転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



毎回、ポゴレリチの来日公演のあとは
拙サイト&ブログのアクセス数が増加するのだが、
今年は特にそれが顕著だった。
8日の東京公演から4日が経過した今もなお、
その余波が続いており、驚くばかりだ。

Twitter上でも、4日の名古屋公演直後から感想ツイートが増え始め、
6日川崎公演のあとからはもう膨大な量になった。
私はその内容に感激しつつも、旅先とあってガラケーひとつしかなく、
ひたすらリツイートし続けていたら(^_^;、このほど、
お友達のぽんず様が、それらをきちんとまとめて下さった。
本当にありがとうございました~~!!
素晴らしい!!

2013 ポゴレリッチリサイタルのつぶやき(togetter)

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『その後、大丈夫ですか』とメールで訊いて下さった方々にも
この場を借りまして御礼を申し上げます(汗)。
ご心配下さいまして、またご理解下さいまして本当にありがとうございます。
全然、大丈夫ではありませんが(爆)。

熱を出したとか寝込んでいるとかいうことではないのだが、
私は、心身ともに停止寸前、という気分だ。
パソコンを開くことも負担だし、音楽も聴きたくなくなった。
演奏会など、むこう数ヶ月はもう行かないだろうと思う。
自分でピアノを弾くことも、ハッキリとイヤになった。
とりわけ、自分のテレーゼは全く要らない。
だから今は、ハノンとツェルニーだけやっている。
ダウンロードしたものが巨大過ぎ、容量の限界まで食われており、
動作は激遅、些細な負荷がかかるだけでフリーズ寸前、
という実感がある。

ポゴレリチを聴いたあとは、私はいつもだいたいこのようになるので
今回だけが特別だったということではないのだが、
それにしても今年は、ショパン・リスト、それにベートーヴェンと、
それぞれに彩りの異なる彼の独自の世界に続けざまに触れたので、
その影響はこれまで以上に私の中に強く残りそうな気がしている。
何ヶ月か経てばまた、音楽を聴いたりピアノを弾いたりする、
以前の日常がどこかで戻って来る筈なのだが、
そうなるまでは、静かに自分の感覚の修復を試みるほかないと思っている。

私は彼と違って、本来、ごくごく凡庸な世界の住人であり、
狭い穏やかな空気の中で、自分の精神の均衡を保って暮らしているので、
あのような尋常でないものに容赦なく引きずり回されたら最後、
しばらくはモトに戻れない。
2010年の『独白・百物語』系のときにも、
まともに付き合おうとした私は随分と疲弊したものだが、
現在のポゴレリチの演奏は、あの頃とは全く異なっていて、
音も構成もすべてにおいて、上から下まで照準がピタリと合っており、
それゆえにこちらを一瞬たりとも逃さず的確に直撃して来るのだから、
これはこれで、受け手としては、たまったモノではなかった(^_^;。
いや圧巻だったのですよ勿論。ありていに言えば(汗)。
しかし圧巻もその規模と方向性によっては、やはり聴く者には命取りなのだ。

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