米音楽隊輸送機に海兵隊が同乗
沖縄・宮古島
県も市も知らされず
沖縄県宮古島市での演奏会に出演した米第7艦隊音楽隊(神奈川県横須賀基地)を輸送するとして飛来した米輸送機(C9)に、演奏活動には参加しない米海兵隊員が同乗していたことが判明し、問題になっています。
米海兵隊員が同乗していたのは、13日午前9時40分に宮古島空港に着陸した輸送機。宮古島市内で米在沖総領事主催の演奏会(12日)に出演した 第7艦隊音楽隊の復路輸送のために嘉手納基地から飛来したもの。「緊急時以外の民間空港への利用は自粛を」とする県や同市の反対を無視した「強行着陸」で した。
トラブルで判明
空港では「民間空港の軍事利用を許すな」と市民グループや労組関係者が抗議行動を繰り広げていました。
しかも、同輸送機は、着陸直後に左後方のタイヤがロックし、煙を出すトラブルを発生。米軍は嘉手納基地から交換用のタイヤをC130輸送機で急送する措置を取りました。
しかし、C130輸送機の整備の遅れで嘉手納基地を離陸できず、C9輸送機乗組員の疲労を理由に同日の出発を断念、14日に延期しました。
音楽隊はバスで駐機場近くに待機し、搭乗しませんでした。ところが、非常口と見られる事故機の右側から別の米兵の一団が姿をあらわしました。
音楽隊団長は、記者団に対し、沖縄での訓練を終えた岩国基地所属の海兵隊員34人が同乗し、同基地に移動中であることを明らかにしました。
誘導路が閉鎖に
また、このトラブルで空港側は、C130輸送機のために滑走路の南北にある誘導路の片側、北部分を閉鎖するなどの緊急対応を迫られました。
そのため、11時5分に到着した那覇からの日航機の乗客は、15分遅れでロビーに到着するなどの影響が出ました。
日本共産党の上里樹市議は14日の市議会一般質問でこの問題を追及。下地敏彦市長は「(海兵隊の同乗は)県も市も事前には何も知らされていなかった」と答弁しました。
同市議はこう指摘します。「音楽隊の輸送機に訓練中の海兵隊部隊を同乗させるなど米軍の横暴は許せない。また、空港の誘導路の一部閉鎖は、万が 一、民間機にトラブルが発生していたら、重大事故につながりかねなかった。民主党政権の防衛大綱が南西諸島への自衛隊配備、日米共同作戦の強化を打ち出し ているが、今回の問題は民間空港の軍事利用の危険性を示すものだ」