膳-Sai

料理サロン Tomoko's Tableのご紹介。
食にまつわる、日々の暮らしを・・・

星のや東京 2020.10月

2020-10-26 17:37:33 | 食道楽ランキング

少し前のことですが、星のや東京のご常連の方のお誘いで、お食事に伺いました。
こんなご時世なので、東京!なんて・・・、と思い、踏みとどまったのですが、次はいつ行けるかもわからないし、今を大切に、、思い切って行ってきました。
8か月ぶりの東京。そういえば、8か月前の東京最後の晩餐はカンテサンスで、その前の晩が星のや東京でした。

星のやさん、ご縁があるのかしら~~、なんて勝手に思ってます!

この春からメニューが様変わりで、今までのNipponキュジーヌが発酵をテーマにしたコースに大きく変わりました。
浜田シェフの発酵コース、とても興味深く、食べてみたいと思っていたから、その機会がいただけて、ワクワクです。

この日のホテルは日本橋だったので、徒歩で向かうことができます。混んだ電車にも乗らなくていいし、ちょっとほっ、、

久しぶりにお会いする方々、嬉しかったです。

星のや東京のいつもの正面のお飾り。この時はお月見の設えでした

      

お月見団子に見えますが、なんと、ポンポン菊です。びっくりでした。

お待合に移り、しばらくして、地下のお部屋へ。
いつものヒバのプレート
この日のメニューです。

      

若干字が薄く、見えにくい。。
今までとはちょっと違う。違うから余計ワクワクしますね。

1品目 合  鮒

      

鮒鮓のお料理です。鮒鮓のスライスにソーテルヌブランのジュレ、鮒鮓の下にはフロマージュブラン、一番下に浸け床の飯も。上から下までセットでいただき、鮒鮓をしっかり咀嚼して味わう、というお料理です。すごいわ~~、鮒鮓にソーテルヌのジュレが凄く合います。フロマージュブランはミルク臭が少なく、上品なコクをプラスし、何とも奥深い味わい深いお料理です、ソーテルヌブランに何か仕掛けがしてあるように思いましたが、ライムのジュースが少し入ってるそうです。1皿目からしっかり発酵です。それにしても、ホントに素敵なお料理です。この一皿だけでも東京まで来たかいがありました。

2品目 石  五つの意志  

      

いつものですが、ちょっと違う。緻密なお料理ですが、その物の風味がしっかりと生きている。
五味を現したお料理、左から酸、塩、苦、辛、甘。コース料理形式。これがお楽しみなんです。
左から、しめ鯖にたくあん、お海苔で巻き、大根で巻いてます。周りに胡麻、いくらも一粒。一口で!酸味の効いたロールです。海の香り、食感、鯖の旨味の重なり合いが美味しい。とても小さいのに。。
赤いボルシチ、ボルシチのスープが広がります。金山寺味噌風味、ですが、強くはなく、深みがあります。
糠漬け秋刀魚のコロッケ。はらわたの苦みがふわっと。ほんのり温かく、美味しい。
海老と帆立のソーセージ、人参で巻かれてかんずりの辛みが素敵なアクセント。
最後の甘味はくりにニシンの赤ワイン煮。ザ・ニシン!もちろん甘味も。
最後まで楽しい意志。毎回超お楽しみです。今回も楽しく美味しかった~~、やっぱり発酵でした。

3品目 包  金目鯛

     

金目鯛のパイ包み焼きです。真ん中に金目鯛、その上にほうれん草、下には糠漬け舞茸のみじん。。周りには、海老等のムース。ソースはエシャロットの糠漬けを使ったベアルネーズソース。付け合わせのお野菜は、なんと、パンとビールの発酵床に浸けたもの。ナスやキュウリ等色々なお野菜たち。発酵させてるので、やや酸味がありますが、なんとも美味しいお野菜です。ピクルスとまでは行かないけど、、手前の柑橘は持って行った(大和橘の会長の言付け物)四季橘。さっそく絞っていただけるようにしてくださいました。舞茸の糠漬けが酸味と旨味のアクセントになっていて、びっくりしました。まるで調味料みたいです。きのこの発酵って美味しいものですね。
ボリュームのある一品ですが、発酵の酸味でするするといただけます。美味しかった~!

4品目  東   豆腐よう

      

先ず、升にこんなペーストの山が運ばれてきます。ひと匙すくっていただきます。沖縄にある豆腐ようの味。とてもなめらかで、舌触りよく、旨味もあります。ひと匙すくったら、すぐ引いてしまいます。えっ、、もっと食べたいのに・・・っと思ってるとお料理が運ばれてきます。

      

このプレートの左にあるのが、升に入ってたペーストです。後から添えてくださいます。
このお料理、真ん中下は豆腐ように浸けたフォアグラ。その上に豆腐よう、その上にエビを泡盛に漬けたもの。その上には泡盛のシートが。手前は柚子のソース。豆腐ようのペーストにはフォアグラの旨味も出てるから、美味しいのですね~。
お料理は泡盛や豆腐ようの風味がしっかりです。エビは老酒に漬けたような風味、身はねっとりと、アルコールの風味がエビの香りと共に鼻に抜けてゆきます。フォアグラも、漬けてたお陰で、味が濃く、独特の脂っぽさも抜けて、美味しさだけが残ったような感じに。柚子ソースがよく合います。とっても魅力的なお皿でした。もう一度いただきたい・・・・

5品目  優  鹿

      

信州の鹿のロースト。塩と大豆だけで作ったお味噌、ねさし味噌に漬けてローストに。鹿肉で作られたコンソメにエストラゴン等のハーブが入ったスープがたっぷりとかかります。スパイスも複雑に効いてて、ちょっと中華の五香粉や花椒、シナモンやカルダモン、の香りが、、、お野菜のグリルがとても美味しい。味が濃くてしっかりした食感も、ひらたけも入っていて、キノコ類の旨味も加わてるのでしょうね。焼いたおネギ、蕪も秀逸。
このお料理の締めはこのおにぎり

      

焼きおにぎりにねさし味噌、鹿肉、実山椒、生姜で作られた鹿味噌??がのってます。
このままで少しいただいて、あとは残ったスープにいれてさらさらといただきました。美味~!
このおにぎりのお皿が可愛い。鹿さんがいるんです。。

6品目  鮮   葡萄

      

きれいな紫色は巨峰のシャーベット。ヨーグルトのアイスクリーム、シャインマスカット等のブドウたち、発酵生姜のジュレがかかってます。穂紫蘇もアクセントに。
生姜の香りがやわらかで、ブドウの香りとも合い、爽やかなデザート。すっきりとします。

7品目  寿   モンブラン

      

もう、これが絶品で!白く美しく、まるで雪の精のようです。モンブランは十勝の百合根で作られてて、上には銀箔と百合根のかけら、中にはホワイトチョコのムースに和束の和紅茶で作られたシロップが、下の台はメレンゲ。
全ての調和が素晴らしく、和紅茶のシロップのちょっと発酵の香りと渋みがとても素敵。台も小麦粉のタルトじゃなくメレンゲなので、小麦や、バターの香りが無く、あっさりとした仕上がり、百合根の風味が生きてきます。
これも、もう一度いただきたい!

最後はお抹茶か黒文字茶が選べます。私は黒文字茶。お菓子はリキュールのアブサンのボンボン。

      

このabsinthが凄くて・・!なんか薬草が凝縮したようなリキュールで、なんとも凄かった。。
大人は最後にこれですっきりなんでしょうね。。次回はノンアルボンボンにします。。。。。

 

とにかく、最後の最後まで、楽しく、魅力的なお料理でした。
今回はちょっとシェフにお渡しするミッションもあり、伺えて本当に良かったです。
ああ・・もう一度復習しながら同じお料理をいただきたい!

お誘いいただきまして本当にありがとうございました。
冬のメニューもいただきたいな・・。


実は早速舞茸の糠漬けを作り、お料理に反映してみました。お魚のムニエルに合わせてみましたが、びっくりするほど美味しくなって、、量も増やして漬け込んでます。
ぬか床があってよかった~~!
そうそう、エシャロットも漬けてみなきゃね・・

 

 


2020.10月のお教室テーブル

2020-10-23 22:04:40 | 料理教室

前後しますが、10月のお教室雑感。

6月もそうでしたが、今月もこのご時世で、色々と注意しなければならないことが沢山ある中でのお教室。
いつものようなお教室が開催できれば良いのですが、もう、それは難しいように思います。
今回も、少ない人数、クリアなプレートも。換気も気をつけて、もちろんマスク着用。
お料理はほぼ私が作り、少しお手伝いしていただき、後片付けもほぼ私が。
ちょっとお店みたいですね。
でも、この形が私の望むところなのかもしれません。
レストランは無理でもカフェっぽいお店をしてみたいと常々思っているので。ちょっと近づいたかな。
こんなことが無ければ、この形にできなかったような気がします。
これからのお教室もとりあえずこの形になると思います。
今までのお教室が好きで来てくださってた方は足が遠のくかもしれませんが、自分スタイルで頑張ります!

さて、今月のテーブル。
この形のお教室運営で、写真がゆっくり撮れない!なんか、いい加減に撮ってるので、なかなか良い画像が無く、、、

     

初日はお花がこんな感じ。実はどんどんお花が変わってゆくのです。。

     

     

プレートだけでも外せるようになると良いのですが・・。

お料理はそれぞれ好評で、ほんとに嬉しいです。のっぺい汁がとっても好評でちょっと複雑・・嬉しいけど、私のお料理ではないので、、でも、私も大好きなお料理だから、まぁ良しとしよう。
キヌアのサラダやビーフンも、鮭のお料理は思ったより気に入ってくださった方が多く嬉しかった~、

デザートはNEEDS(北海道十勝のチーズ工房)の大地のほっぺにトマト、無花果ジャムを添えて、米粉パンケーキを小さく焼いたもの、ニセコチーズの空(ニセコチーズ工房)ブルーチーズが食べられる方に。十勝ブランドも。
トマト、イチジクジャムはチーズに合うよう、スパイス、リキュールも加え、ちょっと大人な味にしました。甘いけどね。
もう一つのデザートは白花豆の甘煮にハーゲンダッツバニラアイス、白玉団子、無花果、シャインマスカットを添えて。まるでミニパフェ。白花豆、気に入ってくださった方が多く、これからもお豆を色々使おうと思います。
お教室で豆族部会が発足するかも??

BGMは松田聖子の新しいアルバム。これがめっちゃ盛り上がり、びっくり。皆さんお好きなんですね~~、って私もだけど・・。

南山城村、中窪茶園のべにふうきの和紅茶も登場しました。
今月もお教室にご参加してくださった皆様、ありがとうございました!

 

今月のお教室で今年は最後です。
11月は孫2が登場するので、おばあさんは忙しい!
というわけで、今月末から来月は娘、自宅の往復。頑張ろう!
今は無事に出会えるようお祈りするばかり。

とにかく皆が元気で過ごせますように!


アコルドゥ 2020 秋

2020-10-20 18:04:42 | 食道楽ランキング

北海道展の催事で来られてる北海道十勝のチーズ工房の工場長さんとアコルドゥに伺いました。6月以来です。
奈良と縁のある工房で、私の大好きな槲の工房です。

お天気も良く、とても気持ちの良い日でした。

      

いつものように、お待合で柿の葉茶をいただき、お席へ。

再会の乾杯!まさか、アコルドゥで一緒にお食事するなんて、想像もしてなかった、、ご縁って本当に不思議です・。

1皿目

 イツモソコニアルモノ

     

奥は三笠山。アコルドゥからも見えます。メレンゲの緑の山の中には鮎のペースト、柿酢で作られたマヨネーズ。
手前は大和橘の新芽のベニエ。トウキパウダーがほんの少し。新芽の季節なので、嬉しい一品。大和橘独特の香りです。
どちらも、イツモソコニアルアジ。

2皿目   

    

    

シマアジに大鉄砲(大豆)の豆乳、枝豆。ツルムラサキのねっとり感も。ペンタス、アリッサム、お花たちも素敵。トリュフオイルがアクセントに。シマアジが美味。豆乳のソースとよく合い、こっくりといただきました。

3皿目

    

    

富雄時代からの器と台のセット。懐かしくいただきます。豆乳とにんにくの冷たいスープ。中にはシェリービネガーのジュレやレーズン、海老も美味しい。懐かしいけど、少しづつ違う。

4皿目

    

    

パテドカンパーニュのようなお料理。大和肉鶏、大和ポーク、倭鴨のテリーヌ。奈良のはちみつとヴィネグレット。栗や細かい木の実も。はちみつヴィネグレットとテリーヌが美味しい。こういうお料理好きだなぁ・・。

5皿目

    

    

三輪山本の手延べパスタ。人気のパスタ。デュラム小麦をお素麺のつくり方で作った麺。ツルっとして美味しい。アワビ、海苔がソースに。大和橘の実もふりかけて。赤いバジルも。見た目もシックで素敵です。もちろん磯の香りたっぷりで美味。お海苔がいいですね。

6皿目

    

    

お魚はクエ。セロリのスープがかけられてます。泡はミルクの風味がしました。皮がパリッパリ、身はプリっぷり。弾力半端なく、、でもとても美味しいクエです。しっかりと旨味も食感も楽しめます。セロリの優しい香りがお魚の青い香りによく合います。

7皿目

   

   

カリッとした豚バラ。下にはジャガイモ。コンフィでしっかり脂が落とされて美味しさだけが残った感じ。イタリアンパセリやエストラゴン等のハーブの香りが入ったコンソメをかけてくださいます。スパイスも色々入ってるようで、五香粉や花椒のような香りも。トンカ豆の甘い香りが豚の香りとよく合い、香り満載で美味しい~。秀逸のお料理。
久しぶりのトンカ豆。こうしてお料理に少し香りが添えられると新鮮な感じ。

チーズ!!

   

このチーズ!です!奈良のくるみが添えられて、奥のグラスには大阿太の梨のエキス。この梨ジュースがなんとも美味。
もちろん槲にもよく合い、感動のチーズでした。幸せ~~~

デザート

   

   

こちらも富雄時代からある器。初めて見た時はホントに笑ってしましました。何度見ても好きだわ。。中身は色々と変わってるけど、基本、メロンソーダのシュワシュワ感があります。ひと匙いただくとメロンソーダの風味が広がり昭和な気分が。、クリームソーダの味、中にはほんまもんメロンもちゃんと入ってます。ジンジャエールのように生姜もパンチを効かせて。すきっとした風味のメロンカップでした。ウエハースがこれまた昭和だわ・・。楽しい!

食後のお茶は月ヶ瀬のほうじ茶、小菓子はメレンゲ

   

   

緑茶のメレンゲに橘の実がすりおろされてます。添えられてるのはまだ若い大和橘の幼果。

やっぱりアコルドゥのお料理はほっとします。楽しく美味しい。。

マスクをつけたり外したりと忙しいお食事でいたが、色んな珍しいお話が沢山伺えて、美味しい食事と楽しい会話、とっても素敵な時間になりました。

また、お会いできる日まで!!