元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

神戸の夜

2010-10-01 | 仕事について
1年振りに万年筆画伯古山浩一さんが、ル・ボナーの松本さんと来店されました。
4年前、私が生田筋の5階の万年筆フロアに居たとき、松本さんが来てくださったのは、古山さんが私を松本さんに紹介してくださったのがきっかけでした。
それから私の人生は新たな局面を迎えて、今に至っていますので、古山さんの存在なしでは松本さんとの出会いもありませんでしたし、今の私の立場も違っていたと思いますので、古山さんには本当に感謝しています。
某大手スポーツ新聞の大物記者Sさんも来られて、最近よく行っている焼肉店糸桜へ行きました。
宇治川商店街西側の道を少し入ったところに糸桜があります。
当店から皆で、遠い、遠いと言いながら歩きました。
古山さんとSさんの愉快な話で時間は過ぎていき、笑いっぱなしの時間を過ごしました。
古山さんはそんな振りは一切見せませんが、自分の道を決めて一生懸命に生きている職人さんたち同士を引き合わせということで、万年筆や他の業界にもとても貢献していると思います。
松本さんと私を引き合わせてくれたのもそんな古山さんの働きによるもので、松本さんと出会ったから私は万年筆店を今しているのだと思うと、人の繋がりのすごさを感じます。
人と人とを引き合わせたり、育てたりすることでお金儲けをするのではなく、何の見返りなくこういったことが行われるから、人はそこにロマンを感じるのだと思います。
古山さんや松本さんのそれは、こういうことを仕事にしている人と比べるととてもさりげないですし、言葉も控えめかもしれません。
でもそれは助けてあげたい、手伝ってあげたいと思った人のみに向けられるものだからこそ貴重なのです。
そこには一瞬人目を引く華やかさや、人にすごいと言われる派手さはありませんが、お金儲けよりも優先されるべきロマンがそこにはあるのです。
この夜も話に出ましたが、何のために生きるかという人生の柱みたいなもの、それを見誤ってはいけないということ、人との繋がりにこそロマンがあるということを私は古山さんと松本さんから教えられました。
糸桜を出て、私たちは帰りましたが、古山さんと松本さんはアルファロメオで夜の神戸にまた走り出していきました。