NO.10 互いに欺かず争わず
芳州は多くの著書を残しています。
その中でも61才のときに藩主である宗義誠に朝鮮との外交の心得を説いた
「交隣提醒」は、現代にも通じる名著と言われています。
その第1条は、「朝鮮交接の儀は、第1に人情、時勢を知ることが肝要であ
る。・・・」と書き出しています。
第11条では通詞(通訳)の大切さを、「通詞は言語さえ通じればよいというもので
はなく、人柄もよく、才覚があり、物事の道理、義務をわきまえ主上を大切にする者
でなくてはいけません・・・・」とのべています。
最後の54条では、誠信外交について「誠信とは、互いに欺かず争わず、真実を
もって交わることである・・・・」と締めくくっています。