膳-Sai

料理サロン Tomoko's Tableのご紹介。
食にまつわる、日々の暮らしを・・・

秋の東京 その3  Ode

2017-12-19 09:05:19 | 食道楽ランキング

東京2日目の夜は、広尾のOde(オード)
東京の知人たちが張り切って行って、お写真もアップされていて、とっても魅力的だったので、予約しました。まだオープンして1か月ぐらいでしょうか。生井シェフのお名前は聞いたことありましたが、今までのお店のことやお料理のこと、全く存じ上げてなく、ホントに一見さんです。

扉もおしゃれ

        

グレーです。

店内

       

キッチンを囲んでコの字型のカウンターがあります。奥に個室が一つ、この画像の奥も個室

       

テーブルもグレー。実はスタッフのお洋服もグレー。

さて、お料理

メニューは無く、まずこの一品   メニューは帰りに封筒に入っていただきます。シェフのサイン入り!

      

有田のカマチ陶舗さんの器です。お香合のよう。赤いお座布団の上には金柑のようなボールが。
「ドラ〇ンボール???」料理名です。遊び心満載。でも、年代でわかる人とわからない人がいるのでは??
オマールエビのお出汁のムースが中に、外側がオマール風味のカカオバター。外側は濃厚なエビ風味のホワイトチョコレート。なんとも楽しいボールです。

2品目

     

これまたかわいい!3㎝ぐらいの円柱が横たわってます。
人参のチュロス、カリッとしてるわけではなく、生チュロス?のようなもちっとしたチュロス。上には2つのソースが絞られてます。
ウニソースに、パプリカ風味と。いただくと、やはりウニが目立ちます。これも楽しい!パプリカの風味がアクセント。

3品目

     

とっても繊細なお料理、美しく美味。下にはパリッと焼いたサブレ生地、上にキャビア、クリームチーズ、薄くスライスされたジャガイモ。花びらの様に。ディルのお花も可憐です。ひらひらのジャガイモにはレモンの酸味が爽やか。キャビアは特別好きな食材ではないけど、このお料理はキャビアのためのお料理という感じがしました。キャビアとジャガイモの相性が良いのは周知のことだけど、この演出とディルの香りがおしゃれ。エレガントな、大好きな一皿。

4品目

     

グレーのお皿にグレーのお料理。グレー!!
秋刀魚のお料理です。パリパリのグレーは秋刀魚の肝や骨とメレンゲで作られたおせんべい状のもの。いただくと秋刀魚です。食感はもちろんパリサク。この下には秋刀魚のコンフィ、尾崎牛のタルタル、ブータンノワールのクリーム、秋刀魚と牛肉・・・って??不思議でしたが、いただくと違和感なく、美味しくいただけます。不思議。。。

5品目

     

こちらもまた色のない・・・
最近のお料理は色とりどりのお野菜を散りばめたり、ソースで絵を描くようにしてみたりと、華やかですが、Odeのお料理は色が少ないです。グレーだからか。でも、この独特のすっきり感が新しく感じます。地味派手っていうところかな。。
このお料理は白子がメイン。一緒に黒ニンニクのピュレ、自家製発酵バターと牛乳の泡。リゾットになっています。サツマイモのピュレも忍ばせてあるそうです。が、このサツマイモがどうしてもわからなかった。スペイン産黒トリュフもあしらわれて、香り豊か。
黒ニンニクのピュレと白子がよく合いました。

6品目

    

オリエンタルな風味のお料理です。大根を桂剥きにして、カネロニ風に仕立ててます。お大根の中は大根餅、アオリイカ、銀杏、ラルドが入ってます。上にはナスタチウム、マイクロクレソンやコリアンダー、ハーブが効いてます。熱々ソースがかかります。豚とイカで取ったお出汁にお紅茶、八角、シナモン、クローブ、生姜の香りが加えられ、簡単に言うと中華の角煮の風味。ちょっとしっかりの味です。香り豊かでお大根の食感と中のモチモチ、ととっても楽しい一皿。このお料理もお気に入り。

7品目

   

   

牡蠣のお料理です。牡蠣と豚耳が合わせてあります。ケイパーやアンチョビも。クリームはカリフラワー。ケールの葉っぱはバリバリに揚げて蓋のように覆いかぶさってます。グリーンの粉もケールの粉末。青汁の素みたい。でも、このケールが青さノリのようで面白い。牡蠣のイソイソ感にアオサの香りで一気に海。そこに豚耳の食感がコリコリ、なんとも面白い一皿。豚耳は久しぶりに頂きました。沖縄行った時ぐらいしかいただかないので。

8品目

    

すじあらというお魚のお料理。あらはクエ。身がプリッとというよりブリッとしてます。焦がしバターと卵黄のソースとアルベールソース。この2種類のソースが、フレンチだなぁ~~って思わせます。好きなソースです。ジロール茸のソテーに菊の花びら、ピーナッツカボチャ、バターナッツカボチャ、2種類のカボチャが可愛く添えられてます。

9品目

    

メインは蝦夷鹿。山ごぼうが添えられてます。黒大根も。ソースはフォアグラベースのソース。濃厚です。お肉はあっさり。ヤマゴボウがアクセントに。特に熟成ごぼうがねっとりと、画像ではわかりにくいですが、熟成の黒いごぼうの上にオキザリスの葉っぱがハート形に並べられてて、とってもおちゃめ。ごぼうがねっとりしてるのが面白かったなぁ・・。鹿、ごぼう、オキザリス、と土の感じがするお料理。

デザート

     

お皿がゴージャス。これもカマチさんのもの。黄金色に輝くお皿です。円柱形のチュイルの中は洋ナシのコンポート、軽めの7チーズ、
キャラメルエスプーマの泡はのってます。

デザート2

     

     

上のメレンゲの蓋を外すと

     

このそば粉のメレンゲを外すと、ローズマリーの燻煙が立ち込めます。栗やサツマイモも。ローズマリーのジェラートが美味しい。食感も香りも豊かなデザート。メレンゲの蓋を壊して、この中に入れていただくとよいそうです。

お菓子

     

なんだかちょっと和風な設えです。紅茶をいただきました。柿の葉の上に葉は柿でつくったシートに、クリームチーズ、あんぽ柿、オレンジの風味が添えられたものが包まれてます。オレンジが爽やかに香りました。

どのお料理もエキサイティング!
ワクワクするお料理でした。今までいただいたことのない雰囲気のお料理。もう一度いただいたら、しっかりと感じることができるかしら。。生井シェフは食感フェチだとご自身でおっしゃってました。なるほど!最後にこの言葉を聞いて、お料理のひもがほどけた感じがしました。

これから、どんなお料理がうまれるのでしょうね。ご活躍が楽しみです。再度挑戦したいお店です。
生井シェフはゴーエミヨの「明日のグランシェフ賞」を受賞されました。おめでとうございます。
こちらのお店も、タイムリーに伺えてよかった!

 

先月末のことなので、だんだん、記憶があいまいに。。昔は画像を見た瞬間、味覚や風味が再現できたのに、、なかなか細かいところまで呼び起こすことが出来なく。。。。。歳かなぁ。

 

 

      


秋の東京 その2 カイハウスクラブセミナー

2017-12-05 00:00:59 | Weblog

二日目は朝から青山1丁目にある、井上絵美先生のお教室で、ナベノイズムの渡辺シェフのセミナーです。

青山1丁目は学生の頃よく歩いたところ、でも、すっかり景色、建物がかわってる。。
義父はお教室の向かい側にある赤坂郵便局が遊び場で、なんとお教室が入ってるビルの場所が自宅だったとか。
是非、写真を撮ってきて、っと頼まれ、郵便局前の横断歩道でパシャパシャ。こんなところで写真を撮ってる人なんて、、、若干恥ずかしかった。。

しっかり写真を撮った後、会場へ。

        

お教室の窓からは美しい紅葉も

        

キラキラ、素敵なお教室。あ~~、こんな素敵な所でお教室できたら素敵だろうなぁ・・・・

今回のセミナーはカイハウスクラブに登録されてるお料理の先生ばかり。素敵な先生がいっぱいです。皆さん、キラキラ!すごいなぁ~~。。
かなりお上りさん風の私です。。

渡辺シェフはジョエルロブションでエグゼクティブシェフとして21年お勤めされ、ミシュラン三ツ星も獲得してその後9年間いじしてこられたシェフです。昨年、浅草駒形でナベノイズムというご自身のお店を開業。ネットではよくお料理を拝見してたので、是非、セミナーを受けてみたいと思い切って参加しました。

       

ご実家の紋が食器やカードに。お店の紋になってます。

さてお料理。この日はお店で必ず出されるお料理も教えていただきました。

渡辺シェフは江戸下町の食材をよく使われてるようです。江戸の伝統を色んな方に知ってもらい、紹介したいと思ってらっしゃいます。

今回のお料理では雷おこしや最中、蕎麦が登場。調味料に至っては江戸を出て、色んな地方の調味料も。楽しいです!

       

アミューズ 

小皿の手前がおこし。黒糖風味のおこしです。発酵バターにケイパー、バスクの唐辛子、柚子と盛りだくさん。なんとも食感よく美味でした。その奥が最中。皮の上にほうじ茶チーズになんと雲月の切昆布が、ほうじ茶オイルも。その奥はオレンジのコンフィが射こまれたオリーブ。真ん中はビーツのガスパチョ。泡はカルヴァドスとアップルウォーター。ガスパチョも必ず供されるようです。季節に合わせて20種類も。設えも、「和」ですね。

次は冷たい前菜

       

江戸蕎麦ほそ川のそば粉を使ったそばがき、 奥井海生堂の昆布ジュレ 塩雲丹 ズワイガニ

なんとゴージャスなんでしょう!金箔まで!
蕎麦がきはそば粉で作られたベシャメルソースのよう。その上に昆布ジュレとウニ、カニ、マイクロトマトやもろきゅう、穂紫蘇木の芽と香りも豊。そば粉のベシャメルはほのかな蕎麦の香りでとってもなめらか。

メイン

       

岩手のハーブ豚ロースの低温調理にロックフォールのソース
付け合わせは栗のコンフィ、しめじ、レンコンニョッキ、ごぼう。
ソースは色々調味料が入り、複雑。初めての調味料も。にくしょう、と言い、お肉を発酵させた調味料。お肉の香ばしい香りのお醤油。ちょっと面白い

      

お隣に移ってるのは私も持ってる白扇酒造のみりん。ちょっと紹興酒のようなみりんです。

こういう調味料にロックフォールです。思ったよりチーズっぽくないのが不思議でした。

試食はこんな盛り付けで

     

     

     

やはりプロのお料理は手が込んでます当然ですが。調味料の種類も多いし、、家庭でも似たようなお料理が出来れば楽しいなぁ~と考えながら、いただきました。

同じテーブルの先生がたともお話ができ、色々と刺激を受け、勉強になりました。
関西でもセミナーがあればうれしいなぁ。。。

セミナー後は神宮外苑まで歩き、有名なイチョウ並木をみましたが、もう終り掛け。

ホテルに戻り、夜はまたまたお楽しみ。

つづく

 


秋の東京 その1  ラ・ペ

2017-12-03 23:39:08 | Weblog

11月末に久しぶりに東京に行きました。
お教室が終わり2日後の出発でしたので、片付けや留守宅の準備、用意等、バタバタ!いつものことなんですが・・・・

1日目は夕方ホテルに到着。休憩して横浜のお友達ご夫婦、この夏奈良にいらした東京のお友達と会食。
皆さんご常連のお店日本橋ラ・ペへ。
ちょっと迷子になり、あたふたとお店へ。

         

扉を開け、地下へ。

         

お花がちょっと和風な感じ。フレンチのお店ですが。

店内は広くはないのですが、満席で皆楽しそうにお食事されてます。明るく、和やかな雰囲気。。

さて、お料理。

アミューズ

      

左はチュイルの上にバターナッツのピュレ、ベーコンの粉が。サクッと美味。木の器には鳥取大山鶏とパセリのゼリー寄せが黒胡椒風味のクッキーにはさんであります。こちらも鶏と香りが美味

アミューズ 2

      

藁の上は黒米のクラッカー風の上に牛肉のタルタルとグリーンマスタードのピュレ。牛肉はちょっとスパイシー。右は乾燥ポルチーニの上に生のマッシュルームのスライス。香り良いマッシュルームでした。

前菜1

      

カリフラワーのムースの上に青さノリのジュレ、キャビア、からすみ、熟したフィンガーライム。つぶつぶ感や磯の香りがカリフラワーの優しさによく合います。楽しい一皿。

前菜2

      

下には根セロリのクリーム、あん肝ムースやカマス、柿、エストラゴン風味のメレンゲ、アクセントは柚子胡椒のシャーベット。これが全体をまとめているように思いました。このシャーベット、色々な食材に合いそうで、興味津々。爽やかなお料理でした。

パン

      

フォカッチャのようなパン。ふわっとしていて誰もが喜んで食べられそうなパンです。バターが2種類添えられてます。

前菜3

      

このパテアンクルートは特別に組み込んでいただきました。松本シェフの渾身の1品なので。
雷鳥、山鳩、蝦夷鹿、フォアグラがぎっしりと詰まってます。隙間はポートワインのジュレ。根セロリのサラダと無花果ジャム
この濃厚な無花果ジャムがパテアンクルートの美味しさをより一層感じさせてくれます。絶品!

型から外したばかりのを見せていただきました。皆さんご常連なので、ちょっと一声でささっと出てきます。すごい~~

      

美しい完成品。やはり本当に美しいものは無駄がなく、さらに美味しい。

前菜4

       

運ばれてくるなり、カニ!カニ!香り充満です。カニの濃厚なスープの下はポロネギのフラン。銀杏も入っていて、カニ風味の茶碗蒸しのよう。ポロネギなので、濃厚スープでも美味しくいただけます。和食でも出てきて不思議じゃないなぁ・・

前菜5

       

本来このお料理はリドヴォーと白子だったのですが。お友達が白子が苦手なので他の食材に変えていただいたら、手長エビということで、即、私もそちらに変えていただきました。下のソースはアイオリソース風の物でソテーされたリドヴォーと手長エビ、ほうれん草がパリパリになったものにその粉。ほろ苦さがアクセントに。手長エビはやっぱり美味。好き!

お魚料理

       

金目鯛に桜エビと百合根の揚げたもの。菊菜のソースとウニのソース。あぁ、関東に来たんだなぁ~~と実感。金目鯛なので。
桜エビも。百合根の揚げたのはほくっとかりっと美味しい。お魚の上にはマリネされたエシャロットと柚子。さっぱりと美味しい。ちょっと和風な感じ。

お肉料理

       

ラカン産の鶏肉を一羽丸ごと焼きさばいたもの。手前は胸肉 奥がもも。奥はクレープに巻かれたラグー、ソースはトランペット茸のお出汁のソース、焼いた白ネギやナッツも食感よく添えられてます。鶏肉がしっとりとして美味しい。おネギと一緒にいただくと、まるで焼き鳥!

デザート

      

スペシャリテのデザート

韃靼そば粉のブラマンジェにゲランドの塩のジェラート、プロバンスの早摘みオリーブオイル。一緒に混ぜていただくと、なんとも美味。柔らかいなめらかな舌触りに、香り豊かなオリーブオイルがポイント。蕎麦の香りはほんのり。とっても上品なデザートです。流石スペシャリテ。

デザート2

2種類から選べます。私はこちら

       

みかんをキャラメリゼとチーズ風味のスフレその上にフロマージュブランとミカンジャムで煮た柿。優しいチーズの風味がおみかんと柿によく合います。オレンジじゃないところがいいですね~~

もう一品のデザートは洋ナシ尽くし

       

洋ナシが色んな形で、トンカ豆の風味が添えられてて、風味豊かです。

小菓子

      

シュークリーム風とスフレっぽいもの。この時点でお腹いっぱい過ぎ!

食後にはハーブティーをいただきました。

 

3時間強のお食事。楽しく美味しい時間はあっという間。
松本シェフのお料理は優しく、ふんわりとした感じ。みんなから愛されるお料理。きっとお人柄なんでしょうね。
優しい味わいが誰もを幸せな気持ちにしてくれます。
お料理で人を幸せにできるってプロの醍醐味でしょうね。

伺った2日後、ミシュラン東京で星を獲得されました。すごい!
タイムリーにお店に伺えて本当によかったです。
松本シェフ、サービスの田中さん、本当におめでとうございます。

ご一緒くださった皆様ありがとうございました。

 

東京の旅、まだまだ続きます。