元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

大和出版印刷万年筆用ノート

2007-12-12 | 仕事について
今朝の朝日新聞の兵庫県欄に大和出版印刷の武部健也社長と同社製の万年筆用ノートが紹介されています。
万年筆用ノートは、フェンテの大御所会員の人たちに選んでもらった、万年筆を使うにおいて最高の紙と、大和出版が大切にしてきた活版印刷機とその技術、そしてプロ中のプロと言われている製本家の装丁によって作られた最高品質のものです。
大和出版では武部社長の強力なリーダーシップのもと、一年程前からこのノートの企画に取り組んできて、社長自身の万年筆に対する愛情や情熱が相当強かったことが、このノートによってはっきり分かりました。
武部社長とは、店の準備期間によくお会いすることがあり、大和出版の応接室でよく話をすることがありました。
豪快でありながらも、細心の心配りができる人で、とても楽しく話しをさせていただきました。
本業の印刷やWEB製作(こちらは関連会社である、dig.netの担当)について豊富な知識を持ち、いつも問題意識を持って将来を見据えている所に、会社のトップとしてのあるべき姿を教えられました。
完全な受注産業である印刷やWEB製作だけでなく、自分達で作った物やライフスタイルを提案したいという想いを結実させた記念すべき第一歩がこの万年筆用ノートで、大和出版印刷だけでなく、この企画に関わらしていただいたル・ボナーの松本さんや私たちの夢が託されています。
ノートにとって5,250円という価格は非常に高価ですが、最高の紙、印刷、製本、そしてそれを形にしたいと思ったプロのロマンは、そのノートにお金をいくら出しても簡単には手に入れることのできない、書きたいと思わせる雰囲気を持っています。
当店では12月27日、ル・ボナーさんは12月26日から販売を開始します。

私のPen of the year 2007

2007-12-12 | 仕事について
12月も中旬をすぎると何となくこの1年を振り返ってみてしまいますし、お客様それぞれにとってどんな年だったか、話の中でよく聞いてみます。
今日お話したKさんは「混沌とした年でした。」と言われましたが、大変だった年を乗り切った清清しさを感じました。
私にとっては「出会いの年」でした。
今までしたことのないことをしたにも関わらず、たくさんの人たちに助けられて、幸運にも今、自分の店の中にいることができていて、毎日本当に良いお客様方とお話することができています。
出発する時、ゴールは見えていましたが、その道程について分かっていなかったから踏み出すことができたのかもしれません。分かっていたら、おそらく躊躇していたのではないかと思います。
そんな私にとって新しいスタートの年を記念するペンが必要だと、12月の今になってやっと考える余裕ができました。
万年筆を買うのは本当に久し振りですが、ずっと好きでこれからも使っていきたいもの、お客様にも奨めることができるものとして、ファーバーカステル伯爵コレクション エボニーの万年筆を選びました。
ごてごて装飾のないシンプルな万年筆ですが、デザインに主張があって、軸が黒檀という素材感も気に入りました。
全長が長いわりにキャップが重いので、ねじ山付近を握る私にはキャップを外して使う方が合うようでした。
中字ばかり持っていますので、太字にしました。
手帳には使わず、原稿用紙、便箋などに使いたいと思っています。