元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

母の誕生日

2009-12-06 | 仕事について
母が亡くなって20年も経っているので、もうあまり思い出すことはないと言えば冷たいと思われるかもしれません。
当然ですが、子供頃からとても好きだった父よりも母と一緒にいることが多く、嫌なところもたくさん見ましたが、穏やかに話をするようになった、今から思えば晩年の母とは別人のように感じられます。
学校の成績が良くて、スポーツもできたという母にとって、私の存在は失望以外の何物でもなかったと思いますが、そんな私の高校受験の前くらいまでは期待してくれていたと思います。
しかし、そんな母の期待とは裏腹に私は本当に小さな子供の頃から、母から言われることと反対のことばかりしてきました。
子供心に母の言うことに共感できず、反発を覚えて、言うことを一切聞かなかった私のせいで、私は自分の母親の嫌なところを見ることになったのだと、今なら分かります。
今日が、バブル景気の中、就職もせずフリーターをしている私しか知らずに、私に失望したまま亡くなった母の66回目の誕生日でした。

5 コメント

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親子関係 (くり)
2009-12-07 19:45:30
 吉宗さんにも、親との葛藤があったなんて、驚きました。私も悩んだことがあったので。というより、まだ現在進行形ですけど(苦笑)。
 一番身近な他人と、どのように関わるかは難しい。

 
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失望させた (つきみそう)
2009-12-07 23:41:53
と思っていても、母上にとってはきっと
自慢の息子さんだったに違いありません。
失望は期待の裏返し。失望しているように
見えてもどこかで期待していらっしゃった
はずですよ。
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母の誕生日 (penandmessage.)
2009-12-08 13:52:27
くり様
ありがとうございます。
大人になっても親は親、子は子ですね。
あまり親の気持ちを考える子供ではなかったけれど、あるいはなかったからこそ、今だに後悔の気持ちを持ち続けているのかもしれません。

つきみそう様
ありがとうございます。
母親には反発した記憶ばかりで、今から思うとなぜあんなに馬が合わなかったのかと思います。
でも確かに期待するから失望するのだと思います。もっと親孝行すればよかったと子供は親を亡くしてから思うものですね。
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母の思い出 (たけちゃん)
2009-12-09 00:43:04
 ああ、吉宗さんも私と同じだったんだと思いました。私の母は昭和60年の暮れに亡くなりました。日航機が墜落した年の瀬です。私は20歳でした。2浪して何処にも受からず、母親は自分の息子の行く末を見ずに他界しました。中学、高校と口やかましく本当に母親のことが憎く思えて、高校の終わり頃から始めた日記にも多くの苦言を書き残しています。母の亡くなる1年程前から149でも日記に書いています。日記を読み返すたびにやりきれない思いです。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」お読みになっていますか?これには共感しました。当時、よく夢で泣いて目が醒めました。この頃しょっちゅう思います。自分の子供を叱る度に、自分も母親と驚く程同じ叱り方をしているのです。人類としての学問や科学技術は進歩して積み上がってゆくのに、人(ひと)は個人ごとに世代ごとに同じことを繰り返してしまうのですねえ。あまりに似たお話なので書かずにはいられませんでした。
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母の誕生日 (penandmessage.)
2009-12-09 02:03:12
たけちゃん様
ありがとうございます。
どんなに反発していても似てしまうものですね。そして自分が親の年齢になって初めて親の気持ちが分かるのかもしれません。
本当に、学問や産業の世界では知識や技術が伝えられて世代を超えて進歩していくのに、人の心というか、行いは進歩せず繰り返されることを私も考えていました。

ブログ始められていたのを知りませんでした。
これからも楽しみに読ませていただきます。
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