魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

日露米中

2013年05月01日 | 占いばなし

安倍首相のロシア訪問は、成功したと評価されている。
しかし、共同記者会見は面白かった。

長い会談の後のせいか、プーチン大統領は、ニコリともせず、紙に書いたメモを、イヤそうに次々と読み上げ、どこか身体の具合でも悪いんじゃないかと疑うような雰囲気だった。
安倍首相も、自然に構えているものの、楽しそうな雰囲気とは言い難い。領土問題もあったわけで、相当タフな交渉後だから当然だ。

安倍総理が、話している間、プーチン大統領は面倒くさそうな態度で、安倍総理を、横目で、下から上までチローッと観察している。
『こいつ、どういうやっちゃ?』と言わんばかりの目つきだ。
居並ぶ関係者も、特にロシア側は、なぜか全員不満そうだ。

この、変わった雰囲気は、一体何を意味しているのだろうと、謎解きのようなテレビが面白く、釘付けになった。

記者の質問も、ロシア側の記者は異常に長く、質問と言うより演説のようだ。内容的にも、「日本は原発が止まって電力が無くて困っているから、ロシアのエネルギーが役に立つのではありませんか」と、まるで、ロシア政府の言い分を代弁しているようだ。

極め付けは、日本のTBSの若い記者が、「北方四島の外国企業は、返還交渉の妨げになるのではないか」と、質問したのに対し、プーチン大統領は、記者がメモを読みながら質問したことの揚げ足を取って、
「誰かに渡されたメモを読んだのだろうが、その人に言いなさい」と始めて、「交渉を続けたいのなら穏やかな環境を作れ」と切り返し、ロシア側関係者に大受けした。

TBSの記者は、緊張して手を震わせながら質問を読んでいた。
誰かに渡されたメモではなく、自分が纏めた質問だから、一世一代の場面で緊張したのだろう。

一方ロシアの記者こそ、若い記者も全員滑らかな質問をしていた。
そしてプーチン大統領が、「誰かに渡された」と決めつけたことを、ロシア関係者が全員同意し、大笑いした。
つまり、こういう場面では、必ず背後の意図が存在することがロシアの常識であると、図らずも証明したわけだ。

本音とパフォーマンス
記者会見は世界に見せるものだが、特に自国民を意識する。
プーチン大統領の「らしからぬ態度」は、日本が困っているから協力してやっているんだ、領土問題にも前向きでは無いと、国内にアピールする芝居なのかも知れない。質問内容や閣僚の態度とも符合する。

が、それ以上に、実際、面白くなかったのかも知れない。
プーチン大統領は、自動車人間では「エンジン」。安倍総理の「シャーシS」の押しつけがましい態度には、ムカつくだろうが、安倍総理は何も感じない。実はオバマ大統領も「シャーシ」だが、乗用車タイプなので、安倍総理ほどむき出しの圧力は感じないだろう。

一方、プーチン大統領と懇意と言われる、森喜朗元総理は「エンジン」で、互いに気心が知れ、ぶっちゃけトークができる。ちなみに、習近平も「エンジン」だ。

しかし、外交は馬が合うか合わないかだけで決まるものでもない。
九星で言えば、安倍総理が一白で、オバマ、プーチンともに三碧だから、価値観の上で持ちつ持たれつの関係になるが、習近平は二黒だから、3人とは通じない。
一白や三碧が「空気」で事を進めるのに対し、二黒は「実質」で考える。
外交を、理念や相互依存と考えるグループに対し、金や力で考える。
これが今後どう影響するか、漠然とだが見えてくる。