昨日、ホテル国際21でひらかれた「輝く女性の働き方」ほフォーラムで、パネラーをしました。
一人8分という短い発言だったので、効率的に話せるように原稿にまとめていきましたので、それを掲載します。
全体としては、女性の新しい働き方の模索だったのでしょう。
開会のあいさつで、株式会社アクスの取締役の小山さんから、「職場に行かなくても自宅でパソコンで仕事ができるような働き方が主流になるだろう」との話がありました。
しかし、これは労務管理が難しく、労働者を守っての仕事になるか、簡単にはいいとは言えない面もあり難しいところだと思いますが。実際、問題も起きています。
娘の結婚式で出番が終わったら中座したため、3部での女性起業家の皆さんからのお話が聞くことができなくて、全体像がつかめなくて残念でした。
2部でのパネルデスカッションは、公明党市議の近藤まりさん、自民党系新友会の寺島小百合さんそして私の3人、テーマは、「いつまでも輝き続けられる女性の働き方」でした。
近藤まりさんは「なぜ、アナウンサーになり市会議員になったか」をお話ししました。引っ込み思案を直すためが出発だったと言います。アナウンサー時代のご自分の子育て奮闘も大変だったのですね。
寺島さんは、もんぜんプラザなどでの活躍は「自分の子育てで自分が必要と感じた」ことからだとのお話でした。
私は、相談にのったり、お付き合いしている働くお母さん方の実態から、どの女性も生き生きと輝いて働き続けるために感じていることを3点にまとめてお話ししました。
以下はその原稿です。お暇がありましたら、目を通してみてください。ちょうど、8分で話せました。
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初めに
●みなさん、こんにちわ。ご紹介いただいた中野さなえです。
私は、自分の子どもは3人とも、産休明けから保育園にお願いし、初めは小学校の教員として6年、その後学びなおして子どもの発達相談員として中央病院で働いてきました。定年退職した今は、フリーの立場で発達相談員として働いています。
●私はずっと「どの子も幸せに育ってほしい」、その思いに突き動かされて仕事をしてきました。
女性が生き生き働き続けるには、子どもの健やかな育ちをわきには置いては考えられません。仕事と子育ての両立ということになります。そして女性が働くのは、収入のためだけではありません。生きがいもあります。経済的自立は自分らしく生きるために欠かせない条件でもあります。
しかし、現実は厳しい。過重労働でみなさん疲れている。子どもに当たったり、仕事をやめたくなったり、とても悩みながら、必死で働いているのが実態ではないでしょうか。
仕事と子育ての両立は、個人的な努力だけでは、とてもできるものではありません。
●女性の誰もが輝きたいと思っています。そして誰もが輝くためには何が必用か、私が考えていることを3点にまとめてみました。
①まずは働き方の問題です。
シングルで障害を持つお子さんを育てながら働いているお母さんの訴えです。雇用契約が1年ごとの臨時職員、正社員と仕事は同じで給料は安い。いつ首を切られるか、ドキドキしています。正職員になりたくてもなれない。「お恥ずかしい話ですが、ほんとに困ったときはごはんに塩をかけて食べてしのいだこともあります。私が病気になったら、この子はどうなるのだろう」と不安でいっぱいでした。
また正規職員の会社員のお母さんですが、残業で帰宅が9時10時になることもあり、へとへとでイライラして子どもを怒鳴ってばかりいる。家事も回らない。家族の団らんがとれない」と悩んでいました。
だれもが、子どもの寝顔を見て「明日は優しいお母さんになるからね」と涙して、同じ思いで働いていると思うのです。
私は、人間らしく働けることが、まず大事な条件だと思います。
安定した雇用、安定した収入ですね。
長時間労働をなくし、誰もが正規職員で働けるといいですね。
通常、残業は月45時間ぐらいまでが限度とされています。過労死の危険ライン残業は月80時間です。政府が出している「働き方改革」では、それを超える100時間も認めるという危険な内容ではないでしょうか。
少し前、ドイツの労働者が労働条件の改善を求めて「5時からのお父さん、ぼくのもの」と掲げましたが「5時からのお母さん」もぼくのものにしたいですね。
長野県の最低賃金は時給795円ですが、1500円にして欲しいというのが、みなさんの願いになっています。
②二つ目は子育て支援です。
先日相談にのった子どもさん、すぐに、医療機関に連れて行って欲しい状態でした。しかし、その子の人生がかかっている問題なのに、なかなか行って下さらない。面談をしたら「窓口で払うお金がない。返ってくるのは3か月後では暮らせない」というのです。
窓口無料については、長野県は来年から踏み切ってくれることになり、お母さん方の大きな希望になっています。
例えば保育園ですが、長野では待機児童はいないとなっていますが、保育料が高すぎるので初めからあきらめている方も沢山います。
長野県では第一子誕生で退職をする女性が6割です。学校に入れば放課後の心配、そして介護の問題、こうしたことに応える応援の充実が働くお母さんを支えると思います。
③最後に「力を会わせて条件を作っていきましょう」ということです。
私の子育ての時代は、育児休暇もいきわたっておらず、産休明けで入れる保育園も、学童保育も児童館もありませんでした。
働き続けるために、ないものは作ろうと、まずは困っていた人が協力し合って、周りのたくさんの方の協力を得て、共同保育所を作りました。アパートの1室を借りて、自分たちでバザーをしたりして運営費を稼いだ共同保育所が、市の認可を受ける運動に発展し、今では地域の立派な保育園になっています。保育料も、二人目は半額、3人目は無料と大きく前進してきました。
学童保育でも力を合わせました。かぎっ子は困ると、共同保育所と同じように頑張りました。市内、県内、日本中のあちこちで、働くお父さん、お母さんが頑張っていました。
今はどこにも児童館があります。
もちろん、場所も狭いし、内容も不十分です。長野市では放課後サポートプランを有料化しようともしています。時には後退することもありますね。
でも、みんなで力を合わせれば、願いは一歩ずつ実るのではと思っています。
30人学級は、長野県は全国に先駆けて実現させました。長野県中のみなさんのエネルギーはすごいものでした。事務局だった私は、全県の皆さんが必死で集めた署名をもって、皆さんと県庁に毎日のように交渉に行きました。
長野のお母さん方は力持ちです。子どものためにと頑張るお母さん方はとても輝いていました。
私たちは一人ではありません。働く仲間、子育てする仲間がいます。励まし合う仲間がいると、困難に立ち向かってゆく勇気が湧きますね。そのこと自体が輝く生き方にもつながっていくのではないかと、私は考えています。
人間らしく働いて、子育ても楽しめるように、ご一緒に頑張りましょう。
ありがとうございました。