20年前・ドイツ政府の原発政策に同調できないと、省エネ住宅を建て
20年間電気代を払ったことがないテオドラさん
20年間電気代を払ったことがないテオドラさん
彼女のお宅は外観はレンガ造りのようだが本体は木造です。何箇所もご主人の工夫があり、20年間電気代を払ったことがないのです。外から電線が入ってい
ません。電気器具は食器洗いからアイロンまで何でもあり普通の家庭と変わらない電気器具を使っています。ご夫婦(60歳くらい)の生き方が、人間らしく、
つつましく、自然とともに生きていきたい。と言われ、化学者(重合体化学)であるご主人が、「国が進めた原発中心の電力政策に同調したくない」から自分
で考え造られたのです。北海道と同じような冬の工夫が必要なのです。
具体的にどこをどう工夫してあるのか聞いてみると 屋根とベランダの正面に日本でもよく見る、電気を起こすソーラーパネルと湯沸しの装置がありま
す。 ドイツの住宅建築基準、この地方では、赤レンガ、赤い屋根、形は二階を覆い隠すタイプで、二階の屋根裏に出窓は良いが、大きな窓を取り付けること
は禁止となっています。彼は、それでは日照による温暖の吸収が出来ないため、粘り強く交渉し例外を認めさせたのです。家のど真ん中に13000リットル(大
き目のお風呂50杯分)のお湯が入る給湯設備があります。12月まで冷めず、95度を維持出来るよう、断熱され保温されていて、暖房・シャワーなどに使いま
す。壁の厚さは50センチ、中に断熱材が入っています。天井の工夫で、家の中の空気が自然に循環するように間取りも工夫してあります。1時間に
家中の空気が3分の1入れ替わりトイレは10回変わるようにしてあります。
窓ガラスは、50センチ離して二重窓になっています。ドアーは、軽いが構造は日本の蔵の戸のようになっていて、細いゴムがはってあり密閉されるように
なっています。鍵穴がない。南側に1000平米位の広い庭があり、バラをはじめ数十種の植物、木も植えてあり鶏5匹、ひよこ3匹飼っています。自給自足
に近い生活で、自家製のジャムを作る。果物も取れる。野菜もあります。
奥さんは、働き者で庭の管理と仕立ての仕事をし、二階に専用作業場があります。反原発集会には夫婦そろって参加するそうです。
省エネハウスのモデルとして、ハウス業界のホームページにまで紹介されるようになりました。
ドイツレポート 文責 おおはし