魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

生き馬の

2013年05月21日 | 日記・エッセイ・コラム

中国がアメリカに、韓国による南北吸収統一を提案していると、韓国の新聞が書いていた。
むちゃくちゃ信用できない、おかしな話のように聞こえる。
しかし、これは案外、信憑性が高い。すでに2年前、ウイッキリークスでこの種のことが話題になっていた。

その情報を元に、韓国の新聞が捏造したとも考えられるが、韓国による統一は、中国流の遠謀と考えれば、理にかなっている。

厄介物で、場合によっては自分に噛みつくかも知れない北朝鮮を、金核抜きで、アメリカの子分の韓国に渡して西側に入れると言えば、アメリカは断る理由が無い。その際、北朝鮮復興は韓国や日本、アメリカに委せれば、経済的負担がかからない。

今は、アメリカに逆らわない韓国だが、統一が終わればアメリカに守って貰う必要は無くなる。中韓関係は既に、中国が無ければ韓国経済が成り立たなくなっているから、遠い他人より、金をくれる、昔なじみの隣りのオジサンの方が付き合いやすい。

朝鮮半島の歴史をみれば、一度たりとも義理を果たしたことが無い。
強い者に常になびいてきた。負けたような顔をして、相手を利用するのが、「相手より上」の、裏返しの自負心だ。(利用される者がバカ)
いじめられたと言いながら、強さに憧れ取り入れ、目標にする。
しかも、それを全く自覚しないで自然にやって来た歴史がある。

有史以来の関わりを持つ中国は、その性質を百も承知だ。
今、アメリカ側にあるとしても、いずれ時が来れば、中国に鞍替えしてくる。今は安くアメリカに売り払っても、そのうち向こうから転がり込んでくることを良く知っている。既に財布のヒモは握っている。

面子を立てる6カ国協議にも使えず、それどころか気を抜くと怪我をするような北朝鮮を「整理」する方が得策と、見切りを付け、アメリカに売却交渉を始めたとしても、何の不思議もない。帰ってくる伝書鳩を売りつける。中国らしい「生き馬の目を抜く」取引だ。

見所は、アメリカがどの程度「抜け目ない」かだが、人権という泣き所を持ち、ピューリタンの夢を信じるアメリカは、想像以上にお人好しだ。これまでの北朝鮮政策を見ても、腹案があったとは思えない。

中国の墓穴
米ソ冷戦とは違い、米中関係は絡み合いすぎている。アメリカは中国に対し弱みだらけだ。
しかし、中国が、軍の暴走により、アメリカの独立と覇権の安全を脅かすような一線を越えれば、黙ってはいないだろう。

表面上、中国の外交手法が稚拙なのは、軍事政権だからであり、「力」の視点からしか考えられないからだ。まして、今は、建国当時の周恩来のような人物がいないし、いたとしても、現実感を失った軍部が力を持ってしまっている。戦前の日本にそっくりだ。
巨大人口に経済矛盾など、不測の要因が重なり、民衆圧力で軍内部のパワーバランスが崩れたら、統一中国は一挙に崩壊する。

中国自ら、統一にこだわる政策を転換しない限り、行くところまで行くだろう。
中国に一番良い政治システムは、アメリカのような連邦制か、小国に別れることだろが、世界平和のためには、内部分裂が一番有り難い。