元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

工房楔イベント 9月26日(土)27日(日)

2015-09-22 | お店からのお知らせ

9月26日(土)27日(日)、年2回の恒例となっております工房楔のイベントを当店にて開催いたします。
ぜひご来店下さい。

毎回、工房楔イベントを楽しみに思って来て下さっている方も多くおられて、そういった皆様のおかげでこのイベントを続けることができました。大変有り難く思っています。

工房楔さんのことをご存知ない方のための少し説明させていただきます。

工房楔さんは木工家永田篤史さんの木工房です。

木工家というのは木にこだわって、木を素材にして作品を作っている作家さんで、永田さんは外見だけでは難しい良い素材を見抜く目とそれを仕上げる優れた腕とセンスを持った作家さんの一人です。

木工家にとって良い素材を見抜く目は生命線だと言えます。
木は同じ種類のものでも、その個体によって模様の出方、艶やかさが違っており、永田さんが扱うものはどこに持って行っても恥ずかしくないもので、永田さんの作品のファンの方はその素材を見る目を信じてくれています。

良い素材を平滑に、持っていて気持ち良い形に削り出す腕の良さは多くの人が認めるところですし、素材によって粗めに仕上げて手触りを残したり、ツルツルにしたりと仕上げ度合いを変えるのは高度なセンスによるもので、永田さんのこういう仕事ぶりを熟達した人のものだと私は気に入っている。

万年筆店で木工家のイベントをするということに違和感を感じる人もおられるかもしれませんが、永田さん自身特にイタリアの万年筆を10数本所有し、愛用している万年筆理解者で、万年筆に絡む作品をたくさん製作しています。

木を私はずっと万年筆をはじめとするステーショナリーにとって理想の素材のひとつだと思っていましたので、工房楔さんの商品を扱うことはとても自然なことでした。

しかし永田さんと出会って、私が今まで理想の素材だと思って見てきた木は、それぞれ銘木の名前はついていたけれど、個体としては大して魅力のない平凡なものだったと知りましたが。

ひとつずつの作品それぞれに最も良いと思える部分を使うことができるのは、少量の製作だからだと思いますが、大量生産では使えない素材、取れない方法があることを工房楔に作品で私は知りました。