元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

2007-02-06 | 万年筆
縁というのはとても不思議なもので、どこでどう繋がるのか。それは結ぼうとしても故意に結べるものではなく、めぐり合わせと言うほかはありません。
昨年大晦日に焼き物の大収集家であるお客様のKさんのお宅をお邪魔して、焼き物に関していろいろご教授いただいてから、焼き物への憧れは強くなっていました。
兵庫県の焼き物の産地といえば立杭があり、そこを訪ねてみようかと考えていましたが、たまたまお話したお客様が茶道具のコレクションもすることを知り、お話を聞いているうちに備前への憧れが強くなっていきました。
たまたまペン先調整で訪ねてこられた、別のKさんが岡山から来られていることは知っていましたので、備前焼について聞いてみると、Kさんの義理の弟さんが陶芸家で備前焼きをしていて、見せてあげてもいいと言ってくださいました。
本当に不思議なめぐり合わせで、毎日たくさんの人と言葉を交わしても出会いがないこともあるのに、来られた数人の方々によって導かれていることが、とても不思議に思えました。

東湖園

2007-02-06 | 万年筆
備前焼の陶芸家宅を訪れる前日、岡山の街を訪ね、市街の端にある東湖園に行ってきました。
朝早かったこともあり、市電は空いていて、東湖園のある門田屋敷の電停で降りたのは私だけでした。
東湖園はひっそりとしていて、管理人らしき女性が掃除をしていました。
侘しい雰囲気を持った園は敷地の半分以上を占める池の周りを散策しながらその造形美を楽しめるようになっていました。
小堀遠州の作と伝えられていて、確かに所々純和風とは違う異質な整頓は遠州のものかと思わせてくれます。
茶室での時間をもったいぶるように、ゆっくり時間をかけて、庭園を歩きました。
池に写った茶室は、冬の澄んだ空気のせいもあり、くっきりとしていましたし、枝葉の全くない木々がこの庭園の輪郭をしっかりと見させてくれました。
建物の中には、茶室が三つほどあり、どの部屋も自由に見ることができました。
一番気に入ったのは、建物の端の池にせり出した部屋で、夏の暑い夜、涼みながら月を楽しみながら過ごすことができたと思われる二畳の茶室でした。
その後、お抹茶を頂きながら管理人の女性と世間話をし、非常に充実した気分で東湖園を後にしました。