「朴槿恵のいない春、皆のおかげ」
見ず知らずの人とも一緒に祝ったろうそく集会
「カーラー」ファッション登場、広場のあちこちに花輪
「ろうそくと共にした日はすべていい日だった」をテーマに第20回ろうそく集会が開かれた11日午後、ソウル光化門広場でロウソク集会を終えた市民たちが爆竹を打ちあげている=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社
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「皆さんがまさしく勝利の主人公です!」
11日の夕方、ソウル鍾路区光化門(クァンファムン)広場でろうそく集会の司会を務めた朴槿恵(パク・クネ)政権退陣のための非常国民行動(退陣行動)のパク・ジン状況室長の声が響くと、ろうそく集会の市民たちが歓声を上げた。この日、光化門広場に集まった市民たちはみんなの力で成し遂げた「ろうそくの勝利」を祝った。横に座った見ず知らずの人に「ご苦労さまでした」、「おかげさまで」と挨拶をかわし、ろうそく集会の隠れた主役に感謝の言葉を伝えることも忘れなかった。「清掃労働者、手話チーム、ソウル市公務員、そして苦楽を共にした警察の方たちもご苦労さまでした」という司会者の言葉に、市民たちが拍手と歓声で応えた。ろうそくの勝利を記念する花火が空を飾った。
朴槿恵前大統領に罷免判決が下された翌日の11日「ろうそくと共にした日はすべていい日だった」第20回汎国民行動が開かれた。全国70万人の市民は「これが正義だ」「朴槿恵のいない春だ」と叫びながら大統領弾劾に対する喜びを分かち合った。同時に「朴槿恵拘束」「黄教安(ファン・ギョアン)退陣」を主張し、新たな始まりを約束した。
この日午後から光化門広場はお祭りムードに満ちあふれていた。全国プンムル(農楽)人連席会議などの伝統打楽器隊の演奏が光化門広場に響き渡り、光化門広場のあちこちに弾劾を祝う花輪40本余りも置かれた。温かい春の陽気に友人・家族と連れ立って広場を訪れた市民たちは、明るい表情で「これが国だ、これが正義だ」「朴槿恵弾劾、ろうそくの勝利」などのプラカードを持って記念撮影をした。イ・ジョンミ憲法裁判所所長権限代行をパロディ化し、カーラーを髪の毛に巻いてきた市民も登場し、笑いを誘った。
夫人と広場を訪れたパク・ジョンシンさん(54)は「弾劾宣告された時の、胸がいっぱいになった気持ちは言葉では説明できない。『ついにやった』という感慨ばかり浮かんだ。今日は弾劾の喜びを市民たちと分かち合うために穏やかな気持ちで広場に来た」と話した。チョン・デヨンさん(38)は「朴槿恵は罷免されたが、朴槿恵が残した問題は依然として残っている。ウ・ビョンウと財閥に対して徹底的に捜査し、この間できなかった財閥改革を成し遂げなければならない」と話した。
退陣行動側は昨年10月に最初のろうそく集会が始まって以来、134日間20回にわたるろうそく集会に、延べ1600万人の市民が参加したと明らかにした。退陣行動のキム・グァンイル集会企画チーム長は舞台に立ち、「大韓民国の全人口の3分の1が、1年の3分の1に至る時間闘った。この広場の結論は『集まろう、闘おう、そうすれば私たちは勝てる』ということ」と話した。4・16セウォル号惨事家族協議会のキム・ジョンキ事務処長は「大統領の弾劾は嬉しかったが、『セウォル号惨事の7時間問題』が弾劾事由に含まれていないというニュースに虚脱感も感じた。だが、ここで失望せずセウォル号の真相究明と責任者処罰に向けて最後まで闘う」と約束した。
「積弊大統領」の罷免を祝うお祭りは、この間ソウルに劣らず週末を熱くした全国主要都市でも、盛り上がる雰囲気の中で行われた。市民たちはお餅と酒を分け合いながら共に祝った。
光州(クァンジュ)の錦南路(クムナムロ)で開かれたろうそく集会では、市民が声を合わせて「手錠をかけろ」というスローガンと共に朴槿恵前大統領の処罰を求めた。司会を務めた国楽家のペク・クムリョル氏が「セウォル号事故の時に髪をいじっていた朴槿恵に手錠をかけろ」と号令すると、進行要員が近づいて手錠をかけるパフォーマンスを行った。この日の集会では、1980年5月抗争の時に市民軍が食べたというおにぎりが「弾劾お祝いおにぎり」という名で登場し、雰囲気を盛り上げた。5・18民主有功者遺族会と5・18拘束負傷者会は「朴槿恵弾劾の祝い餅」3千個を配り、全南大学民主同友会は「弾劾はちみつ餅」をプレゼントした。全教組光州支部と朝鮮大学民主同友会が準備したたい焼き、鶏の丸焼きのブースには、市民が長蛇の列を作った。慶尚南道の昌原(チャンウォン)広場でも、コーヒーとたい焼きが無料で提供され人気を集めた。
市民たちは朴前大統領の罷免後も残る各種の積弊の清算も要求した。釜山(プサン)と蔚山(ウルサン)では新古里(シンコリ)原発5・6号機建設の白紙化と、老朽原発である月城(ウォルソン)1号機の稼動中止など、原発問題の解消を求める市民の声が響いた。憲法裁判所が弾劾認容事由に挙げなかったセウォル号事件の真相究明に対する要求は、地域を問わず噴出した。済州市庁前で開かれた集会に参加した檀園高校2年7組の故イ・ミンウ君の父親のイ・ジョンチョル氏は「弾劾認容の決定が下った時は嬉しかったが、心の隅ではセウォル号の惨事がなぜ弾劾理由にならなかったのか、理解できない。遺族たちは子どもたちがどうして死んだのかを最後まで明らかにする」と述べ、参加者は涙ぐんだ。世宗市(セジョンシ)の湖水公園で開かれた集会では、ヒョリム僧侶が舞台に上がり「まだ真相究明されず判断を保留しただけで、次期政権が朴槿恵の(セウォル号の)7時間の疑惑を徹底的に捜査して処罰すればよい」と話した。
最近、済州大学の在日済州人センターの訪問教授としてきた徐勝(ソ・スン)元立命館大学教授は「今回の弾劾は世界史に例のないことだ。日本の保守派の人々は、12・18慰安婦合意やTHAAD(高高度防衛ミサイル)問題などのために今回の弾劾について厳しく考えるだろう」と話した。
コ・ハンソル、パク・スジン、パン・ジュンホ記者、全国総合(お問い合わせ japan@hani.co.kr)