魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

日本の色

2016年06月26日 | 日記・エッセイ・コラム

6年前、ふと、中国文化に感化される時のことを思った。「チャイナイズ
このところの車のデザインを見ていると、明らかに中国好みになっている。
特にフロントグリルの仰々しさが目立つが、全体的に「怒り肩」を感じさせる。

大きくなった中国の自動車市場で売るために、中国好みに迎合した結果、欧州や日本で好まれるような、滑らかでシックなデザインが消え、どちらかと言えば、昔のアメ車のような、存在を誇示する調和破壊の下品なデザインが横行するようになった。
アメ車の場合、それを求めるアメリカ人向けには、アメリカのメーカーで間に合っていたので、日欧がデザインで迎合しても意味がなかった。したがって、性能や価格の合理性で食い込む努力をした。

ところが、車慣れしていない中国の消費者に訴えるには、性能より見た目が効果的だ。車で自己顕示をしたい中国人のニーズを満たすには、とにかく目立つことが先決で、昔の中国武将の鎧のような、派手な荒々しさが好みだ。

日本でも、バブル期のファッションはとにかく誇張が横行した。ボディコンで身体の線を誇張したり、ダブダブのスーツで大きく見せ、肩パットで「怒り肩」にした。
建築物も、なぜか無用な鉄骨フレームや、巨大なオブジェを取り付けるのが流行った。

どこの文化でも、好景気のイケイケのときには、無用に大きく派手にしたがる。攻めの姿勢の動物本能が出るらしく、いかに人間が動物のままであるかを物語っている。

中国の場合は、特に二者択一の価値観が影響するのか、全人代のような赤が多く、他の色使いもビビッドカラーで、特に金色が目立つ。
電車に乗ってきた中国人の若い男性が、ディズニー映画に出てくるような山高帽で、つばの裏が白黒に八等分ぐらいに塗り分けられていたのには驚いた。もちろん服も白黒の大柄のチェックに金で文字が書いてある。
アメリカなどの道化で星条旗を着ている人がいるが、どこか、あれに通じる。

パフォーマンスなら解るが、それをお洒落だと思っているらしく、コスプレとも。ひと味違う。もし、コスプレなら、不思議の国のアリスの何かだ。

今、企業は、中国流のこうしたデザイン感覚を、ストレートに取り入れているが、ひとしきり行き渡ったら、必ず日本的テーストに染め直し、また、新たなジャパンクールが生まれるに違いない。