机の下に潜り込んで何をしているかと思えば、一生懸命絵を描いている孫です。孫の個展を開いてみましょうかな。
今日の傑作はこれ。パパに抱っこしてもらっている自分です。
とっても大きいパパ。パパも孫もニコニコ、しあわせいっぱい。「パパだいすき」が伝わってきます。
見どころはパパのくびがきちんと書かれていること。私はびっくりしました。ネックに気が付くとは。ネックが描けるころ、話のネックが分かるようになるって、言いますね。
もう一つの見どころは、手の指。ちゃんと5本あるんだと認識してきています。
10月1日で4才になります。
これも傑作ですね。海でさんざん、カニと戯れました。アルタミラの洞窟の絵の迫力でもわかるように、実際に経験したことはリアルに描ける。よく見ている。
絵は、子どもの認識の様子を表します。
どれだけ発達してきたかは、それ以前の絵を見ると歴然としているのです。
これは今年の7月の絵。胴体は出てきていますが、手も足も、まだ大雑把ですね。でも大胆に表現しています。
その頃の絵です。表情がいいですね。みんな笑てる。歯が強調されました。
これは4月の絵、3才半です。頭足画をよく書いていたころ。体の認識がまだしっかりしていないので、顔から手足が直接出て来るのです。
やはり3月の絵。3才5か月。これはオオイヌノフグリを描いたのです。
空色が印象的、形は難しいが、のびのびと春を楽しんでいます。そうだ、初めて絵の具を使った絵でした!扱いが難しかったんだ。バァバの顔彩をぐちゃぐちゃにした絵。
今日の個展はここまでにしましょう。
昔、教員をしていたとき、「子どもに画面いっぱいに書かせるにはどうしたらいいのか」と画家の故箕田源次郎さんにお訊ねしたことがあります。
箕田さんはこう言われました。「隅っこに小さくしか描けない子の気持ちはどうなんだろうね」
私は頭をガーンと殴られた思いでした。教員の仕事が分かったような気がした瞬間でした。
「大きな絵をのびのびかけるような、そんな教育を目指すのが仕事なんだ」と。こちらの思いをおしつけて描くものではないんだと。
孫にもどの子にも、のびのびと描けるような、子どもらしい、仲間のいる楽しい暮らしを保証したいなあと思います。