転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



『コジマ・ムジカ・コレギア』第21回定期演奏会
『広島ジュニアオーケストラ』第10会定期演奏会
が今年は合同演奏会のかたちで行われた。
きょうは、指揮・指導をなさっている小島秀夫氏の70歳のお誕生日だった。

小島秀夫 音楽塾

私自身は、弾く側としては弦楽器に全く縁のない生活を送って来たのだが、
娘の学校に何人か、小島先生の門下生の人たちがいるので、
HIROSHIMA MUSIC FESTIVAL(小島先生が毎年主宰されている室内楽セミナー)を、
見学させて頂いたことはあった。
また、今回の演奏会については、私の音楽関係の友人からも話を聞いていたし、
母校の大学同窓会広島支部の先輩からも案内を頂戴したりもした。

私の見るところ、小島先生やジュニアオケに関わる人たちは、
OB・OGやその保護者まで含めて、その活動に対してとても熱意と愛情があり、
小島先生が長年、広島で多くの子供たちを熱心に指導して来られたことが、
確実に根付き、強く支持されているのが感じられる。
きょうの演奏会では、何曲かは初心者の小さい生徒さんたちも一緒だったので、
ステージの上では、ときに総勢100何十人かという大規模な演奏が展開され、
どうかすると、普通のオーケストラの二倍近い人数になっていた。
こういう場で学んだ子供たちが、いずれ巣立って、しかしふるさとを忘れることなく、
将来また、広島の後輩たちのために力を貸す立場になるのだろうなあと、
部外者ながらしみじみと感じ入るものがあった。

プログラムの最後の、ブラームス『交響曲第3番』は、実に「濃い」世界だった。
この曲には、奥深い「憂愁」が漂っているけれど、
私の印象では、きょうの演奏は決して陰鬱さを引きずるものではなかった。
それよりも、もっと、濃密で味わい深い「憂愁」があって、
若い人を主体とする今回のメンバーから、そういうものを引き出されたのは
小島先生の、これまでのキャリアの見事さそのものを表しているように思った。

Trackback ( 0 )