元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

なくても困らないけれど、あると嬉しいもの

2012-10-20 | 仕事について

工房楔の鉛筆エクステンダーコルト https://www.p-n-m.net/contents/products/category2-14.html は鉛筆の補助軸というには短すぎるし、鉛筆がかなり減らないと使うことができませんので、実用的ではないかもしれません。

しかし、コルトには使ってみたいと思わせる可愛さがあって、作り手の遊び心を感じます。

このコルトは私たちが作りたいと思っていること、やっていることの象徴的なことだと思います。

私たちが扱っているものはなくても困らないものばかりで、生活必需品などは一切ありませんし、生涯で関わることのない人が大半かもしれません。

もし今戦争になったら、当店は間違いなく存在できなくなるだろうし、世の中の歯車に嚙み合っていない、勝手に回っている感じは常日頃感じています。

なくても困らない、私たちが扱っているもの、店の存在ですが、あると毎日が少しだけ楽しくなるし、仕事などに張り合いが出ることもあります。

仕事を楽しくしようと思ったら、良い結果が出るように一生懸命になればいいと思っていますが、意思が弱い私は、書き味の良い万年筆やノートなど、こういうものの力を借りてモチベーションを上げようとしています。

何もなくてもがんばれる人は素晴らしいけれど、私たちが提供するものが自分も含めた多くの人の毎日に何かを滴らせることができたらといつも思っています。