羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

2006年01月21日 09時41分04秒 | Weblog
 佐治さんのブログ「芭璃庵」に、山手教会と建設中のNHKの写真が掲載された。 
 芭璃庵:http://blog.so-net.ne.jp/spoonful/ ブックマークをクリックしてください。
 これがブログの醍醐味で、それぞれのイメージがふくらみ、思い出が甦るってわけ。

 山手教会の隣に広場が写っている建物の脇にルノーが一台。
 今ではすっかり姿を消した車だが、ルノーはあの街に合っていたし、あの教会にもぴったりだった。
 ベレー帽にルノーは、芸術家や知識人を連想させた懐かしいアイテムだったかもしれない。
 ある時期から、山手教会の隣の駐車場のような空間では、日曜日毎に、露天が出て大道芸が見られるようになっていった。
 坂をもう少しのぼっっていったか下っていったか失念してしまったが、「ジロー」という名の喫茶店があった。イベットジローの「ジロー」だったかな。そこではシャンソンがながれ、時にコンサートや詩の朗読会などもあったと思う。

「建設中の写真は、NHKの敷地が広いことをしっかり伝えてますね。佐治さん」
 巨大な放送局として、大きな憧れをみんなに与えてくれたのだけれど、いまやここも地に落ちて、行く末を考える議論がなんともかしましい状況だ。

 写真で思い出すことがある。
「このときに朝カルがはじまったのよ」
 朝日カルチャーセンターの二階さんが、額に入った写真を持って控え室に入ってこられた。
 写真は、西新宿の高層ビル街の中で、ただ一棟「住友三角ビル」が立ち上がって、周囲はまだまだ空間が残っている情景を写し出している。三井ビルが建設中で、クレーン車が写っているのが印象的だ。もちろん都庁の空間はガランとしていて、上方をみると空が広っている。

「懐かしいと思えるのは、私たちくらい?」
 しばしの沈黙。
 互いに次の言葉は発しなくても、なんとなく通じる思いがあった。

 見続けるうちに、もう一枚の写真がダブって見えてきた。
 西新宿の高層ビル街は、かつて淀橋浄水場だった。浄水場の向うには初台のガスタンクと富士山が眺められた。ヘビもいた。虫もいた。熱い夏でも、浄水場の土手はひんやりして、蛍は青白い光を放って真夏の夜を楽しませてくれた。
 
 いやはや、時は流れ、街は変わる。それにつれて人の心も移ろい、価値観も変化していく。
 ふと思い出す言葉がある。
「今は、価値観がもてない時代になってしまった。お金以外のね。はてさて、ほんとうに大切な価値を、どうやって学生につたえることができるのだろう」
 先日、お目にかかったクリスチャンの老教授が、ささやくように漏らした言葉だった。
 世の中、囂しい。
 久しぶりについて出た言葉だが、「囂」かまびすしいとは、口が四つ+頁(頭)だそうだ。

 さぁ、これから雪の降る町・西新宿にお出かけ。
 先週に引き続き、逆立ちの稽古。逆さまになって、世の中を見てみようではありませんか。
コメント (2)
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