羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

始発駅は終着駅

2006年01月17日 17時03分59秒 | Weblog
 東京駅がよほど好きらしい。
 行き帰り東京駅を通りながら、そのわけを考えてしまった。

 長距離列車の始発駅であり終着駅である東京駅。
 行きかう人々の表情が好きだというのも、大きな理由らしいと気付いた。
 仕事で出かける人も、旅行に出かける人も、この駅にいる人々は、東京都内を1分1秒を争って動き回っている人にはない、すこしだけ間延びした顔が見られるからだろうか。
 
 今から、遠方に出かける。
 今、遠方から帰ってきた。
 そうした人々の思いが、表情を思いなしか変えているように見受けられる。

 駅弁の種類の多さ。和食に中華にイタリアン、もちろんカレーショップに焼きたてパンの店、コーヒーショップやサンドイッチなどなど。飲食店の賑わいは、匂いとともにエキナカにあふれている。ここを通ると「人は食べるために生きている」などと思ってしまう。

 冠婚葬祭に最低限必要なもの。女性が買い物したくなるような靴下やピンや化粧品などの雑貨。ネクタイやマフラー。袋物。東京土産の数々。本屋だって知る限り二軒はある。
 商店の豊かさに加えて、ギャラリーだってある。地方のイベントも開催され、音楽会まであるのだから。
 はっきり言って、ここに降り立つと、どんなに眠くてもパッチリと目が覚める空間だ。

 行き交う人々は、やっぱり他の駅とは違う雰囲気が漂っている。
 これから行くところへの期待と不安。これから出会う人への気遣い。これからまとめる仕事への責任や重圧。
 その逆もある。無事に帰ってきたことへの安堵感。先での出来事を背負って、からだもこころも重い人。楽しい思い出に心が軽くなっている人。家路に着くことが見えてほっとしている人。

 旅立ち・帰省。出会い・別れ。
 見知らぬ人々の人生の交差点は、始発駅でもあり終着駅でもある。

 さて、私はと言えば、いよいよ年度末である。
 あと一回、実技テストのために、この東京駅から東海道・在来線に乗って、そしてこの駅に戻ってくる。

「来週、なんとか雪は降らないでほしい」
 祈りながら、いつも乗っている東京発・大月行きに揺られながら家路についた。
コメント (1)
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