転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



去年の5月、既にそういう予感はあったのだが、
今回、6日川崎・8日東京と二公演を聴いて、
ポゴレリチがだんだん物凄いモノになって行くのがわかり、
私は今後、正気で彼を聴き続けることができるかどうか
ヤバいレベルに差し掛かってきたと思った(^_^;。

彼の巨大で濃密で精緻な、極上の芸術としての『追憶』の時間は
私の中にあった様々な、ごく個人的な記憶までも同様に呼び起こした。
普通はそんなものは思い出すにしても稀だし、
思いがけないものが姿を現すにしても、大抵ひとつずつなのに、
彼は多くのものを私の中で一度に蘇らせたので、
私はそれらに対処しかねて、深いところで真剣に混乱した。
幸福で甘美な想い出もあったが、できれば目を背けたかった記憶もあった。

人間は『忘れる』ことにより、生きることが楽になるのに、
ポゴレリチは、まるで『忘れる』ことを知らないかのようだった。

ポゴレリチが演奏会の少ないピアニストで、
私にとっては本当に本当に、良かったと思った。




…………で、ワタクシはこんな日から出社しなくてはならないって、
どゆこと(T_T)。なんかの天罰???

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