少し前のことですが、星のや東京のご常連の方のお誘いで、お食事に伺いました。
こんなご時世なので、東京!なんて・・・、と思い、踏みとどまったのですが、次はいつ行けるかもわからないし、今を大切に、、思い切って行ってきました。
8か月ぶりの東京。そういえば、8か月前の東京最後の晩餐はカンテサンスで、その前の晩が星のや東京でした。
星のやさん、ご縁があるのかしら~~、なんて勝手に思ってます!
この春からメニューが様変わりで、今までのNipponキュジーヌが発酵をテーマにしたコースに大きく変わりました。
浜田シェフの発酵コース、とても興味深く、食べてみたいと思っていたから、その機会がいただけて、ワクワクです。
この日のホテルは日本橋だったので、徒歩で向かうことができます。混んだ電車にも乗らなくていいし、ちょっとほっ、、
久しぶりにお会いする方々、嬉しかったです。
星のや東京のいつもの正面のお飾り。この時はお月見の設えでした
お月見団子に見えますが、なんと、ポンポン菊です。びっくりでした。
お待合に移り、しばらくして、地下のお部屋へ。
いつものヒバのプレート
この日のメニューです。
若干字が薄く、見えにくい。。
今までとはちょっと違う。違うから余計ワクワクしますね。
1品目 合 鮒
鮒鮓のお料理です。鮒鮓のスライスにソーテルヌブランのジュレ、鮒鮓の下にはフロマージュブラン、一番下に浸け床の飯も。上から下までセットでいただき、鮒鮓をしっかり咀嚼して味わう、というお料理です。すごいわ~~、鮒鮓にソーテルヌのジュレが凄く合います。フロマージュブランはミルク臭が少なく、上品なコクをプラスし、何とも奥深い味わい深いお料理です、ソーテルヌブランに何か仕掛けがしてあるように思いましたが、ライムのジュースが少し入ってるそうです。1皿目からしっかり発酵です。それにしても、ホントに素敵なお料理です。この一皿だけでも東京まで来たかいがありました。
2品目 石 五つの意志
いつものですが、ちょっと違う。緻密なお料理ですが、その物の風味がしっかりと生きている。
五味を現したお料理、左から酸、塩、苦、辛、甘。コース料理形式。これがお楽しみなんです。
左から、しめ鯖にたくあん、お海苔で巻き、大根で巻いてます。周りに胡麻、いくらも一粒。一口で!酸味の効いたロールです。海の香り、食感、鯖の旨味の重なり合いが美味しい。とても小さいのに。。
赤いボルシチ、ボルシチのスープが広がります。金山寺味噌風味、ですが、強くはなく、深みがあります。
糠漬け秋刀魚のコロッケ。はらわたの苦みがふわっと。ほんのり温かく、美味しい。
海老と帆立のソーセージ、人参で巻かれてかんずりの辛みが素敵なアクセント。
最後の甘味はくりにニシンの赤ワイン煮。ザ・ニシン!もちろん甘味も。
最後まで楽しい意志。毎回超お楽しみです。今回も楽しく美味しかった~~、やっぱり発酵でした。
3品目 包 金目鯛
金目鯛のパイ包み焼きです。真ん中に金目鯛、その上にほうれん草、下には糠漬け舞茸のみじん。。周りには、海老等のムース。ソースはエシャロットの糠漬けを使ったベアルネーズソース。付け合わせのお野菜は、なんと、パンとビールの発酵床に浸けたもの。ナスやキュウリ等色々なお野菜たち。発酵させてるので、やや酸味がありますが、なんとも美味しいお野菜です。ピクルスとまでは行かないけど、、手前の柑橘は持って行った(大和橘の会長の言付け物)四季橘。さっそく絞っていただけるようにしてくださいました。舞茸の糠漬けが酸味と旨味のアクセントになっていて、びっくりしました。まるで調味料みたいです。きのこの発酵って美味しいものですね。
ボリュームのある一品ですが、発酵の酸味でするするといただけます。美味しかった~!
4品目 東 豆腐よう
先ず、升にこんなペーストの山が運ばれてきます。ひと匙すくっていただきます。沖縄にある豆腐ようの味。とてもなめらかで、舌触りよく、旨味もあります。ひと匙すくったら、すぐ引いてしまいます。えっ、、もっと食べたいのに・・・っと思ってるとお料理が運ばれてきます。
このプレートの左にあるのが、升に入ってたペーストです。後から添えてくださいます。
このお料理、真ん中下は豆腐ように浸けたフォアグラ。その上に豆腐よう、その上にエビを泡盛に漬けたもの。その上には泡盛のシートが。手前は柚子のソース。豆腐ようのペーストにはフォアグラの旨味も出てるから、美味しいのですね~。
お料理は泡盛や豆腐ようの風味がしっかりです。エビは老酒に漬けたような風味、身はねっとりと、アルコールの風味がエビの香りと共に鼻に抜けてゆきます。フォアグラも、漬けてたお陰で、味が濃く、独特の脂っぽさも抜けて、美味しさだけが残ったような感じに。柚子ソースがよく合います。とっても魅力的なお皿でした。もう一度いただきたい・・・・
5品目 優 鹿
信州の鹿のロースト。塩と大豆だけで作ったお味噌、ねさし味噌に漬けてローストに。鹿肉で作られたコンソメにエストラゴン等のハーブが入ったスープがたっぷりとかかります。スパイスも複雑に効いてて、ちょっと中華の五香粉や花椒、シナモンやカルダモン、の香りが、、、お野菜のグリルがとても美味しい。味が濃くてしっかりした食感も、ひらたけも入っていて、キノコ類の旨味も加わてるのでしょうね。焼いたおネギ、蕪も秀逸。
このお料理の締めはこのおにぎり
焼きおにぎりにねさし味噌、鹿肉、実山椒、生姜で作られた鹿味噌??がのってます。
このままで少しいただいて、あとは残ったスープにいれてさらさらといただきました。美味~!
このおにぎりのお皿が可愛い。鹿さんがいるんです。。
6品目 鮮 葡萄
きれいな紫色は巨峰のシャーベット。ヨーグルトのアイスクリーム、シャインマスカット等のブドウたち、発酵生姜のジュレがかかってます。穂紫蘇もアクセントに。
生姜の香りがやわらかで、ブドウの香りとも合い、爽やかなデザート。すっきりとします。
7品目 寿 モンブラン
もう、これが絶品で!白く美しく、まるで雪の精のようです。モンブランは十勝の百合根で作られてて、上には銀箔と百合根のかけら、中にはホワイトチョコのムースに和束の和紅茶で作られたシロップが、下の台はメレンゲ。
全ての調和が素晴らしく、和紅茶のシロップのちょっと発酵の香りと渋みがとても素敵。台も小麦粉のタルトじゃなくメレンゲなので、小麦や、バターの香りが無く、あっさりとした仕上がり、百合根の風味が生きてきます。
これも、もう一度いただきたい!
最後はお抹茶か黒文字茶が選べます。私は黒文字茶。お菓子はリキュールのアブサンのボンボン。
このabsinthが凄くて・・!なんか薬草が凝縮したようなリキュールで、なんとも凄かった。。
大人は最後にこれですっきりなんでしょうね。。次回はノンアルボンボンにします。。。。。
とにかく、最後の最後まで、楽しく、魅力的なお料理でした。
今回はちょっとシェフにお渡しするミッションもあり、伺えて本当に良かったです。
ああ・・もう一度復習しながら同じお料理をいただきたい!
お誘いいただきまして本当にありがとうございました。
冬のメニューもいただきたいな・・。
実は早速舞茸の糠漬けを作り、お料理に反映してみました。お魚のムニエルに合わせてみましたが、びっくりするほど美味しくなって、、量も増やして漬け込んでます。
ぬか床があってよかった~~!
そうそう、エシャロットも漬けてみなきゃね・・