若い頃から車が好きで、外を歩けば車ばかり見ていて、新聞の折込チラシに車の広告が入っていると時間を忘れて見入っていました。
でも私の同年代の男の子たちはみなそんなところがあったのではないかと思います。
一生懸命バイトして、何年もかけてお金を貯めてスカイラインを買った子もいました。
当時のフルタイム4WDのスカイラインGT-Rなどは誰も買えなかったけれど。
免許をとったばかりの頃、しばらくは原付に乗っていましたが、バイト代を貯めて安い軽自動車を買いました。
4,5年落ちの排気量550ccの三菱ミニカで25万円という大変安い値段でした。
前のオーナーは若い女性でしたが、まったくいじっていなくて、いわゆるドノーマルでした。細いバイクのようなタイヤを履いていました。
色は赤で、あまり好みではなかったけれど、色を選べる立場ではない。
でもそのミニカ、大学4年間ずっと乗っていました。
小さな車で、しかも税金の安い4ナンバーだったので、後ろの座席が狭く、友達同士で友達の実家のある高知の四万十川源流の村へ行った時などは、前の座席も前にズラさないと乗れませんでした。
4年くらい乗った時にクラッチが滑り出して、伊川谷の学院坂を登るのに苦労したりしましたが、修理するお金がなかったので、だましだまし乗っていました。
免許をとったばかりの同じバイトの女の子がパチンコ屋さんの駐車場の鉄の柱に正面から突っ込ませて廃車になるという、あっけない最後を迎えたけれど、でも若くて時間だけはたくさんあった時の車だったので、それだけ一緒にいる時間が長かった。
車というのは、どんな車でも本当に思い出になるというか、思い出の一部になると思います。
先日はお立ち寄りいただきまして、誠にありがとうございます。お話させていただいて、いつも何らかの刺激をいただいています。
個展、ぜひ神戸でも開催してください。
車はTVや冷蔵庫といった工業製品と違い、人に多くの思い出を残します。前回の個展では万年筆の魅力を伝えたいと思い開催しました。今度の個展では車には人それぞれ大切な思い出があることを伝えたい。