膳-Sai

料理サロン Tomoko's Tableのご紹介。
食にまつわる、日々の暮らしを・・・

食育って・・・その2 改訂版

2006-08-01 15:45:37 | スローフード
29日に東京でのスローフードジャパン第1回食育委員会に出席してきました。
皆さん立派な方たちばかりで、お話もとってもお上手。
今の生産者の声や、イタリアやフランスでの食育。
皆さんの地元での活動等、色々とお聞かせ頂き
大変有意義な時間を過ごさせていただきました。

味覚教育については、ピュイゼメソッドのお話も聞かせていただき
ました。
東京ではピュイゼさんが来られ研修もされているようです。
ちょっと羨ましい。。。
私が食育に目覚めたのは、ピュイゼメソッドを知ったことです。
とっても興味深いメソッドですが、ちょっと日本では
合わない部分もあるかなーと思っています。
文化が違うんだから当然です。

それはさておき・・・
まず、「食」の基本は食を楽しむことにあると思います。
楽しめない食は単なる「エサ」。
せっかくの松坂牛のステーキも家族で喧嘩しながらいただいてもちっとも美味しくないでしょう。
それより、普段の食事でも和やかな気分で愉しくいただくほうが、ずっと美味しくて、体にも良いことだと思います。
味覚教育もまずは楽しい事が前提。
楽しめなくちゃ続きませんし、広がりません。

次に味覚教育とは「本当の味」を知ってもらう、また、色んな味を五感で感じながら体験してもらうものだと思っています。
絵画でも音楽でも同じことです。本当のものを見たり聴いたりすることはとても大事なことです。好き嫌いにかかわらず。
味覚も、絵画も音楽も、みんな好みがあります。
甘党、辛党、ジャズの好きな人、クラシックの好きな人、色々です。
たとえば、昆布、カツオの出しと化学調味料の出し、どちらが美味しいと感じるか、それも好みの問題です。
味覚教育では、自然の無添加な味はこのような味、化学の味はこんな味と紹介することが出来ます。本当は体験した方皆さんに「無添加のものは美味しい」と感じてもらいたいのですが・・・。
うーーん、これが難しい。昭和30年頃から、化学調味料、画期的な商品「出しの素」なんていうのが出てきて、大流行。
母も暫くものめずらしさもあり使ってました。
あの頃からの人は「あの味」の記憶が刷り込まれているように思います。
味覚の記憶は10歳ぐらいまでだから・・・
それ以降、ファーストフードがどんどん出てきて、味も画一化してしまいました。
それと同時に食生活の乱れ。
食べ物が変になると、生活もおかしくなってしまうんでしょうか。。。
今やっと気づき始めたんでしょうね。
とにかく、「本当の味」が美味しいと感じてもらえるよう、考えなくてはなりません。これは、私にとっても、これからの課題です。

あと、同じ食材や調味料でもその土地柄や文化によって味が違うということ。
たとえば、今流行のお塩。日本の海塩、シチリアの海塩、フランス、ドイツの岩塩等みんな本来の味で、どのお塩も美味しいでしょう。
より多くの味を知る事によって、より「食」を楽しむことが出来ると思います。

10月からのお教室では、こんな味比べも体験していただこうと思っています。

ずいぶん長くなってしまいましたが、これが今私が思っている味覚教育です。

まぁ、とにかく、旬の地場やさいを食べ、奈良の名産「三輪そうめん」を
ちゃんとした「つゆ」でいただきましょう。