トランプ「我が道を行く」…共和党指導部と正面衝突
フェニックス集会で報道機関と共和党議員を非難
「メキシコとの間の壁建設のため政府閉鎖も辞さず」
反トランプ共和党議員を相手に落選威嚇も
共和党主流「議員を落選させれば弾劾への道」
22日、ドナルド・トランプ米大統領が演説をしたアリゾナ州フェニックスのカンファレンスセンター付近で、警察が催涙弾を発射しデモ隊を阻止している。シャーロッツビル極右集会暴行事態に対するトランプ大統領の発言を批判する数千名の群衆がデモに加わった=フェニックス/AFP聯合ニュース
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ドナルド・トランプ米大統領が共和党など内外の批判に正面から反論し攻勢に出た。共和党内ではトランプの大統領職遂行は不可能との声が高まっている。
トランプ大統領は22日、極右勢力の暴行で広がったシャーロッツビル事態以後初めてアリゾナ州フェニックスで開いた支持者集会で、報道機関と共和党議員を激しく非難した。
トランプは演説序盤には極右勢力の暴行を非難したが、論議を招いた自身の発言に対しては報道機関に責任を転嫁した。彼はシャーロッツビル事態に対して極右勢力と反極右デモ隊の双方に責任があるとして、激烈な批判を呼び、政治的危機に陥っている。トランプは「シャーロッツビルで起きたことは、米国の核心を傷つけた」とし、暴力を振るった人々を「暴力団」と非難した。また、ネオナチズムと白人優越主義者を非難した。だが、すぐに写真記者を指さして「本当に不正直な人間」と非難し、報道機関に対する攻撃に出た。彼は「報道機関にいる本当に不正直な人間と偽ニュース」が「私たちの歴史と遺産を奪おうとしている」とした。シャーロッツビル事態の下地になった南部連合の象徴物撤去を擁護するメディアを非難したわけだ。
さらに移民問題については、共和党議員を威嚇した。メキシコ国境の壁に対する反対に「アメリカ全体の安全が危機に処している」として、民主党と共和党をまとめて攻撃した。彼は「メキシコ国境の壁を建設するためなら、連邦政府の閉鎖も辞さない」と述べた。
特に自身に反対する共和党議員に対する脅迫の強度を高めた。彼は「誰も私に国境や犯罪に弱気な上院議員について話そうとしない」として、ジェフ・フレーク上院議員(アリゾナ)を批判した。トランプの壁公約と移民政策に批判的なフレーク議員は、現在党内予備選挙でトランプの支持を受けるケリー・ワードの挑戦に苦しんでいる。
こうした中で共和党指導部の間では、トランプの大統領職遂行が可能なのかについて、ますます懐疑が深まっている。特にトランプとの関係が最悪まで達したミッチ・マコーネル上院院内代表は、トランプが大統領職を守れるか懐疑を表わしているとニューヨークタイムズが22日報道した。トランプは今月に入り、ツイッターで何回もマコーネル議員を非難し、これはマコーネル議員が電話でトランプに悪口を浴びせる争いに発展したと新聞は伝えた。
共和党指導部と主流議員は、トランプが議員職を威嚇することを最も憂慮している。アリゾナとアラバマの上院議員予備選挙で、トランプは主流の支持を受ける現職議員らを攻撃し、自身に従う候補を推している。また、オバマケアの廃止に消極的な上院議員には地方区予算を没収するという脅迫もしてきた。トランプに諮問してきた共和党の戦略通であるロジャー・ストーンは、フレークら1、2人を落選させて見せしめにしようと促している。
マコーネルの前秘書室長であるビリ-・パイパーは「トランプが弾劾される最も速い方法は、フレークらを落選させ民主党を上院多数党にすることだ」という共和党主流の見解を伝えた。
チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )