魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

未来地球

2016年06月07日 | 日記・エッセイ・コラム

南シナ海。アメリカも本気になり始め、中国はイラ立っている。
軍部も外交部も国を挙げて、国際ルールには従わないと公言した。
国際連盟脱退に至った昭和初期の日本に替わって、アジア新軍国主義の暴走だ。

中国は経済力がつくと直ちに古代の覇権を再構築しようと動き出した。
アメリカを締め出すために、アジアの防衛はアジア人の手でと、聞こえの良いことを言うが、それは戦前の大東亜共栄圏と同じ民族主義だ。天下一家の思想は、アジアの民族間で、親兄弟の上下秩序を作ろうというものだ。中華民族が親となり兄となるから、みな従うのが当然だと信じている。
昔は、民族主義という言葉が、大義名分のようにさえ思えた時代があった。

しかし、こんな古代思想より、移民国家のアメリカの傘下にいる方がよほど未来への可能性がある。
アメリカの始まりは確かに白人によるものだったが、政治システムの力によって、紆余曲折を経ながら、あらゆる民族の融合に向かっている。
このアメリカの歴史は、2000年前の日本の姿であり、今日、日本人が自らを単一民族だと信じているように、2000年後の、地球一体化の始まりと考えられる。

中華文明は偉大な文明であり尊敬している。しかし、その古代システム故に、現在に至るまで地域間対立が残り、近現代の潮流に乗り遅れ、停滞してきた。
ようやく、世界経済のおこぼれで復活できたにもかかわらず、その「現代」を無視して、古代システムのままに世界支配をしようとしても、「現代」は従わない。当然、混乱が起きる。

中華文明の末裔の日本は、80年前にこの家族思想の戦争を仕掛けて「現代」に敗れ、現代の新しい仲間に加わった。
現代は、アメリカ的なベクトルが拡大を始めた時代だ。アメリカ国家そのものの拡大のことではない。アメリカ的グローバリズム、世界が人種の堝(るつぼ)に変わり始めている。

未来地球のモデル
世界はアメリカのように、新参者と原住民の争い、新参者同士の争い、統一集団内部の争い、荒廃と復興を繰り返しながら混ざり合っていく。これと同じ事が、日本の古代にも起こった。日本古代とアメリカが、世界の未来のひな形となりうるのは、新大陸アメリカも列島日本も、地球のように閉じられた世界だったからだ。

これに対し、中国が未来地球のひな形にならないのは、周辺に広大なニュートラルゾーンを抱えた土地であり、中華思想が生まれるのは、他者を蹴り落として舞台の上に立った者が中心の世界、「お山の大将俺一人」を繰り返してきたからだ。
閉じられた世界は、プロセスはどうであれ、最終的に融合しなければ、暮らせない。

中国では、勝者による支配層が頂点に立つが、アメリカは神の下に平等であり、日本は天皇の下に平等というシステムを築いた。
一つの神という概念がなかったから、神の子天皇という概念しか思いつかなかったものの、「国民は基本的にみな平等」の世界に向かおうとしていることには変わりない。

これからの地球は、誰か特定の人間や民族が支配する世界はあり得ない。
そのことを、中国人と中国共産党には理解して貰わなければならないのだが、200年の恨みと、4000年のプライドは、そう簡単には消えそうにない。
結局は「人を呪わば穴二つ」。自分が先に堕ちてもらうしか、道は無いのだろうか。

大転換3」、「冥王星→日本