羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

挨拶

2023年03月29日 04時19分43秒 | Weblog
立春の朝に亡くなった母のこと、やらなければならないことをようやく終えることができた。

そこで、一昨日のこと6年7ヶ月入所していた施設を訪ねた。
女性の施設長さんと3、40分ゆっくりお話をすることができた。

入所当初は、混乱する母の行いに若い介護士さんを泣かせてしまったこともあったらしい。
当時の私のブログを読んだ方も、思わず涙せずには読めない、とメッセージをもらったこともあった。

92歳の初秋、救急搬送された病院で手足の拘束を受けたことがきっかけかもしれない。
施設の食堂にいても、車椅子に乗ったまま、身につけている衣服を全て抜き捨ててしまう。
夜中に真っ裸で廊下に這いずって出ていく。
「あの時、入所者さんの身体拘束は絶対にしないで、プロとして親身になってお世話し、落ちついて生活ができるようにする方法をみんなで考え、工夫させてもらいました」
一方の私は、いつ、自宅に戻されるのか。いつ、他に移って欲しいと言われるのか。心配し、いとこ達に相談の電話をかけていた。
一時は、自宅に返すことを真剣に悩んだこともあった。

ところが冬になるに頃には、落ち着きを見せ始めていった。
その後も、着脱行為は時々見られたらしいが、一年もしないうちにすっかり施設の暮らしに慣れてくれた。

この施設は杉並区内にあるとはいえ、中野の北口再開発の場に近く、公園を中心に企業・大学がたち並んでいる地域に隣接している。
明治大学の中野キャンパスは、道路を隔てたすぐのところにあって、散歩に連れ出した母に私が授業をしていた多目的ホールを外から見せたことも。

四季折々の自然の移ろいが感じられる公園では、集まってくる幼子とそのお母さん、学生、会社にお勤めの方々と自然な交流ができる場でもあったのだ。
母にとっても私にとっても素晴らしい環境に恵まれた。

コロナ前は、季節ごとに開催される行事を楽しむことができる。
阿波踊り、和太鼓演奏、スイスの楽団演奏、近所の教会の方々の歌、落語会、入所していた声楽家のコンサート、音楽療法ピアノ伴奏による歌の会、・・・・、自宅にいたら体験することはできない。
思いもかけず、母と共に楽しんだ。
言葉にならない幸福せな時だったことなど、話は尽きない。

その裏にはスタッフの皆さんのご苦労があって、その一端を施設長さんから伺うこともできた。
また施設の存在が近隣の方々に受け入れられていく過程の話なども聞かせてもらえたことは貴重だった。

母の存命中、安心して野口体操の仕事に集中することができたことをお伝えしたが、そうした様子もスタッフの皆さんが共有してくださっていた。

会話をする間、母の最期を一緒にみとってくれた介護士さんたちも揃って会いに来てくれたおかげで、感謝の気持ちをしっかり伝えることができた。
臨終の時までの6日間を、一緒に心を寄せ、面倒を見てくださった方々だ。

気持ちよく、悔いなく、こうして母との別れができたことの満足感は、何ものにも代え難い。

これが最後ではなく、これからは外野としてお手伝いできることはなんでもさせていただくつもりでいることを、お礼の最後にお伝えしてお暇した。

母に会いに通った同じ道の行き帰り、寂しさが胸の奥から湧き上がるのを感じていたが、その思いを胸にこれが供養ということかもしれない、とも思えた。



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東京新聞 3月28日(火)「生きる」「野口体操ファーストの人生」下

2023年03月28日 08時54分34秒 | Weblog



本日 先週の上編につづいて下編が東京新聞に掲載されました。
昨日 「早蕨」特別号「野口三千三先生を偲ぶ」は、野口体操ゆかりの方々のお手元に届いたはずです。

明日 3月29日は野口先生の祥月命日です。
没後、四半世紀の年に、よい記念となりました。
深謝!
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中日新聞「野口体操ファースト」

2023年03月24日 16時41分58秒 | Weblog
一昨日、東京新聞「人生のページ」「野口体操ファーストの人生」下編の初稿ゲラが届いた。

そして本日、中日新聞から上編が載った新聞が送られた。
こちらはカラーページになっていた。

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雨あがり 肩の荷がおりた朝

2023年03月24日 09時07分15秒 | Weblog

朝食後の洗い物をしていた。
手が止まった。
背中が 何か 言葉を発している。
これまで味わったことのない身体感覚に意識が吸い寄せられた。

昨日は、遠慮のいらない女子トークをしながら、会報「早蕨」特別号の「野口三千三先生を偲ぶ」の発送準備を終えて、我が家から歩いて1分ほどの駅前郵便局へ。
大量の郵便物に、局員さんが一点ずつ切手の貼り忘れがないか確かめる。
来週の頭には、皆さんのお手元に届くはず。


 路地 しっとり濡れた雨あがりの朝

母のことは、大変お世話になった親戚と6年7ヶ月暮らした施設への挨拶を残してすべてが終わっている。

  ……  肩の荷がおりた……

            
             満開の桜ならぬ満開の木瓜の花

近くの馬橋公園に花見に行こう!
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野口三千三先生の墓前に供えて

2023年03月22日 13時29分34秒 | Weblog
3月22日 春分の日の翌日墓前に

爽やかな朝、野口先生のお墓参り。
「野口体操の会」会報「早蕨」特別号「野口三千三先生を偲ぶ」を供えて、完成を報告。
おりからの風にあおられる直前にギリギリ撮れた一枚。

昨日の東京新聞(中日新聞)「生きる」に「野口体操ファーストの人生」が掲載されたことも報告できた。

              
                寛永寺の霊園内 古木の桜
その足で藝大の事務所を訪ねた。
「特別号」に藝大広報誌『藝える』から引用させてもらったことについて話し合った。

帰りは上野公園を歩く。
ふと、満開に近い桜花を見ながら、先生の通夜の夜桜と告別の刻の真昼の桜を思い出す。
あの時は、散る花に死の行方を重ねていた。
あれから25年。
桜を見ても、涙はこぼれなくなりました。
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WBC  準決勝

2023年03月21日 20時54分38秒 | Weblog
何度見ても興奮するー!
明日、2023/03/22、あしたは勝つ!


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よき日に 発送準備をはじめる

2023年03月21日 17時55分45秒 | Weblog
「野口体操の会」会報誌「早蕨」の「特別号・野口三千三先生を偲ぶ」が出来上がった。
今週、木曜日に発送する予定になっている。

 手書き宛名書きし冊子を入れた分

1日だけで、すべてを終わらせるのは大変そうなので、手書きしなければならない分だけ、宛名書きと冊子の詰め込み作業までを行った。
1冊の送料は140円、2冊だと250円である。
昨日のうちに郵便局で調べて切手を用意した。

    特別号と封筒

糊付けと切手貼りは後日に。
宛名書きせずにできる残りの分と一緒にすることに。
お手伝いの方が来てくださるので、糊を用意したり、切手を買い足したり、それは明日の仕事に。

今回の「特別号」は、相当な量を投函することになるのです。

本日は、縁起の良い日。
発送準備をはじめようと予定していた。
ほぼ達成できて、お疲れさまー フーッ!
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東京新聞 3月21日(祝)「生きる」「野口体操ファーストの人生」(上)

2023年03月21日 07時48分57秒 | Weblog
駅のコンビニに東京新聞朝刊を買いに行った。

 2023・3・21(祝)東京朝刊 19面
 来週 3・28(火)「下編」につづく

店を出て、立ち止まった。
19ページ「こころ」欄を見つける。
『「生きる」『野口体操ファーストの人生」上 羽鳥 操』
野口三千三先生が亡くなって25年。
3月29日の祥月命日が近づいた。
この時期に、なんとも言い表せない思いが巡る。

ゲラで見ていたものの、新聞のページをめくって出てきた記事に
「本当に出たのだ!」
安堵感が身内を駆け巡った。

明日は上野の東京藝大に、ある方の住所を調べに出かける予定。
その前に寛永寺の墓地で、先生にこのことを報告しようと思っている。

まずはお知らせです。
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近況 会報「早蕨」特別号 東京新聞「人生のページ」

2023年03月17日 07時38分01秒 | Weblog
近況1 会報「早蕨」特別号「野口三千三先生を偲ぶ」

2月初旬、母のみとりの間にも、「野口体操の会」会報「早蕨」特別号の編集作業に励んでいた。
一通りの作業を終了して2月末に校了。
印刷所への入稿、1週間後に色校正をへて、近々出荷となる連絡を受けとった。

そこで、今週は送付する方々への手紙書きにほとんどの時間をかけた。
想うに、発送作業は今までの「早蕨」6冊とは比べられないくらい大変かも?

まぁ、“案ずるより産むが易し”。
この言葉を唱えて手元に特別号が届くのを待つばかりとなった週末である。

   朝日カルチャー新宿校で

近況2 東京新聞「野口体操ファーストの人生」羽鳥操

来る3月21日(祝日)東京新聞朝刊「人生のページ」に、「野口体操ファーストの人生」上編と題した寄稿文が掲載される。
一昨日のこと、その初稿がメール添付された。
野口先生の授業風景の写真が大きくよく目立っている。

下編は、28日(火)に載る予定。

昨年末、記者さんから依頼されて、正月にほぼ書き上げて、2月1日に入稿してあった。
上編と下編で、3000字余りの大きな記事である。
この年になって、ありがたいお話と思い、躊躇わずに受けた。
久しぶりに字数と格闘した結果の文章である。

「東京新聞」の東京地方と「中日新聞」の中部地方の方々の目に触れることになる、という。
なんとも、嬉し!
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満中陰忌

2023年03月16日 05時32分47秒 | Weblog
母の四十九日はお彼岸にあたるということで、早めに法事と納骨をすませた。
コロナ規制も少しずつ緩和されて、通夜・告別式後の精進落とし、法要・納骨後のお斎(おとき)で、父方・母方に加えて父の姉の親戚、三つの家の者、皆揃って親交を深めることとなった。

 法要の際の散華と墓前に備えたお香 

法事の席で和気藹々というのもおかしな表現だが、97歳母の苦しみのない静かな往生ということで、お集まりの皆さんから理想の最期だ!という言葉と私へのあたたかな気遣いと労いの言葉をいただいた。

母方の実家を継いだ10数年若い従弟と、代替りしてはじめて親しく話すことができた。そして従兄弟の意外な楽しみまで知ることになった。

会食を終えて見送りの際のこと。
寺の敷地に止めてあったドイツ製四輪駆動車に、居残った者の目が注がれた。
「ずいぶん小傷がついているのね」
私の遠慮ない言葉に
「渓流釣りが……」
父方の親戚の一人が
「えー、労多くして何とやら、高尚なご趣味ですね」
従弟の楽しみに驚かされた皆々だった。

その後、同じ区内に住む又従兄・従姉の二人に自宅まで送ってもらった。

その日のうちに、仏壇に供えた新しい母の位牌と父の古い位牌を前に思うこと。
私は、亡くなった人を弔う深ーい行の意味を少なからず知っただけでない。
最期の脈をとった悲しみはあるのだでけれど、母を知る方々が私に向けてくれた優しい眼差しを感じながら、癒しの時を過ごすことができたと思える1ヶ月半余であったなぁ〜と。これを幸せといわずしてなんというのか。

さぁー、次は、自分のことを考えなければ〜。
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いよいよお別れ

2023年03月09日 17時48分40秒 | Weblog
満中陰忌 納骨供養の日が近づいた。
少し早いのだけれど、家中の掃除をした。
玄関から木戸までを、最後に掃き清めて、母を送る準備をした。

最後に花を飾った。
今年は、母が父と共に路地に植えた木瓜が、たくさん花芽をつけている。
開いてはいないが、枝ぶりが良かったので、猫の花瓶に活けてみた。
玄関で母を見送ってくれるはず。

もう一つ
季節の花を木瓜の右に飾った。

いただいた奈良の名香「古都の薫」。
これは納骨の時、参列される方々 銘々に、墓前に供えていただくためにお寺に持参するつもり。
包を開けなくてもほのかに香る。

静かな夕べ。
これで家を出ると、二度と帰ってこない。
そう思うと込み上げるものがるある。

ほんとうに寂しくなります。

  お母さん
     どこに行くのだろう
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