元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

旅の記念に

2014-10-12 | 実生活

前の定休日にル・ボナー松本さんたちと行った北条鉄道沿線の撮影遠足は本当に楽しかった。

駅から降りて、道に迷いながら歩きまわるのも冒険みたいでワクワクしましたが、その後の北条町の町歩きも楽しめました。

でももしかしたら、場所は問題ではなくて、どこに行っても楽しかったのかもしれません。

いつまでもこうやって歩き回っていたいと思った感覚は、4年前に行ったドイツ、チェコ、イタリア旅行に似ていました。

また撮影遠足に行きたいと思っています。またみんな集まってくれるといいけれど。
 

「北条町の旧市街はどこですか?」と駅で聞いて教えてもらった旧街道筋のようなところを歩いてみました。

松本さんははじめから古い文房具屋さんに廃番万年筆があるのではないかと期待していましたが、私はもうないのではないかと思っていました。

ほとんどのお店のシャッターが閉まっていましたが、わずかに開いているお店があって、何と文房具屋さんもありました。

これは松本さんのいわゆるヒキの強さだと思い、喜んで、でも遠慮がちに店に入りました。

本当に珍しい、希少価値のあるようなものはなくても、何かこの町に来た記念、この遠足に来た記念になるものが欲しいと思っていましたので、文房具屋さんで何でもいいから買おうと思っていました。

いつも持っていられるもので、そのモノを見ればその時のことが思い出されるもの。

それほど古くなく、でも中途半端に古い筆記具が20本ほどあって、その中に私のマニアックな心を動かすものがありました。

以前は普通に売られていて廃番になってしまったペンテルの製図用シャープグラフペンシル。

デザインがとても良いと思っていたのと、繊細なリードパイプを保護するキャップがノックバーの根元につけることができるきめ細やかな配慮がされた日本のステーショナリーらしい逸品。

お店の方も古いものを買う私たちを面白がって応対してくれて気分が良かった。

その後の喫茶店でパフェを食べ、コーヒーを飲みながらそれぞれが買ってきたものを見せ合ったりして、時間はまだまだあると思っていましたが、あっと言う間に陽の光が黄色くなっていて、帰宅ラッシュで賑わう北条鉄道に乗り込んだのでした。