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福島&宮城の旅2024【石巻・旧観慶丸商店&旧石巻ハリストス正教会教会堂他】

2024-05-12 | 福島&宮城タイル旅2024

村田町から石巻へやってきた。
午後からのこの旅のメインイベントのひとつだった「旧観慶丸商店」特別公開に参加するために。
旧観慶丸商店は昭和5年、石巻初の百貨店として建てられ、その後、近年まで陶器店として営業。現在は市の指定文化財となり、1階は、市民の文化交流のスペースに、2階は展示室、3階および居住部は、不定期で公開されている。
この日はその公開日だったので、それに合わせて旅程を組んだのだった。


震災にも耐え忍んだ建物、前々から一度見てみたいと思っていたタイルの殿堂?にやっとご対面。
建物は、全面タイル貼り、100種類以上ものタイルが使用されているという、
まるでタイルの見本帳のよう。


1階、アール部分のガラス窓下部には、色とりどりのボーダータイルがずらりと縦に並ぶ。


コーナー部分は丸みをつけた役物タイル、スクラッチタイルや、さまざまな型押しタイルがずらり。


竹風のボーダータイルもあり


役物タイルが縁を取り囲む台座。


エントランスの両脇に建つ柱にも、風変わりな墨流し風タイルが貼られている。





渋い色合いのスクラッチタイルも。


こちらはまた波のようなラインを描く型押しタイル。
次々に現れる外壁のタイルを見ているだけで、なかなか中へ入れない~


やっと中へ。
1階は、市民のコミュニティスペース兼ギャラリーに。
こちらで受付を済ますと、なんとこの日午前中は、十数名の見学者がいたのだけど、午後からは私一人の貸切だと。


私一人にスタッフの方々3名が出迎えてくださり、
いろいろ解説をお伺いしながら見学会が始まった。
まずは、2階へ。
一見、鉄筋コンクリート造りかと思いきや、内部を見ると、木造建築ということもわかる。


大きな円柱も残されている。木の柱に漆喰が塗られたものだそう。


柱上部には、巻貝のような漆喰装飾。


2階から3階へ上がる階段は、建築当時からのもので、陶器店時代まで使われていたのだとか。


現在は鉄板に囲まれている庇だが、元々は、タイル製の庇だったそう。
今もこの陶製の庇は鉄板の中に眠っている。


そして最も見たかった3階の特別公開エリア。
百貨店時代、もとはバルコニーだったが、そのうち食べ物を提供するようになり、屋根を付けて食堂としたのだそう。


こちらの出入り口の一面は、華やかなタイルで彩られている。


砂漠の中を行くラクダやキリンなど異国情緒を醸し出すデザインの陶板と、
それを額縁のように囲むかまぼこ型のタイル、その両脇には、辰砂釉の酸化と還元で焼かれたものだろうか?還元の赤がうまく出てないようだけど。


もう一方には、すずらんのような植物がデザインされている。


周囲の辰砂釉のタイルも、試作品のようなやや不備があるようなピースだけど、バランスよく散りばめられていて、中の黄色との対比もよく、全体的に見るとアート作品のよう。


いずれの下部の壁面にも、様々な色、型押しのタイルが並ぶ。


入口の役物タイルは、編目模様が入っていたり、ほんとにありとあらゆるタイルが目を楽しませてくれて、
いつまででも見ていられる~



入口側から見たバルコニー。


天井はティンパネルが貼られているようだ。



照明がビルトインされたコーナーも。


もう一方のコーナーには、男性用トイレが設置されていた。
壁面のタイルは、外観の入口付近で見たのと同じ墨流し風タイル。
こんな風に前面に貼られているのをみると、やや気持ち悪い。
床は無釉モザイクタイル。


3階スペースを堪能した後は、和室のスペースへ。
和室は、来客用や事務所として使用されていたよう。


1間半の床の間があったり、繊細な細工の組子の欄間、そして、コンクリートで周囲を固めた謎の空間なども。



この中がコンクリートで固めた空間。
どういう用途で使われた空間だったかは謎。


内玄関には、無釉モザイクタイルが貼られていた。

これにて観慶丸の見学会は終了。
マンツーマンでじっくり見せて頂けてよかった。


こちらは、観慶丸すぐそばの「まきいし」という釜めし屋さん。


見学会前に、近くだったのでお昼ご飯に飛び込んだのだが、
釜めしを炊くには時間に間に合わなさそうで、ハンバーグにした。
こちらのハンバーグも人気だそうで、ソースが今まで味わったことのないもので美味しかった。
熱々の陶板に乗って出てくるのもいいな。


観慶丸から見下ろすと、目の前には、第二SSビル。
大正14年に建てられた旧東北実業銀行石巻支店。


現在は、貸しビルとして使用されている。


その後、やって来た旧北上川の中州に建つ旧石巻ハリストス正教会教会堂。
明治13年建築の現存する木造最古の教会堂。
震災時には、2階天井付近まで浸水したそうだが、移築時に基礎が緊結されていたことと、窓ガラスがすぐに破れた為、流されずに残ったのだとか。
一旦解体され、可能な限り元の部材を使用し、復元されている。



1階は畳式の集会室になっていて、
入口上部には葡萄唐草文の彫刻が施されている。






超急こう配の階段を上がると、2階が聖所に。


2階は赤い絨毯敷


イコノスタス(聖障)が飾られた祭壇。


葡萄唐草文の欄間




震災直後のがれきに埋もれた写真が残されていた。


可愛い近代建築。
青緑色に塗られていたが・・美容院か何かに活用されているようでよかった。



こちらもまた可愛いサイズの石蔵造りの建物。



1階がタイル貼りの建物。
飲食店が入っているようだった。




小さなコーナーに紺と緑のモザイクタイルが貼られていた。


駅前などで見たタイルいろいろ。




石巻での町歩きを終えた後は、仙台へ。
そして仙台からの夜行バスで一路大阪へ戻った。
現地2泊3日でも往復夜行バスを使えば、丸々三日間東北を十分満喫できるな~
夜行バスはそれほど苦ではないので、東北行きにも良いかも・・



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