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4月28日、北朝鮮を訪問中のカーター元米大統領(左)は、米政府が安全を保障しない限り、北朝鮮は核計画を放棄する意思がないと述べた。写真右は金永南最高人民会議常任委員長(2011年 ロイター/KCNA) |
[ソウル 28日 ロイター] 北朝鮮を訪問中のカーター元米大統領は27日、自身のブログで、同国ナンバー2の金永南最高人民会議常任委員長らとの会談について触れ、米政府が何らかの形で安全を保障しない限り、北朝鮮は核計画を放棄する意思がないと述べた。
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カーター氏は、国際人道グループ「エルダーズ」の一員として欧州の元首脳3人とともに北朝鮮を訪問。「私的訪問」と位置付けられた今回の訪朝では、朝鮮半島の緊張緩和や食糧支援などについて話し合われたとみられる。一行は28日に平壌を出発する予定。
「エルダーズ」のサイト内のブログでカーター氏は、「われわれは平壌でタイトな日程の中、一貫して北朝鮮が対米関係改善を望み、米韓と前提条件なしに対話を行う用意があるという話を聞いている」とつづった。
ただ、「障害はある。これが重大なことだが、米国から何らかの安全保障がなければ、北朝鮮は核開発計画を放棄しようとしないことだ」と事態打開に向け懸念も示した。
カーター氏と同行しているのは、アイルランドのロビンソン前大統領、フィンランドのアハティサーリ前大統領、ノルウェーのブルントラント元首相の3人。一行は、金永南氏や朴宜春外相と会談した。
専門家らは、カーター氏らが平壌を出発する前に、金正日総書記と息子で後継者の金正恩氏と会談する可能性もあると指摘している。