【ワシントン時事】カーター米国防長官は8日、ニューヨーク市内で行った講演で、ステルス性能を持つズムウォルト級駆逐艦全3隻を、太平洋とインド洋を管轄する太平洋艦隊に配属する方針を表明した。
アジア太平洋地域に戦略の重心を移すリバランス（再均衡）政策の一環。
長官は「国防総省はリバランス履行の新たな段階に入りつつある」と述べ、最新鋭の兵器を地域に振り向けると強調した。
“民族教育への迫害許さない”
文科省通知の撤回を求めるオモニ達の緊急集会
参加者たちはメッセージカードを掲げて抗議の意を示した。
文科省が3月29日に地方自治体に対して朝鮮学校に支給されている補助金の「留意」を求める通知を出したことを受け、「3.29文科省通知の撤回を 求めるオモニ達の緊急集会」（主催＝朝鮮学校全国オモニ会連絡会）が8日、参議院会館で行われた。同連絡会の梁玉出代表をはじめ、関東や名古屋の朝鮮学校 のオモニ会の代表、関係者、日本人士ら110余人が参加した。
梁代表は報告で、今回の通知は、自民党の拉致問題対策本部が昨年6月に提言した「対北朝鮮措置に関する要請」13項目の制裁強化策の一環として、朝 鮮学校に対する補助金の交付について「朝鮮学校へ補助金を支出している地方公共団体に対し、公益性の有無を厳しく指摘し、全面停止を強く指導・助言するこ と」を求めた「要請」第7項に従って下された結果であることは火を見るより明らかであるとしながら、教育に政治を介入させることは朝鮮学校に通う子どもた ちに対する人権侵害であり、民族教育に対する迫害であると強く非難。日本政府の差別政策の影響で、名古屋市による補助金支給停止の決定に続き、東京都墨田 区、茨城県も来年の支給停止を表明していると懸念を示した。
連絡会は今後、▼文科省の通知文を撤回し、朝鮮学校に対する平等な権利を保障するように抗議、要請し、▼地方自治体への働きかけを続け、▼不当性に対する認識を広げることで幅広い支持を得られるように運動を展開していくと語った。
つづいて在日本朝鮮人人権協会の金東鶴事務局長が、通知が出されるに至った経緯や不当性について説明した。
緊急集会には、関東や名古屋の朝鮮学校のオモニ会の代表、関係者、日本人士ら110余人が参加した。
金事務局長は、民団と韓国学園、華僑総会と中華学校、宗教団体とキリスト教系や仏教系の私立学校など、民族団体と民族学校が密接な関係を持つのは当 たり前であるにもかかわらず、朝鮮学校に限って総聯と関係があるという理由で差別の対象とすることは論理に矛盾があると指摘し、「朝鮮学校に通う子どもに 与える影響にも十分配慮し」ているのであれば教育と政治をないまぜにすべきではないと語った。
また文科省が地方自治体に通達しなくてはいけないのは、朝鮮学校に対する無償化制度の適用と補助金支給を要請した国連社会権規約委員会（2013 年）と国連人種差別撤廃委員会（2014年）の勧告であると述べ、マスコミが通知を「事実上の自粛要請」であると拡大解釈して報道することで、自治体を萎 縮させ、補助金停止を促していると警鐘を鳴らした。
つづいて、朝鮮学校東京オモニ会連絡会の厳広子代表、西東京第1初中の2015学年度オモニ会長の張敬愛さん、名古屋初級オモニ会の朴柱鈴会長が発 言した。代表たちは各地での活動について言及しながら、確固たる信念を持ち、同胞や日本市民たちと心を一つにして活動を拡大させていこうと呼びかけた。
朝鮮女性と連帯する日本婦人会議の鴻巣美知子事務局長、高校無償化からの朝鮮学校排除に反対する連絡会の森本孝子さん、阿部知子衆議はあいさつで、 朝鮮学校に通う子どもたちを差別する日本政府を非難し、状況を打開するために連帯していこうとエールを送った。また糸数慶子参議から寄せられた応援メッ セージが代読された。
最後に、千葉初中オモニ会の全慶子会長が馳浩文部科学大臣に宛てる、通知の撤回を求める要望書を朗読し、参加者たちの拍手をもって採択された。参加 者たちは「朝鮮学校差別NO!」「朝鮮学校生徒にも学ぶ権利を!」「補助金停止反対!」などと書かれたメッセージカードを掲げて抗議の意を示した。
その後、参加者たちは朝鮮大学校の学生たちが毎週金曜、文科省前で行っている「金曜行動」に合流し、メッセージカードを掲げながら抗議の声をあげた。
（文＝李永徳、写真＝李哲史）