転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



朝は、いつもの漢詩の会に出かけた。
8月はこのあとお盆が入るので、会も月末までお休みだ。
今年度前半は李白と杜甫をやって来て、きょう最後に先生が、
「敗戦でそれまでのすべてがすっかり違ってしまったと思ったとき、
私を励ましてくれたのが、『春望』だったもんです」
と、ふと仰った。

詩聖・杜甫といえども、自分の五言律詩が、遙か後の20世紀になってから、
日本の陸軍幼年学校出身の少年に力を与えることになろうとは、
夢にも想像したことなどなかっただろう。
そして21世紀の今、高齢になった、そのかつての少年に指導されて、
私のような一般人のオバさんがまた、杜甫の世界に思いを馳せている、
などということがあろうとは。
こういう作品が時代を超えて伝えられてきたなんて、全く偉大なことだ。
文字の文化に感謝しなくては。

そして今年度後半からは、もうひとり、日本人の心に大きな影響を与えた詩人として、
白楽天の作品をいくつか取り上げようと思う、とも先生は仰っていた。
秋から、また楽しみだ。

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会のあと、八丁堀で昼食のパンを買い、炎天下を歩いて一旦帰って、
午後からは今度は、近所の音楽大学の大学院修了演奏会を聴きに行った。
大学院の修了演奏会ともなれば、既に立派なリサイタル形式で、
演奏技術だけでなく、自分の持ち時間を演奏会としてどう構成し、
聴衆にどこまで聴かせることができるかをも、問われる内容だった。
きょうは友人知人絡みもあって、打楽器専攻の方の演奏を聴かせて貰ったのだが、
多彩な選曲のうえ、一曲ごとのムードの切り替えも見事で、聴き応えがあった。

私はパーカッションなど全く知識が無く、自分で演奏できるものも無いが、
マリンバはピアノとよく似た面があるのだなと聴きながら思った。
叩いた瞬間が最大音で、あとは減衰に向かうという特性も似ているし、
旋律線の際立たせ方、内声の彩りなどの、音の組み立てへの感覚も、
マリンバにはピアノに通じるものがあり、聴いていて面白かった。

……暑い中、午前も午後も出歩いたら、夕方には疲れが出て眠くなった(殴)。

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