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今回の合意は、“歴史的かつ画期的な外交惨事”として記憶される可能性もある。

2015-12-29 | 韓国:ハンギョレ新聞
「慰安婦」議論に終止符を打った取り返しのつかない最終合意

登録 : 2015.12.29 00:14 修正 : 2015.12.29 06:22


主な合意内容と争点
ユン・ビョンセ外交部長官が2014年3月5日スイス ジュネーブで開かれた国連人権理事会に参加して、日本軍慰安婦被害者問題に関する基調演説を行っている。 韓国の外交部長官が国際舞台で慰安婦被害者問題を直接挙論したことは初めてだ //ハンギョレ新聞社
 日本軍慰安婦問題に対する観点は、大きく分けて二つだ。一方は、この問題を女性の人権が無残に蹂躙された国の犯罪として捉えるのに対し、他方は、韓日両国が急いで解決すべき外交的課題とみなす。前者を原則論、後者を現実論とも言える。

日本、結局法的責任を回避 

「日本政府の責任を痛感」 
「道義的」という言葉を取り除き、曖昧な取り繕い 
「慰安婦に対する軍の関与」は再確認 

被害者の名誉回復・賠償問題 

日本政府の予算で10億円を拠出 
「賠償ではない」と線を引く

 最初の観点、つまり原則論に立つ場合、28日の韓日外交長官会談を通じて公開された両国の合意内容は、少なからず残念な内容と言わざるを得ない。これまで慰安婦問題の解決のために努力してきた韓日の市民運動団体は、昨年6月に東京で開かれた第12回アジア連帯会議で慰安婦問題解決のための提言を発表した。当時彼らは日本軍慰安婦制度が当時様々な(日本の)国内法・国際法に違反する重大な人権侵害であったことを認めて、これを覆せない形で謝罪し、その証拠として被害者に賠償することを求めた。この提言の核心は、慰安婦制度が日本の「国家犯罪」であるため、日本がこれに対する「法的責任」を明確に認めなければならないという内容だった。

 しかし、岸田文雄外相は28日の共同記者会見で、「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している」と発言するのにとどまった。これは、日本政府が1993年に河野談話と1995年のアジア女性基金で明らかにした慰安婦問題に対する認識とあまり変わらないものだ。岸田外相もこれに対して、「申し上げた内容以上でも以下でもない。当然歴代内閣の立場に従ったもの」として、これを再確認した。日本政府は、慰安婦被害ハルモニ(お婆さん)たちと運動団体の切実な要請にもかかわらず、慰安婦制度が日本の国家犯罪であるという事実を認めないまま、外交的にこの問題を最終的かつ不可逆的に解決することに成功したことになる。

 進展が見られたとしたら、1995年のアジア女性基金が発足した後、歴代の日本の首相が慰安婦被害ハルモニたちに送ったお詫びの手紙に盛り込まれた「我が国(日本)としては、道義的な責任を痛感し」という部分から「道義的」という3文字を取り除いたことだ。これは、日本が認めたのが「法的責任」なのか、それとも「道義的な責任」なのかを曖昧に処理し、外交的合意を導き出すために、韓日外交当局が知恵を絞った結果と分析される。結局、20年もの間、慰安婦被害者ハルモニたちと韓日の支援団体は、「道義的」というたった3文字を取り除くために闘争してきたのか、という厳しい批判が予想される。

 しかし、現実の外交的な観点に立つ場合、評価は複雑にならざるを得ない。最も重要なのは、国内外で歴史修正主義者と批判されてきた安倍晋三首相から、日本政府がこれまで拒否してきた慰安婦問題解決のための追加措置を引きだしたという点にある。さらに、日本政府は「政府予算」として韓国政府が設立した財団に10億円の予算を支給するという計画も明らかにした。アジア女性基金が失敗したのは、慰安婦被害女性1人当たり200万円ずつ支給された「償い金」が、日本国民の募金によるものだったからだ。

 しかし、今度は韓国政府が設立した財団に日本政府が政府予算でこの資金を提供することになった。見方によっては、この資金を、日本政府が慰安婦制度を作り、運営したことに対する謝罪の証拠として解釈する余地ができたのだ。これは、アジア女性基金の失敗事例からすると、明らかな進展といえる。ところが、その代償として、韓国政府は韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)などが反発している日本大使館前の平和碑(少女像)の撤去のために、関連団体と協議しなければなら負担も負うことになった。

 韓日両国が「この問題は、最終的かつ不可逆的に解決された」と結論を出しただけに、今後、韓国政府が日本政府に対して慰安婦問題を改めて取り上げることは困難になった。 1995年のアジア女性基金で慰安婦問題が一応取り繕われてから、2011年8月、憲法裁判所の決定によってこの問題が韓日関係全般を揺るがす外交懸案に浮上して以来、4年ぶりのことだ。

 しかし、今後、挺対協などの激しい反発が予想されており、韓日両国が合意したように、この問題が本当に最終的に解決できるかは不透明だ。結果によっては、今回の合意は、「歴史的かつ画期的な成果」(岸田外相)ではなく、“歴史的かつ画期的な外交惨事”として記憶される可能性もある。

東京/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-12-28 21:30

http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/723879.html訳H.J


<韓日慰安婦交渉妥結>
安倍首相「慰安婦におわび…日本は責任痛感」

2015年12月29日08時28分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]



韓日両国は28日午後、ソウル都染洞(ドリョムドン)の外交部庁舎で外相会談を開き、慰安婦問題に関し「安倍晋三首相のおわび・反省表明」など各3項目を発表した。朴大統領は交渉妥結の後、安倍首相の電話を受け、「今回の合意を基に信頼を築き、新しい関係を開けるよう緊密に協力していくことを願う」と話した。(写真=青瓦台写真記者団)

韓国と日本が旧日本軍慰安婦被害問題に関し、政府レベルの解決法に合意した。1991年に故金学順(キム・ハクスン)さんが実名で慰安婦被害事実を初めて公開してから24年目だ。尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官と岸田文雄外相は28日午後、外交部庁舎で会談した後に開いた共同記者会見でそれぞれ3項目を発表した。

岸田外相は発表文で「慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している」と明らかにした。特に「安倍晋三首相は、日本国の内閣総理大臣として、心からおわびと反省の気持ちを表明する」と述べた。安倍首相が2012年12月に就任した後、慰安婦問題に対して「おわび」や「反省」という表現をしたのは初めてだ。

また両国外相は、旧日本軍慰安婦被害者を支援するための財団を韓国政府が設立し、日本側がこの財団に予算として10億円を拠出することにした。

尹長官は「日本側の措置が着実に実施されるとの前提で、今回の発表により、日本政府と共に、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」など3項目を発表した。慰安婦問題はもう韓日関係の障害物にはならず、国際社会でもお互い非難を自制しようと公式宣言したのだ。ただ尹長官は在韓日本大使館前の少女像移転問題については「関連団体との協議を行う等を通じて、適切に解決されるよう努力する」と述べた。

韓日共同発表文に対し、国立外交院のチョ・ヤンヒョン教授は「道義的責任を前提とした『佐々江案』より進展した内容」とし「両国首脳が政治的な決断をしたとみられる」と述べた。佐々江案とは2012年に当時の佐々江賢一郎外務事務次官が訪韓して提示した案で、▼日本首相の謝罪▼駐韓日本大使の被害者面談および謝罪▼日本政府の予算を通じた被害者補償--などが主な内容。

これに対し慰安婦被害者支援施設「ナヌムの家」の安新権(アン・シングォン)所長は「被害者の立場が反映されなかった合意は政治的野合にすぎない」とし「韓国挺身隊問題対策協議会(挺身隊対策協)など日本軍慰安婦被害者支援団体と合意文について議論を進める」と述べた。

朴槿恵(パク・クネ)大統領はこの日午後に発表した国民向けのメッセージで「今回の合意は、被害者の方々がほとんど高齢で今年だけで9人が他界し、46人だけが生存しているという時間的緊急性と現実的条件の下で、最善の努力をして成し遂げられた結果」と明らかにした。朴大統領は「今回の合意を契機に被害者の方々の苦痛を我々の子孫が心に刻み、歴史に二度とこういうことが繰り返されないようにする転機にならなければいけない」とし「韓日関係改善と大乗的見地で被害者の方々と国民の皆さんが理解することを願う」と述べた。また「今後重要なことは合意の忠実かつ迅速な履行を通じて、被害者の方々の苦痛が少しでも軽減されるよう措置を取っていくこと」と強調した。

朴大統領は共同記者会見後に青瓦台(チョンワデ、大統領府)を訪問した岸田外相に「今回の交渉結果が誠実に履行され、韓国と日本の関係が新たな出発点で再び始められることを願う」と述べた。



慰安婦問題で協議要請=台湾

時事通信 12月28日(月)22時6分配信

 【台北時事】台湾外交部(外務省)の報道官は28日、慰安婦問題に関する日韓合意を受け、台北駐日経済文化代表処(駐日代表部に相当)に対し、台湾の元慰安婦について日本政府に協議を求めるよう指示を出したことを明らかにした。
 
 報道官は「日本には一貫して正式な謝罪と賠償を要求してきた」と説明するとともに、元慰安婦の支援団体と連絡を取っていると語った。支援団体によると、台湾の元慰安婦の生存者は4人。 



「日韓合意 撤去受け支援団体の説得困難 慰安婦像聖域化、挺対協入れない」

産経新聞 12月29日(火)7時55分配信

 【ソウル=名村隆寛】ソウルの日本大使館の前に違法に設置された「慰安婦像」の撤去・移転について、韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相は日韓外相会談で、「関連団体との協議を通じて適切に解決するよう努力する」と確約した。しかし、韓国では慰安婦問題は“聖域”と化しており、誰も異を唱えられない雰囲気が広がっているのが実情だ。元慰安婦の多くや支援団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会」(挺対協)は合意に反発しており、世論の説得も容易ではない。

 現在、解体され工事中の日本大使館の前に2011年、慰安婦像を設置したのが挺対協だ。地元の行政当局は設置許可さえ出しておらず、外国公館に対する侮辱行為はウィーン条約にも違反している。

 しかし、韓国政府は「民間団体が自発的に設置したものだ」(外務省報道官)とし、違法行為を黙認してきた。日本大使館前では毎週、像を囲んで対日非難の抗議集会が開かれている。

 今回、韓国政府は「公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知」(尹外相)したとし、ようやく日本の抗議を受け入れた。しかし、合意を受け28日に記者会見した元慰安婦の間では「韓国政府の決定に従う」との声が出た一方で、「合意は無視する」といった反発が強い。

 挺対協は合意を「被害者や国民を裏切る外交的談合だ」と非難し、像の撤去・移転に関し「韓国政府の介入はあり得ない」と猛反発した。韓国紙も「韓国社会での合意で移転はできようが、その象徴性のため政府が一方的に移転できない」(朝鮮日報)と否定的だ。

 また、慰安婦像が日本大使館前から撤去されても、別の場所に移される可能性が高い。像は韓国各地で増え続け、昨年から今年にかけてソウル市内や地方で新たに複数設置された。

 韓国だけでなく、米国各地にも慰安婦の碑や像が設置されている。外相会談で韓国側は「第三国での慰安婦関連の動きは支持しない」との認識を示したが、韓国紙は「韓国政府が海外の像に、何ができるのか」と断言している。

 韓国では来年新学期から小学高学年から高校までを対象に、新たに「慰安婦教育」の授業が始まる。「最終的かつ不可逆的な解決」で合意したにもかかわらず、慰安婦像は撤去どころか今後も増え続け、慰安婦問題が韓国国内で“歴史の真実”として語り継がれていく可能性は残っている。


日本軍「慰安婦」問題 日韓外相会談について
日本共産党 志位和夫委員長の談話


 一、日韓外相会談で、日本政府は、日本軍「慰安婦」問題について、「当時の軍の関与」を認め、「責任を痛感している」と表明した。また、安倍首相は、「心からおわびと反省の気持ちを表明する」とした。そのうえで、日本政府が予算を出し、韓国政府と協力して「全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒しのための事業」を行うことを発表した。これらは、問題解決に向けての前進と評価できる。

 一、今回の日韓両国政府の合意とそれにもとづく措置が、元「慰安婦」の方々の人間としての名誉と尊厳を回復し、問題の全面的解決につながることを願う。