1月はお休みだったので久しぶりとなった建築講座、
今月は京都の家具屋さんや建具屋さんが立ち並ぶ夷川通りにある「家具の宮崎」へ。
こちらの建物はこの4月にはやむを得ず解体されてしまうということで今回は最後の見学会とのこと。
武田五一の計画、そしてその弟子宇都宮誠太郎の設計により昭和11年竣工した木造2階建ての建物。
クリーム色のタイルの外壁に、1階の玄関周りや窓周りに用いられている黒御影石が全体を引きしめている。
玄関の頭上にはオリジナルの照明。
一階の窓ガラス上部には花模様がかわいいエッチングが入れられている。
そして見どころの一つの中庭。
中庭の中央には噴水があってサボテンのようなアロエのような?植物を模した噴水が面白い!
中庭の周りや地面には緑が基調のタイルが貼り巡らされ
中庭への扉上部にもガラスのエッチングが。
お花や鳥の模様の中に1936との年号も入れられている。
二階へのメインの階段。
緑の濃淡のグラデーションが美しいモザイクタイルがとても爽やかで大理石の手すりの色合いと上品にマッチしてる。
裏の階段も同じくモザイクタイルと大理石。
いいなあ~この階段・・取り壊されるなんてもったいない・・この階段欲しいなあ。。
2階のメインの応接室の扉のガラスにもエッチングが施されていて、
このメルヘンチックな図案にもほのぼの。
ツバメや壺、人魚や気球、馬や貝、船などなどがかわいくデザイン化されてる。
応接室というより子供部屋のような雰囲気が楽しい~。
応接室の造り付けのショーケースの下部に入れられてる大理石のヒーターのグリルも素敵。
造り付け戸棚の取っ手もシンプルながらいい感じ。
淡い色合いのステンドグラスからやわらかい光が差し込む窓。
一階には階段の壁と同じモザイクタイルが貼られたこんなカウンターも残されていた。
1階客間は藤井厚二設計によるものだそう。
中庭を挟んでお茶室もあり、こちらの客間はお待合としても使われていたとか。
和室でありながら板張りの床になっていて、和室に違和感なく溶け込む藤井厚二デザインの低い目の椅子が置かれている。
もともと置かれていた椅子は後ほど向かいの資料館で実際に座らせて頂けたけど、
足の短い?日本人には落ち着く高さのゆったりとした椅子だった。
シンプルで端正な雰囲気の床の間。
床の間の天井には明かり採りの窓も両端に設けられていた。
中庭。
そしてこちらはトイレ。
白いタイルにアクセントにピンクのタイルが入れられた壁。
窓のステンドグラス、ドアの窓に入れられた天使のモチーフもかわいい。
このトイレの大理石の洗面台も渋かった。
家具屋さんということでか夢のあるデザインがところどころ散りばめられた素敵な建物だった。
この後は近くのハリトリス正教会へ訪れ、普段は非公開である内部を見せて頂き、
今までに見てきた教会とは一味違う、本格ロシア・ビザンティン様式による聖堂を見ることができたのが貴重だった。
帰りはぷにょさんが目をつけてくれてた隠れ家風?喫茶店でお茶。
お店の方の許可により近くのお店のシュークリームお持込みでゆっくりさせていただいた。