魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

歴史の人

2016年06月05日 | 日記・エッセイ・コラム

4日土曜日NHKの「トットてれび」と、「アナザーストーリーズ・ビートルズ来日」は、高度成長期の昭和の話だった。

昔、父に、戦争の歴史記録と実体験の印象とのギャップはどんなものか、尋ねたことがあったが、質問の意味が解らなかったのか、複雑な思いをまとめ切れなかったのか、何も答えなかった。
父に尋ねた戦時と、今、自分に取っての高度成長期は同じぐらいの時差に当たる。高度成長期は、もはや歴史になった。

高度成長期の再現は、自分の記憶と照らし合わせ、「そうそう」と思うこともあれば、「へー、そうだったのか」と思うこともある。空気は憶えているが、一つ一つの事柄は、それぞれ別の世界の話だ。
ビートルズの日本での最初のシングル「抱きしめたい」は、確かに買った。しかし、ビートルズ来日には全く興味がなかった。

その何年か前に、「ミロのビーナス」を観に行って、ひどい目に遭ったことで、その後の人生は、快楽や好奇心のために、人の集まるところに行きたいとは思わなくなった。
今日に至るまで、コンサートや祭に参加したことがない。ひどいトラウマだ。
頭から関心はなかったが、当時の世相は、台風とともにハッキリ憶えている。

「トットてれび」の黒柳徹子の回想録によると、向田邦子と極めて親しかったらしい。
二人とも東京の人で長女、射手座と獅子座、テレビ界に深い関わりを持ち時間帯を共有していたことから、確かに気も合ったのだろう。しかし、向田は自動車人間のハンドルで黒柳はガソリン。黒柳の一方的な押しかけと言える。

ハンドルとガソリンは、どちらも才気の人だが、ものごとに対し皮肉な見方をする沈思黙考型の向田にとっては、うるさいと思いながらも、思わず巻き込まれてしまう相手で、八白の向田に対し、四緑の黒柳という点でも、同じような作用が働くから、特に避けることもなかったのだろう。

世の中に有名人は数多いるが、向田ほど、星と実際の運命が一致している人も少ない。
射手座で太陽、水星、火星が合し、180゜の双子座で木星が対峙し、天王星が牡羊座で調和している。放送作家になるために生まれたような人だ。
飛行機事故で、亡くなったことは惜しまれるが、これも運命だったのだろう。
向田の場合は、佳人薄命より、才子短命と言うべきだろうか。