羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

優れもの「くず湯」

2023年11月28日 14時54分42秒 | Weblog
冷蔵庫を開けたら「吉野葛」が買い置きしてあった。
スーパーで見つけたのが、いつのことだったか。
覚えていない。

残り少なくなっている葛粉を小鍋に少量。
そこに砂糖と水を加えて中火にかける。
木べらでゆっくり回しながら、ふつふつしてきたら手早くかき混ぜる。
「くず湯」の出来上がりである。



葛の滑らかさに甘味が加わって、のどにとっても優しい!
コロナ闘病中も、その後も、「くず湯」に助けられた。

くず餅、くず桜、くず切り、そのほかの和菓子に、日本料理にと、春夏秋冬どの季節にもなくてはならない「葛」である。

それが手間がかかりすぎて、葛粉を作るところが激減しているという。
残念至極!
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コロナ復帰で見たクリスマス・ツリー(新宿住友ビル)

2023年11月26日 12時16分11秒 | Weblog
先週の土曜日と日曜日(18日・19日)のこと、朝カル野口体操講座は、私のコロナ罹患で休講にしてもらった。
1週間後の昨日(25日)は、無事に開講できました!

経過をここに書かせていただくと・・・・・
11月16日の夜中に発熱に気づいた。
ある程度進行しないと陽性の結果は出にくいと聞いていたので、明け方まで待って買い置きしてあった検査キットを使ってコロナ陽性を確認した。
9時にかかりつけ医に電話し、すぐにも診察を受ける。
いつもの薬局で薬を調達。

その日から2日間はひたすら眠って、3日〜4日目には回復の兆しを感じた。
この間、たよりにしたのは、これも2020年ごろに通販で手に入れてあったパルス・オキシメーターの数字だった。
肺炎の兆しを見るには酸素飽和度だが、病状の推移を見るには脈拍数だ。
私の通常の脈拍数は、40後半から50台。
健康診断の折に、医者からトライアスロンでもやっていますか?などと聞かれるたこともあった。

今回は、かすかな異常を感じていた時から、安静状態でパルス・オキシメーターで計測すると、すでに80後半〜90という数字が刻まれていた。
病状が悪化していた時は、同様の数字だった。
ところが、5日目になると急に気分もよくなって、回復の実感があった。
測ってみると、脈拍数は日頃の(50〜60程度)に戻っていた。

一応、7日間分の薬をすべて呑み終わって、8日目にコロナ検査キットで調べると2回とも「陰性」だった。

かくして、昨日25日土曜日は朝からすこぶる快調。
自主隔離中の7日間は、手元にある材料を工夫する料理を楽しんでいた。
体操はいつも以上に、丁寧に時間をかけることができた。
なんとも身体が軽い。
というわけで一抹の不安もなく、3時前には新宿住友ビルに到着すると、クリスマスツリーが出迎えてくれた。
「もうこの季節がやってきたー」
帰り際に灯りが入ったツリーを撮影しよう。
そう心に決めてレッスンにのぞんだ。

3時半、定刻。
ほとんど全員が出席されていた。
そしてあたたかな眼差しが向けられている。
まず、コロナ闘病談から始めた。
「・・・・・今のところ、言われているコロナ後遺症は、まったく感じていません。このまま順調に推移するような気がします!」

元気な若者がトライアルしてくれたこともあって、いつも以上に活気あふれる2時間を無事につとめることができた。

最後までトーンを落とすことなく
「ありがとうございます」
すると皆さんからも「ありがとうございます」
明るい声が教室に響いてお開き。

思いもかけずもらったコロナ休暇でありました。

 5時半過ぎのクリスマスツリー
             

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野口三千三の無念さ

2023年11月16日 14時09分48秒 | Weblog
三笠書房版『原初生命体としての人間』第5章「ことばと動き」を読んでいる。
これまでに何度か読んではいるのだけれど、今まで何を読んでてきたのだろう?


今までとは全く違う本にさえ思える。
もしかすると、スタニスラフスキーの講師のお二人、ロシア語通訳の方との交流を通して、私の目の前に「演劇・身体表現・音声言語」に新しい地殻が現れて、少なからずの"地殻変動”が起きているからだろうか。

そんな状況の中で、第5章「ことばと動き」を読み返して、野口言語観の凄さが伝わってきた。
「メモや箇条書きはたくさんしているけれど、残念ながら成文化の努力をしていこなかった」野口は告白している。
そうは言っても、書ききれなかった「動きから得られる実感」に潜められていることを掬い上げて、内容をもっと緻密に、もっと精確に、もっと豊かに、もっと深めて、ことばにし、成文化することは非常に難しい、と先生の悲鳴が聞こえる。

からだの中にははっきりとした実感がある。
絞り出そうとすればするほど、追いかければ追いかけるほど、ことばが逃げていく。ことばがつかまらない。
“もーどーか・し・さ”が伝わってくる。
どれほど無念だったことか。
『原初生命体としての人間』続編、続々編があったら・・・、ないものねだり。
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来客

2023年11月15日 06時15分31秒 | Weblog
昨日、スタニスラフスキーのワークショップ+座学の講師としてロシアから来日しているセルゲイとガリーナ、通訳の上世博及さん3名が来宅。
2時間余インタビューに応じてくれた。

ほぼ2週間、これまでに読んでいたスタニスラフスキー本ほか、箇条書きにしながら復習に時間をかけていた。

これで「野口三千三伝」の演劇編を書き進めることができそうだ。
仲介してくれた宮守乙十葉さんに感謝!

正座が難しい来客が多くなったので、この際、事務用ミーティング椅子を用意。
正解でした!

                        日本茶をご希望
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スタニスラフスキー・システム 

2023年11月10日 11時00分16秒 | Weblog
昨日、靖国通りと新宿通りの間、新宿区片町のスタジオで、スタニスラフスキーシステムのワークショップを受けてきた。
           
            見えるのは防衛省の鉄塔

講師のセルゲイ・チェルカッスキーさんが行った初心者向けWSは、非常に参考になった。
「野口三千三伝」を書くにあたって、単なるリポートにならないためのヒントをいただいた。

後日、お蔵スタジオに来訪していただくお約束。
インタビューを受けてくださることになった。
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第20回明治大学シェイクスピアプロジェクト公演 400年越えの悲劇

2023年11月07日 05時26分36秒 | Weblog
20度越えの日が続く2023年11月6日午後。
いつもなら少し厚めのコートを着ていくのだが、今年は10月初旬の服装で出掛けて行っても暑かった。

毎年 夏 キャストの学生に野口体操を
上演された明治大学アカデミーコモンズ

最初に公演を見たのが2009年第6回「ハムレット」だった。
明治大学の文学部と国際日本学部で、野口体操の授業を持った初めての年。
主役を演じた文学部の男子学生はもちろん、同じクラスの履修学生の何人もがキャストやスタッフをつとめていた。

あの日は寒い北風が吹いていたような気がする。
「これが学生たちの演劇か!?」
完成度の高い舞台に驚かされた。

その後、第8回「冬物語」から、8月〜9月にかけて、11月の公演に向けての稽古始まりの時期に野口体操のワークショップで、30名近いキャストの学生さんと、野口体操を楽しませてもらっていた。

そして13回目の今年、巡り巡って2回目の「ハムレット」だった。

冒頭、あの有名な科白「生きるべきか、死ぬべきか」から始まった。
これはいつもと違うぞ!と思わせる。
思わせぶりだけではなく、舞台演出がこれまで以上に斬新だった。
言葉も色使いも、階段を上手く活かす装置はいつものことだがある仕掛けがあった。
ドラマの終盤、階段の中央部分が開いて、オフィーリアを埋葬する墓場になるのだ。
そこで最後の悲劇に向かう前のひととき、墓掘り人夫3人が軽妙な味を出す。
400年前の古典悲劇を、令和の学生が演じている。
まさにそうした新鮮な舞台づくりである。

コロナ禍のオンライン稽古の2年を過ごして、制約のない公演が実現した今年は、稽古の時から学生は弾けていた!
いい意味の弾け方が、そのまま舞台になった感じだ。
とにかく発想が自由だ。
ワークショップの間中、想像もしない動きやコミュニケーションをとってくれたあの夏の日を思す。

20年という伝統も生かしながら
「俺たちの 私たちの シェイクスピアをやるんだ」
意気込みに満ちた舞台であったことだけは間違いない。

これが正解、といいう答えはない。
シェイクスピアはどんな演出であろうと如何様にも答えてくれる。

早稲田大学・演劇博物館におわします

ご覧になっても「面白い」といってもらえるかな
いってほしい学生たちの力作である。
坪内逍遥博士もきっとふむふむ・・・・。

昨日の夜の部が千秋楽。
来年の公演の構想や準備は、間もなく始まる。

学生にとって、翻訳から制作まで百数十人が一年かけて行う学びの集大成。
実体験の場に栄光あれ!
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はじめての「特別レッスン」報告 2023年10月29日 お蔵スタジオにて

2023年11月01日 10時27分24秒 | Weblog
10月29日(日)午後。
「野口体操の会」会員に向けて、“すでに体操を教えている人・これから体操を教えたいと思っている人”のための「第一回 特別レッスン」を開いた。
高円寺お蔵スタジオで行うために、定員は六名限定とさせてもらった。
企画当初はまったく予想していなかったが、大阪・京都・三重・スイス(在京中)といった遠方からの参加者が半数以上。
キャンセル待ちの方もおられて嬉しい悲鳴!

当日は、事務局の近藤早利さんが録画を担当。
補助的な撮影とハプニングに対応にしてくれた高橋幸子さんを加えて、総勢八名の方が揃った。

         
           写真は指導する野口先生(47歳)
              
            
3時間のレッスンが終わって、不思議と疲労感を感じなかったのは、皆さんの好意的対応の賜物と感謝している。

野口三千三・野口体操のガイダンスを想定していたとしても、「もっと掘り下げればよかった」とか「言葉足らずに終わってしまった」等々、積み残した課題はたくさんあった。
それは今後の課題にしたい、とその後の二日間で、過剰に反省し過ぎない“ひとり反省会”を終えた。

「おもさに貞く」「地球の中心方向を大事にする」何より「力を抜く意味」。
従来の体操にない発想を、体操の基軸に据えて戦後を生きた野口先生が、73歳にしてヨガの逆立ちのジャンプを見せた『NHK「ビッグ対談」山口昌男+野口三千三』「からだと出会う」のワンシーンを見てもらった。
 動画はFBにあげてあります

体育界の本丸から芸術(演劇)界の本丸を経て、昭和42年『現代の眼』において「体操による人間変革」を掲げて、翌年昭和43年2月5日(野口ノート)に『私は演劇のための体操を研究しているのではない』と宣言し「哲学する身体」に結実していくまでの話をさせてもらった。

その経緯の中で、最初に腰椎横突起の異常発達による“腰痛症”に加えて“胆石・胆嚢炎”を罹患した身体的ダメージに対する野口アプローチの話をさせてもらった。
これは、今回の企画者・朝カルOGの二階のぶ子さんが事前に寄せてくれた質問「高齢期における野口体操の意味」について、直接的な答えではなかったが、あるヒントにしてもらいたかった。

テキストは『藝大 体育講義』昭和36(1961)年を、事前にメール添付で配ってあったので、その中から『「肉体と身体」という表記の問題』『緊張の実感』についてなど、いくつかの問題を取り上げた。
その間に参加された方々の積極的発言が得られたのは、小さな空間で少人数という利点かと思う。

レッスンの後半は、当日に配った「62’未来をつくる演劇大学」(演劇と教育連盟)の中から、「演劇の基礎としての体操」野口先生自筆のイラスト付き体操実技を読みながら、体操実習(動いて)をしてもらった。

かくして、2020年春に出来上がったお蔵スタジオは、オンラインのみで体操レッスンをしてきたが、これで本格的なスタジオとして活かすことができた、と思っている。
おかげさまで、野口体操レッスンのこれまでにない方向が見えた「特別レッスン」となったのではないだろうか。

「もの」は真理へと導いてくれる道具
 小学校教師時代「鉄棒」の説明に

  写真下・玄関に飾ったものたち
  
70歳代以降 野口先生の「価値観の多様性・体操は祈り!」を表す装身具たち。
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