったマグカップをプレゼントしていただけました。
村長さんが言っていました。
「もし、あなた方が30年前にきていたら、すぐ秘密警察がやってきて、私はこと細かく尋問されたでしょう。今は自由!!なにを言ってもいい。学校も国の縛りがなくなって、自治体で管理できるようになりました」
体制が変わったことではまだ日も浅く、スロバキアの方の考えはさまざまでした。村長さんのような考えもあり、「昔がよかった」という人もありでした。「昔はパンが安かった」という理由で「昔がよかった」という方もいましたし。
民主主義が充実してゆくには、時間がかかると同時に運動が必用でしょうね。これからの国だなと思いました。
日本だって、民主主義を守り発展させるには戦い続けなければ、です。「日本は秘密警察へ逆戻り」の政治です。
実に楽しい懇談でした。