羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

坐禅 ふたたび 八十一日目・・・・「弛ませ曲線の動き」

2019年09月28日 10時09分18秒 | Weblog

今朝の気づき。

70回をすぎる頃、ふと腰を緩めたくなった。

思い出したのは「弛ませ曲線」の動きだった。

結跏趺坐の姿勢のまま行う。

頭の中心と丹田を意識する。

「弛ませる」とは、2点以上で支え、その間を緩ませると生まれる。

詳しくは『野口体操 ことばに貞く』31ページ〜をお読みいただきたい。

で、何をするのかと言うと、2点で支えられている間、つまり胴体を前後に弛ませる。

左右に弛ませる。

斜め右前から斜め左後ろへ、逆に左斜め前から右斜め後ろに弛ませる。

その時次の方向へと変える時に、必ず真ん中に戻す。

頭の中心から丹田の線を通しながら、胴体を立てたまま緩めると息が一気に入ってくる。

弛ませている時には、息を吐き続けている。

呼吸の間合いを、真ん中に戻した時に取るのである。

そして骨盤を丸く回す。この時「進んでいく方向の筋力をできるだけ使わない在り方・つまり弛ませる」わけ。

動きはごく小さい。

早くもなく・遅くもなく「呼吸と弛ませ曲線の動き」のリズムに委ねていると、非常に気持ちがいい境地に導かれる。

繰り返すが、頭の中心と丹田をつなぐやわらかく中空の管を軸とするイメージは持ち続ける。

そうすると姿勢は崩れない。

この動き方、おわかりいただけるだろうか?

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坐禅 ふたたび 八十日目

2019年09月27日 09時47分45秒 | Weblog

このところ体操の後に坐禅を始めてはいたのだけれど、100を数える前に中断せざるをえあいことばかりだった。

で、被災ぶりに落ち着いて坐ることが、できた今朝。

爽やかで気落ちがいい。

腕や肩の痛みが取れてきて、体操の動きもバランスが戻りつつある、というか「私、本来の美しい野口体操(笑)」の復活であります!

この嬉しさは格別。

坐禅をしても背骨の通りかたが全く違うことに「からだが気づく」のでした。

八十日目の真実? (何が、って突っ込みが入りそう)

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野口三千三先生 二十三回忌準備始め

2019年09月20日 19時53分10秒 | Weblog

本日、通行証の準備を始めた。

実は、東京国立博物館の「応挙館」には通行証が必要である。

正門からではなく西門から入るので、事前にに自分たちで作成したを入館証を事務室届け、当日は守勢さんが確認する手はずらしい。

 

アスクルのWebサイトで、お買い得のカード入れを見つけて注文した。

消費税が10%になる前に、駆け込んだという次第。

佐治嘉隆さんが、「野口体操の会」杉浦康平さんより頂戴したロゴマークをデザインしたカードを作ってくれることになる。

参加者全員、首から提げて、各自携帯することになる。

11月24日(日)には、早蕨塾の後、残っていただいて30分程度だが準備会を開く予定である。

二十三回忌は一つの区切りでもあるので、一人でも多くの方にご参加いただきたいと今から祈っている。

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あっち こっちから・・・・そこここで

2019年09月19日 09時08分15秒 | Weblog

あっちは、国立オリンピック念総青少年総合センターから」、ようやく「利用承諾通知書」が届いた。

11月24日(日)午後の使用許可である。

消費税10%の料金見直しのために、通知は何ヶ月も遅れて届けられた。

ここまでずれ込むのは、初めてのことだ。

第8回「早蕨塾」を、開くことにする。

内容は、「野口三千三未公開映像」+野口体操。そして「野口三千三先生を偲ぶ会」準備打ち合わせ時間をいただきたい。

実は、βのビデオテープを、DVDにしてもらっている。遅くも11月初旬までには、上がってくる予定である。

 

こっちは、母が入所している施設から、料金設定の見直し通知で、こちらは承諾書にサインと押印をして返送した。

 

他にも、いくつか見直しの掲示を読んでいよいよかー。

若者と外国人が増えた高円寺の商店街では、「ペイペイ使えます」の表示の店が急に増えた。

 

そうそう、先日、こんなことがあった。

明治大学シェイクスピアプロジェクトのワークショップを終えて、明大前駅の「京樽」で送風したこと。

ここは、改札の内側からも品物を買うことができる。

私の前に若い男性が、何百円かの寿司の支払いを、クレジットカードですませようとしていた。

年齢の高そうな女性店員さんが、カードリーダーを前に悪戦苦闘している。

奥で様子を伺っていたもう一人の女性が出てきた。

二人して使い方をコソコソと相談している。

その間に、男性の職人さんが出てきて、私の買い物を準備し一言。

「お客さん、現金でどうぞ」

何百円かの小銭を用意していた私は、その職人さんに支払いをすませ、立ち去ろうとしたとき、若い男性のあきらめ半分、あきれ顔半分の表情をちらっとみてしまったそのとき

「お客様、クレジットカードの暗証番号を・・・・」

最後まで聞くまでもなく、階段をとことこ上がって、新宿行きの京王線に乗りんだ私は、先ほどのやりとりの情景を、目の中で再生し苦笑してしまった。

 

さらに、昨日のニュースでは、巣鴨のおばあちゃんの原宿でも、ペイペイ商店街になっていいると報道されていた。

いやはや、スマホ決済は、いつになったらゆき渡るのかなー?

10月も間近い。

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坐禅 ふたたび 七十九日目

2019年09月19日 08時58分52秒 | Weblog

めっきり涼しくなった。

体操も坐禅も、気持ちよく実践。

坐りながら、托鉢の鉢の縁を擂り粉木で撫でた時の音が、耳の奥から聞こえてきた。

つられて音程のことなる托鉢の鉢をいくも並べて、次々に縁を叩くと、うなり現象を伴いながら、柔らかな響が空間に広がるのを感じた。

「そうだ、水晶の鉢もあった!」

「最近、手に入れた大きなネパール仏教の鉢もある!」

全部ならべて鳴らしてみたい。

鳴らすだけでなく、その音に包まれて野口体操をしたら気持ちがいいだろうなー。

野口三千三の物語を、様々な音を組み合わせて体操の動きにのせて、舞台にあげるのもよさそうだ。

夢は尽きない。

100を数えて、本日も終了。

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坐禅 ふたたび 七十八日目・・・・近況

2019年09月17日 09時05分49秒 | Weblog

むわぁ〜んとした夏の名残の朝。

9月も中旬、秋の彼岸も近いというのに・・・・・

ようやく落ち着いて坐る時がもてた。

何日ぶりだろう。

思い出せない。

これまで何をしていたのか・・・・・

今は、PCの前に座して、思い返している。

8月9月の明治大学シェイクスピアプロジェクトのワークショップは、先週のうちに無事終了した。

あとは、11月の本公演を待つのみ。

 

夏休みに調べていていた、戦争末期から終戦後のことも収穫があった。

野口体操の中に取り入れられている、体操指導者の大谷武一、ノイエ・タンツの江口隆哉、岡倉士朗とスタニスラフスキー等、これまで暗闇の中にあった彼らの姿が、くっきりとした形を見せてくれるようになった。ありがたやー!

 

来年、2020年3月28日(土)「野口三千三先生を偲ぶ会」二十三回忌 寛永寺墓参 東京国立博物館 庭園内「応挙館」での催しの輪郭も描けるようになった。

 

大学の秋学期も始まる。それに関連して、いくつかの事務的作業も無事に終えた。

というわけで、本日は、これから掃除に勤しもう・・・・・

 

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写生の有から・・・・シュールな無へ・・・・

2019年09月15日 09時03分39秒 | Weblog

昨日、朝日カルチャー土曜日クラスのレッスン中のこと。

「写生、写実ってなんだろう」

思い始めた。

丸山応挙の絵の話をテーマの一つにしていたことが大きい。

さらに、久しぶりに70年代に藝大の美術学部日本画の学部から院まで在籍して、6年間を通して野口三千三ファンだった画家さんが参加されていたことも作用していた。

「写生図巻」に描かれている、花、草、犬、猪、猫たちの写生は、動きを捉えた見事な写生。

よく見ていると、写生であっても写実ではない。

まして西欧絵画のレアリズムでもない。

 

応挙とその四条派の画家は写生を基礎に、襖や障壁、屏風に描き上げると、一見すると世俗的なわかりやすさの中に、よくよく見ると実にシュールな作品となって生まれ出るものがある。

ことに、川、滝、海、雨といった「水の表現」は見事で、ドビュッシーの交響詩「海」を聞く趣である。

描きかけか、と思わせる「間」に込められた「無の空間・無の時間」表現に鍵はありそうだ。

消すこと、無くすこと、そこから立ち上がる「存在するもの」。

写生から始まり超現実に至る、画家の意識の変遷を観せてもらえる作品がある。

実に、実に、面白い。

 

だから応挙は足のない幽霊を描いたのか?

そんなことを思いながら、2時間のレッスンは終わった。

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来年の「野口三千三先生を偲ぶ会」にちなんで藝大美術館へ『自然直伝」の画風に出会う

2019年09月14日 08時51分25秒 | Weblog

昨日、東京藝術大学美術館で、今月29日まで開催されている『円山応挙から近代京都画壇へ』を見てきた。

応挙は、農家の生まれで詳しい生い立ちは謎。

それまでの大和絵や唐絵とは異なる写生を重視した新しい画風を打ちたて、それに続く多くの画家の開祖となった。

確かに、草花、樹木、水の動き、獣、犬、・・・・自然を観察して写実的に描く「写生図巻」は、圧巻。見事であった。

微細な描写、美しい彩色、生き生きした動き、自然を活写する力は、それでまでの日本画には見られない画期的な作風だ、ということが伝わってくる。

想像だが、幼少期から身の回りの自然を素直な眼差しで観察し、それを写し取る能力を養い、開花させたに違いない。

障壁画や屏風、襖など、かつて画集などで目にしたことのある作品が展示されている。

どの作品もキーワードは「自然」ありのままを描く『自然直伝』である。

人物画では、のちの上村松園に続く源流となる作品を見ることができる。

 

来年の野口先生二十三回忌の準備を始めた矢先のこと。

会場としてお借りできた東京国立博物館庭園の「応挙館」は、その名の通り円山応挙ゆかりの書院である。

およそ300年前に建てられ、ここに移築されたのは昭和2年。

なんと野口先生の墓所まで、直線距離にして100メーターあるかないかの場所である。

博物館裏手と寛永寺の墓所に挟まれた道は、鶯谷駅で下車した先生が、32年間ときには「おっかさんランニング」をしながら通ったゆかりの道である。

 

そんなこんなでますは、「応挙展」を見ておきたいと、早速出かけていった次第。

墓所に報告を済ませ藝大美術館へ。

見終わってはじめてかの有名な「大浦食堂」で早い昼食を食した。

上野駅から帰路につくために公園をゆっくりと散策していると、かつての寛永寺の「時の鐘」正午の音が聞こえてきた。

目を閉じて佇む。

今しがた目にしてきた応挙作 忠臣蔵「大石内蔵助とお軽」絵が目の前に現れて江戸時代にタイムスリップ。

おまけ付きの半日。

幸先いいスタートです。

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「野口体操の会」およそ2年半の活動・・・・そして

2019年09月12日 13時28分14秒 | Weblog

「野口体操の会」第3期も半年になりました。

これまでのひそやかな活動を、まとめてみます。

備忘録として・・・・

********

2016(平成28)年11月16日(野口三千三先生の誕生日)高幡不動尊「仁王門」において発起人・議事録を承認

2017(平成29)年04月01日 上野・寛永寺墓参 野口先生に報告〜東京藝術大学体育館において創立総会〜

               黒門町 イタリアンバル・アクアにて 親睦会

         09月07日 会報『早蕨』Vol.1発行 創刊号

         09月24日 第一回早蕨塾「人の動きの捉え方」講師:國廣哲也さん(理学療法士)国立オリンピック記念青少年総合センター

         11月03日 第二回早蕨塾「野口体操から坐禅へ」講師:藤田一照さん(禅僧)     同場 

2018(平成30)年03月07日 会報『早蕨』Vol.2発行

         06月24日 第三回早蕨塾「野口体操から生まれるワークショップの場」講師:新井英夫さん(体奏家)同場

         09月07日 会報『早蕨』Vol.3発行

         10月14日 第四回早蕨塾「ヨーガの呼吸法」講師:龍村修さん(龍村ヨガ研究所)同場

         12月24日 会報『早蕨』Vol.4発行

2019(平成31)年02月02日 緊急!第五回早蕨塾「がんと共に生きる」講師:大屋敷純子さん(医師)新宿ハロー会議室 

         04月28日 総会 田端「文化座」稽古場

           同日 第六回早蕨塾「野口三千三との出会いから」佐々木愛さん(劇団代表・女優)田端「文化座」稽古場

2019(令和元年)05月30日 会報『早蕨』Vol.5発行

        09月08日 第七回早蕨塾『「緩和ケア」「グリーフケア」と野口体操の可能性』西尾温文さん(臨床心理士)国立オリンピック記念青少年総合センター

これからの予定

2020(令和2)年03月28日「野口三千三先生を偲ぶ会」二十三回忌 寛永寺墓参〜東京国立博物館「応挙館」〜同庭園

             講演会「日本文化における身体性の伝統と野口体操の今日的意味と将来的展望』講師:魚住孝至さん(放送大学教授)

             鑑桜親睦会「花を愛で 花に貞く」

 

「早蕨塾 」企画:羽鳥操  事務局:近藤早利

******会報『早蕨』編集:二階のぶ子 デザイン・写真:佐治嘉隆

「私と野口体操」執筆者

Vol.1  佐治嘉隆 近藤早利

Vol.2 ピーター・ファン・ヴェイク インタビュー

Vol.3 河野知己 福本まあや

Vol.4 五大路子 インタビュー

Vol.5 佐々木愛 講演記録

 

私家版「野口三千三伝」羽鳥操

*******

Special thanks

新井英夫 岡野浩史 近藤准介 糟谷匡孝 片岡淳 菊地良子 原田明子(文化座)

(敬称略)

 

 

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第7回「早蕨塾」無事終了

2019年09月11日 15時15分34秒 | Weblog

さる9月8日国立オリンピック記念青少年総合センターで開催した「早蕨塾」は、熱気の中で終了しました。

講演者:西尾温文さん

演 題:『「緩和ケア」「ブリーフケア」と野口体操の可能性』

 

丁寧に用意された資料、誠意ある話ぶりで、最先端の情報を実例をあげながら、話された。

終始、あたたかなお人柄が話の端々に滲み出て、素晴らしく充実した時間を皆さんと共有することができました。

野口三千三の思想・野口体操の実践が示す、社会的な可能性への明確な言及をされたことは、貴重なことでした。

たぶんこれほどはっきりときっぱりと話されたのは、西尾さんが初めてではないかと思います。

それだけ現場に密着して、様々な思いを重ねていらっしゃったゆえのことと感じました。

ありがとうございました。

 

お話の後に、短い時間でしたが野口体操をしながら、さらに心身がほぐされて行くのが伝わってきました。

「体操は気持ちよかったです」

帰り際に何人もの方におっしゃていただきました。

 

おりから台風15号接近もあって、早々に閉会。

ゆとりを持って帰路についていただきました。

夜中から朝にかけて、台風の災害にあわれた方もおありかと思います。

この場を借りて、お見舞い申し上げます。

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第七回 早蕨塾 9月8日 

2019年09月08日 09時56分41秒 | Weblog

本日の早蕨塾は、予定通り開催します。

台風と交通機関の情報を見ながら、事によると終了時間を早めることも考えています。

体操の時間で調整します。

 

 

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写真の整理

2019年09月07日 13時32分10秒 | Weblog

今年こそ、と思い立った片付けは、できないまま夏は終わりそうだ。

今週の三日間は、時間があくと父母の写真を整理した。

昭和初期から現在まで、ネガと捨ててもよさそうな写真を仕分けした。

昔の写真は、とにかく小さい。

そこで選び出した写真を、近くの富士フィルムに持っていくことにした。

デジタル処理して、2L版に引き伸ばしてもらう。

父の家族写真は昭和2年頃だろうか。

母の家族写真は昭和14年頃だろうか。

この2枚は2L よりも大きな版に引き延ばした。

 

母の写真は16枚、父の写真は13枚、二人揃った写真は1枚合計30枚+2枚になった。

施設に持っていき、母に見せた。

母の家族写真を見るなり「この人、おばさんよ!」中心に座っている初老の女性を指した。

それから何度も繰り返して、Digio Phto Stockerに挟んだ写真を見続けていた。

ものすごい興奮。

認知症には過去を思い出させるといい、と聞いていた。

まさにその通り。

古い写真を見た母の様子は、一気に脳に血が流れ込むと同時に、丸ごとのからだに大きな渦が巻き起こった。

若い頃の自分の写真を見て、若い頃の父の写真を見て、これほど深く関心を持つとは思ってもいなかった反応だった。

そばにいた当番の介護士さんも振り返って、一緒に覗き込んだ。

彼女も興奮して話に加わってくれた。

「なんだか歴史の話を聞いているみたいですねー」

ちょうど散歩から戻ってきた、入所者さんのご主人も、興奮に巻き込まれていた。

母の遺影に、と思った写真は見せることにためらいがあったが、そのまま差し込んでおいた。

それを見て

「随分立派ね」

気に入ったようだ。 

「見たいでしょうね。みんな」母はいう。

写っている人は、彼女の中で生きているのだ、と気づく。

 

持って行かなかった父のアルバムの中には、昭和14年に中国への修学旅行で撮った写真が何枚も貼られていた。

盧溝橋、北京萬壽山、支那事変発端地、天津大和公園、何頭もの豚と中国の男性、ハルピン郊外3頭の馬がひく農作業用の車と人、南嶺戦跡、ハルピンの教会、奉天驛舎、奉天戦跡、北京紫禁城内、京城、ラマ寺、駅舎、ラクダ、民衆、・・・・・

おそらく16歳くらいの父が撮影した数々の写真が、色褪せてはいるものの生々しく残されている。

以前手にいれた大正から終戦までの「時刻表」には、朝鮮・台湾・満州の鉄道路線図や旅行をすすめる広告など掲載されていたことを思い出した。

まさか修学旅行地でもあったことに、驚かされた。

当時の日本人の感覚は?

戦後生まれの私とは、良くも悪くも全く違うだろう、と想像できるようになった。

野口三千三先生も、結局諦めたのだが、真剣に悩んで満州に渡ることを考えたこともある、と言っておられたことも思い出した。

そういうことなのだー!

歴史が単なる歴史ではなくなってきた。

 

写真の整理で捨てるものも多かったが、残すものが増えてしまった。

両親の写真なのに、私にとって大事な記録として、新たな命が吹き込まれたような気がしている。

昨日、最後に見つけた写真は、大島田に結い上げて斜め後ろから俯き加減で座る母・満18歳の記念写真だった。

2月生まれだから、この頃までは写真館も開いていたのだろう。

すっかり仲良くなった富士フィルムの女性店員さんは、この写真を見てひとこと。

「今の18歳より、大人ですね!」

兎にも角にも、片付けはいっこうに捗らない。

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坐禅 ふたたび 七十七日目

2019年09月07日 13時26分19秒 | Weblog

久しぶりに坐った。

朝から晴天に恵まれていた。

窓と掃き出しの雨戸を半分閉めて、部屋は落ち着いた暗さの中で、呼吸だけを意識する。

すだれ越しに、日差しが入ってくる。

名残の夏。

蝉の声も途絶えた。

静かだった。

何も考えず・・・・いや、台風のことが気になっていたが、それはそれ、と割り切れていた。

100回数えて終了。

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