元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

こしらえ~東京出張販売案内8月30日(木)、31日(金)、9月1日(土)~

2018-08-21 | お店からのお知らせ

 

 

ペン先とペン芯、それを束ねて首軸に固定するペンカバー、そして首軸。書くために必要なメカニズムはここに集約されていて、これらのひとつの部分は神聖な領域で、軽い気持ちで踏み込んではいけないと思っている。

ペン先調整というのは、この神聖な領域に手を入れるわけなので、それなりの敬意と覚悟を持って臨んでいるし、もっと書きやすくなるはずの神聖な領域を手助けするためにペン先調整をしているので、何もしなくてもいいと判断したら、何もしないこともよくあります。

若い時はその意識は薄かったような気がするけれど、今はなるべく手を入れない方がいいと思うようになった。

お店が真のオリジナル万年筆を作ることができないのは、この神聖な領域に手が出せないからで、ここに手を出して成功することは少ないと私は思っている。

 

万年筆銘木軸こしらえは、その神聖な領域に手を入れず、外装だけを銘木製にしたものです。

神聖な存在であるペン先ユニットはそのまま使うという考え方です。

工房楔と積み重ねてきた銘木の良さを万年筆を愛用するお客様に知ってもらいたいという働きかけは、こしらえの開発でひとつの局面を迎えたと思っています。

こしらえについておさらいすると、こしらえとこしらえ長軸があります。

こしらえはパイロットの2万円クラスの万年筆カスタム742とカスタムヘリテイジ912の首軸ユニットを使うことができます。

標準の万年筆らしい長さになっていて、工房楔のペンケースコンプロット4ミニにも収めることができるサイズです。

こしらえ長軸は、カスタム743の首軸ユニットをつけることができます。

カスタム743は15号という大型のペン先がついていますので、キャップ内のクリアランスを大きくとっています。

カスタム743とカスタム742は首軸のネジ径は同じなので、こしらえ長軸にはカスタム743とカスタム742/カスタムヘリテイジ912両方をおさめることができるということになります。

こしらえ長軸は、キャップを尻軸につけることができないこしらえでもボディの後ろの方を持って書けるように、かなりボディを長めにしています。

工房楔のコンプロット1ロング、当店オリジナル長寸用ペンシースなら収めることができます。

ネジパーツの素材には真鍮とステンレス、エボナイトがあります。

真鍮、ステンレスは少し重量感が出ます。エボナイトは軽く、見た感じや手触りに木との親和性を感じます。

こしらえの良さは、パイロットカスタムという世界に誇る代表的な日本の万年筆のペン先を、大量生産では扱うことができない銘木のボディで使うことができるところにあります。

銘木は、2つとないその杢を見て楽しみ、木の手触りを楽しみ、使い込んで出る艶を楽しむことができる最高の素材だと思っている。


完璧な筆記性能と楽しを併せ持っているこしらえは、完璧な万年筆で、当店と工房楔が自信を持って販売し続けているオリジナル商品です。



【出張販売東京】8月30日(木)14時~20時 8月31日(金)12時~20時 9月1日(土)12時~20時

ギャラリー懐美館 東京都渋谷区恵比寿西1-31-14グリーンマンション1F

出張販売でもクレジットカードもお使いいただけるようにしました(暗証番号が必要です。明細をお送りする場合Eメールアドレスが必要になります)
ペン先調整をご希望のお客様、事前にご予約いただきましたら、スムーズに承ることができます。
電話078-360-1933か、Eメールpen@p-n-m.netにお申込み下さい。ペン先調整3500円、字幅変更8500円 持ち帰り調整の場合、返送料900円がかかります。