転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



ライターの森岡葉(もりおか・よう)様がこのたび、
フー・ツォンの激動の前半生から現在に至る足跡を記録した
望郷のマズルカ 激動の中国現代史を生きたピアニスト フー・ツォン
を出版なさいました。おめでとうございます!
私の待ちわびた、日本では初めての、フー・ツォンを主人公とする一冊です。

この本の前に、父親フー・レイが、異国に学ぶ若きフー・ツォンに宛てて
長年にわたり書き送った手紙が、原題『傅雷家書』、日本では
君よ弦外の音を聴け』として榎本泰子氏の訳で出版されており、
フー・ツォンの原点となった家庭や、彼の育った時代、
バックボーンとなった芸術観、などについて知ることが出来ましたが、
これは飽くまで中国在住だった父親の視点による書簡であり、
フー・ツォン本人の発言を収録したものではありませんでした。

今回の森岡様の本には、そうした父親の手紙に応えるかのように、
フー・ツォン側から語られた彼の前半生、両親や弟への思い、
音楽への熱い理想や、若いピアニストへの提言、などが記録されており、
あわせて、彼が生きてきた時代を感じる上でたくさんの共通点のある、
中国の様々なピアニストたちの貴重な証言が収められています。

アリアCD様でも、この『望郷のマズルカ』と、
77年録音のフー・ツォン『ショパン:ノクターン』のCDとを
現在、取り扱っていらっしゃいます
『ノクターン』全曲は、私にとってフー・ツォンとの出会いとなった、
思い出のレコードでした。
復刻されましたことを、心から嬉しく思います。


(フー・ツォンの名を初めてお知りになった方がいらっしゃいましたら
私の、フー・ツォンに関する以下の日記もご覧頂けましたら光栄です。)
傅聰(2004年12月14日)
フー・ツォン(傅聰) 2 (2005年1月14日)

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