魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

春ですね

2015年02月19日 | 占いばなし

今日は旧正月で、中華圏の国々では大いに祝っている。中国では春節として大々的な休暇となり、日本にも観光客が溢れている。
明治までは、日本もこれと同じ日を祝っていたが、明治6年より太陽暦に改めた。

暦は社会ルールの要であり、権力者が定める。今日が何の日か分からなければ、借金取りも月給も成り立たない。あくまで取り決めごとであり、本当は何時でも良いものだ。
だから、何に基づいて日付を決めるかは、その社会の価値観による。
つまり、正月もその社会の宗教的な儀式にすぎない。

日本は、明治6年以来、宗旨替えをしたわけだが、祝い方は昔のままの儀式を続けてきた。
学生の頃、夏休みにふらりと訪ねた温泉で空き部屋は無いと言われ、「盆正月に空き部屋なんか有るわけ無いだろう」と、叱られた。
いまでも、盆正月はどこの行楽地もいっぱいだが、休日の少なかった時代には、もっとハッキリしていた。

盆と正月をセットにするのは、いかにも日本的だ。盆は仏教で、正月は本来は農耕の年始めの意味を持っていたのだろうが、太陽暦にしてからは、むしろ、神道の鎮魂祭に近くなり、今日ではクリスマスの方が意味が大きくなり始めている。
いかにも何でもござれの、七福神が集まってできた国だ。

旧正月は、二十四節気*の「雨水」の前の新月だから、立春前後となる。今年は、それがちょうど重なって、今日の雨水が正月となった。最も遅い正月だ。
しかも、驚くべきは、今日の雨水は、8:50で、新月は8:47だ。つまり、3分差で、今日が正月になったわけだ。

ともあれ、
旧暦は季節感に合うようにできているから、正月は文字通り、「初春」になる。
今年はよく雪の降る冬だが、さすがに、旧正月を迎える頃には、日差しが春めいてきたようだ。

 


二十四節気は、春分点を0度として、太陽の黄道を二十四等分したもの。毎年、大きくずれる太陰暦に対し、太陽の位置で、毎年ほぼ同じ時期を示すが、太陽暦でも閏年などでずれるため、節日が違う日になることがある。
古代は冬至を太陽生命力の起点と考えたから、冬至を0度としていたようだが、天文学の発展で、春分を起点とするようになった。詳しくは解らないが、牡羊座を起点とする西欧思想が影響したのではなかろうか。