元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

オリジナルでありたい

2009-12-18 | 仕事について
何かのコピーやスタイルやデザインだけを真似したものではなく、オリジナルであるものを身に付けたり、持ち物として選びたいという願望が強くなっています。
オリジナルである物には、そのデザインなどの見た目だけでなく、物作りの考え方や思想が込められています。
それを使う人の人物像やライフスタイルも考慮されていて、物作りとは、自分達がターゲットとする人たちをできることで幸せにしたいという願望を形にする仕事だと思うからです。
お金儲けよりも先にそういった思想のある商品はきっと長く使い続けることができて、多くの人を幸せにすることができるから、いつまでもスタンダードであり続けることができるのでしょう。
それほどたくさん買うわけではありませんが、自分の価値観にピッタリと合った物を扱っていて、居心地の良いと思えるやっと見つけた服屋さんでそんなことを教えてもらいました。
物作りではありませんが、物を販売する私たちのような店の仕事も同じで、以前は仕事のヒントやお手本を探して、大阪や東京の有名な店を見て回ったりしていましたが、そういったことは自分の仕事においてはあまり役に立たないことだと最近気付きました。
世の中にはお手本などなく、それを探しているうちはオリジナルにはなることはできず、他の人と同じベクトル上で競合してしまう、消耗戦のような競争に巻き込まれてしまう存在でしかありません。
他の人とは違うやり方で仕事をしていかないとオリジナルになることはできない、お手本がないことで不安に感じることがあるかもしれませんがそれが自分達の安全を守る唯一の方法なのかもしれないと考えています。

5 コメント

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Unknown (しげお)
2009-12-24 00:41:05
今年のGWにP&Mに初めて来店したんですが全然そんな気がしないんです。(笑)
何故か昔からあるみたいで....
何故か昔から知り合いみたいな気がして....
勿論、六甲のかばん屋さんもそうなんですけど
小売店のオリジナリティ-って店主の持つ空気感が大事なんではないでしょうか?
商品を売りつける事無くて僕の似合うモノを提案してくれる、今でも充分にオリジナリティ-はありますよ。
来年も再来年も10年後もずっと行き続けたいお店ですよ。
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いつまでもあり続けたい (penandmessage.)
2009-12-25 00:53:26
しげお様
ありがとうございます。
ずっと前からの知り合いみたいな感覚は私も持っていました。
フィーリングの合うお客様とはよくそんな感覚を抱くことがあって、初対面の時から打ち解けた雰囲気になる。
ずっとしげお様が通いたいと思う店でいたいと思います。
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美人とは (b-wind)
2009-12-25 11:20:33
顔のあらゆるところが平均に近くてほんの少しだけ特徴のある人に美男・美女が多いそうです。

全く同じと言えるかどうかはわかりませんが、「他と違う」事にこだわりすぎる必要も無いのかもしれません。

ありふれているようでいて、ほんの少しだけそこにしかない物がある。
そういうものこそ今求められているのではないかという気がします。
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オリジナルとは ( つき)
2009-12-26 17:06:09
仕事柄、よいものをみるようにしています。

尊敬していた前職の上司が
『真似から始まってもいい、出口が違うのであれば。』といってくれたことを思い出しました。

職人さんの仕事の流れだと思いますが
『守・破・離(しゅ・は・り)』という言葉を
聞いたことがあります。

師匠の作り出すものを
とにかく真似をし、自分のものにしていき
どこかでブレイクスルーする。
そして、独自のものを生み出していく。

子どもから大人になる過程で
誰かの真似をせずに生きていける人は
ほとんどいないとおもいます。

けれど、自分が経験したことを
どう、生き方、仕事に反映させていくか
その選択の積み重ねが間違いなく、
その人のオリジナリティになっていくのだと
信じています。

自分の人生に真摯に向き合い続けることが
できるひとなら、きっとそれは手に入れられるもの、そう信じています。

そして、
吉宗さんのお店は
間違いなくどこにもないオリジナルだと感じています。

初めて手に入れた万年筆が
吉宗さんのところで出会えてよかったとおもっています。
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オリジナル (penandmessage.)
2009-12-27 00:40:08
b-wind様、つき様
ありがとうございます。
私はとても天邪鬼で多くの人が進む方向と反対の方向に行きたいと思うほうで、それで苦しい思いをすることもあれば、労力以上の結果が出ることもあります。でも結果が出るまでもとても不安なのが、実のところです。
でもほんの少しだけ違えればいい、というのはとても気が楽になります。
そして、真似から入って、出口が違えばいいという言葉も奇抜なことに囚われすぎずに、基本を徹底的にマスターして、勝手に滲み出るのがオリジナリティだというのもとても良い話ですね。
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