羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

朝ドラ 『エール』10月29日に思う

2020年10月29日 09時57分36秒 | Weblog

今週の朝ドラ「エール」は、古山裕一(古関裕而)の友人佐藤久志(伊藤久男)の敗戦直後を描いている。

このところ3週間は、敗戦間際から敗戦後を描き、避けては通れない難しい問題に切り込んでいる。

私ごとだが、私家版「野口三千三伝」を、終戦間近に「東京体育専門学校」に異例の抜擢をされ上京するところまで書き終えた。コロナ禍ということもあって、一旦、休止状態の中、「エール」に釘付けになっている。

 

ドラマで描かれている戦時歌謡(軍歌)を数多く作曲した古関裕而とその曲を歌った伊藤久男のことは、野口の戦時中を調べたときに知った。つまり、音楽や体操といったソフトパワーで戦争に向かわせる国民運動に協力を依頼された体育体操関係者や芸術家、芸人たちは大勢いる。

体操に関わっていえば、国民の戦意発揚・体力向上を目指して「建国体操」がある。その体操に加えて「建国体操讃歌」や「建国体操前奏歌」もつくられている。作詞 北原白秋 作曲 山田耕筰 ピアノ 園田三郎 歌 伊藤久男 演奏 コロンビアオーケストラ 指揮(号令)大谷武一 録音 テイチク コロンビア 

私は「野口体操の会」会報「早蕨」Vol.6で、実名を挙げてこの時代を書き込んいる。

野口の上司となる東京体育専門学校・校長大谷武一。戦後になって野口と関わりを持つモンダンダンスの石井漠 江口隆哉。野口とは関わりはないが、歌手の伊藤久男、こうした人々を結びつけたのが、「紀元二千六百年記念奉祝芸能祭」の立役者だった松本学であった。

そうした背景を思い浮かべながら、欠かさず「エール」を見ている。

朝ドラで、このようなテーマを扱うには相当な覚悟と勇気ある決断がなされたのだろう。そう呟きながら、主人公の裕一に野口三千三を重ねて見ているだけに、生きる道に迷う久志にも複雑な思いを抱く。

戦後75年という歳月が必要だったのか。

実は、昭和18年に群馬師範学校で野口に体操を習ったという中里春太郎さんは、昨年2019年に亡くなられている。

戦争を体験した多くの方々が、鬼籍に入られた。。。。。。

 

これほど真剣に朝ドラを見たことはない。

何と言っても「エール」を見終わるとしばしグッタリしつつも、内容を体に染み込ませて、次に書く「三千三伝」の中身を考え続けている・・・・。

キーボードを打つ指が、ますます重くなっていくような気がしている。

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半歩の歩み

2020年10月28日 17時02分08秒 | Weblog

読書も「野口三千三伝」を書くことも、しばらく遠ざかっていた。

本日、このままではいけない、と重い腰をあげた。

まず、手始めに「野口体操の会」の会報『早蕨』を読み返した。

話は、終戦末期の「東京体育専門学校」に上京するところで終わっている。

読むうちに、続きのイメージが見え始めた。

 

東京編から書き始めることになる。

モダンダンス サーカス プロレス ボディビル

敗戦後の野口を向かわせた。

その当時の常識から言って、ちょっと危なげな世界へと傾倒していく。

敗戦で傷を負った30代半ばの一人の男として軌跡を追うことにした。

連合国軍の占領下から、アメリカ文化がどっと押し寄せる東京である。

モダンダンスの資料は集まっているし、すでに読んでいる。

そこで、アマゾンで新しい分野の本を注文した。

『日本のサーカス』『私プロレスの見方です』

さて、二冊の本を通して、果たしてどのような三千三が透けて見えるのか。

ワクワク感は半端ではない!

本日は、以上であります。

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五十肩で失われる呼吸

2020年10月27日 11時06分18秒 | Weblog

野口三千三は、円・波・渦・螺旋の動きを体操に導入した。

ゆらゆら、にょろにょろ、・・・・揺れる動きが様々な動きのシーンで見られる。

その様子を始めて見た方は、気持ちわるーいという反応を返されることが多い。(実は、私のそう感じた一人だった)

「なんだか、エロティックだわねー」

言葉にしなくても、そうおもう人もおられる。

ところが、野口本人は、さらにもっと微細な動きを求めて、工夫に工夫を重ねておられる。

野口体操の動きのコツがつかめて、気持ち良さが感じられるようになると、最初の印象は一変する。

そこに到達するまでに、時間がかかる人と、かからない人がいる。

理論や身体観や体操が生まれてくる経緯がわかってくると、揺れる動きの意味の深さが頭でもからだでもわかってくる、というわけ。

 

さて、ここにリンクした動画をご覧いただきたい。『機能解剖学:呼吸に関わる筋肉』

芸大の三木成夫先生の「呼吸」の話の中の呼吸筋の絵が、時間を超えて動き出したのがこの動画である。

これを見て、思った。

野口体操の動き、そして野口三千三が求めた「もっと微細な動き」は、この呼吸の話に通じてくる、と。

五十肩を患うと、実は、この動画で紹介されている呼吸に関わる筋肉が、ことごとく動きが悪くなって、伸びること縮むこともできない状態が何年にも渡って続いてしまう。

呼吸の質を低下させることになることに気づく。

単純な五十肩は必ず治る。しかし、肩が動かせるようになったら、動かせる範囲で、動かしておくことが肝要なのだ、と動画を見て得心した。

そして野口体操の動きを丁寧に継続すること。さらに野口三千三の時代には、まだまだはっきり教えられなかった「機能解剖学による呼吸筋群」へのアプローチは、野口が求めた微細運動が非常に意味を持つことを改めて知らされた。

からだのこと、からだの動きの奥は深い!

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「破れかぶれ」かと思いきや アメリカ大統領選

2020年10月27日 08時44分41秒 | Weblog

日本のニュースでも連日報道されているアメリカ大統領選。

保守派ポピュリストのトランプ大統領は、日毎に、前後の見境もなく乱暴で手に負えない無謀さを見せて追い上げに必死と見受けられる。

そんな折「日経新聞 10月23日付け 大機小機」の記事を読んで刮目したことがある。

刮目、その1

米大統領選について。

『米大統領選 プロレス流観戦法』によると、トランプ大統領はプロレス好きで、2013年には長年の貢献が評価されて米国プロレス団体「WWE(World Wrestling Entertainment)」の殿堂入りを果たしたという。

この団体は世界一のプロレス団体で、年間の売上高は約800億円で上場企業だ。

記事によると、かたき役をはっきりさせて大衆をあおるトランプ流の演説は、プロレスのマイクパフォーマンスを彷彿とさせるという。(昨今では、日本のプロレスでも相手を罵るマイクパフォーマンスが行われている)

1回目のテレビ討論で繰り返された妨害発言も、5カウントまでは反則が許されるプロレス流の戦い方なのだろう、と。さらに、選挙の決着自体を「場外乱闘」に持ち込もうとしているように見える、と書かれていた。

 

刮目、その2

野口三千三の独学法。

この記事をきっかけに、野口三千三が敗戦後の日本で、プロレスが流行り、その戦い方を研究した話を思い出した。プロレス研究の結果

1、「ヨガの逆立ちからまっすぐのまま背中側に倒れる」

2、「机の上にうつ伏せになってズルズルと頭から床に流れ落ちる」

そういったパフォーマンスが、実践される直前の教室は、シーンと静まり返って、静謐な空気が流れていく。目の前で繰り広げられた2つの動き。両方ともに、床に倒れた瞬間に大きな音がして、見ている者は我に返るのだ。立ち上がった野口は、何事もなかったかのように説明を始める。

野口曰く「プロとして闘うレスラーは、試合のたびに怪我をしていたら、生活ができないでしょ。だから真剣に怪我しない方法を体で見つけたわけよ。大きな衝撃音を立てて倒れても、この理論を活かせば怪我は最小限に抑えられるんだ」

つまり、野口体操の「液体的なイメージ」と「触れ合ったところから力を抜く」理論なのだ。床に接した体の部位は、瞬時にして力を抜くことが肝要。そして接したところから、次々順順に倒れていくから怪我はしない。これは「ニョロ転」と呼ばれる動きの基礎感覚である。

 

10月24日土曜日の朝日カルチャーのクラスでこの記事を紹介した。

出席していた新井英夫さんから、アメリカのプロレス興行に接近した日本のプロレスについて、元女子プロレスラーが、誠実にいい雰囲気で語る動画を紹介してくれた。Google検索で「WWE」について、この動画を見てプロレスのエンターテイメントがもつ意味をはじめて知った。

一度は見に行かねばなるまい、と気持ちがはやった。正直に言って雰囲気に呑まれそうな畏れを感じてはいるが、何事も生きているうちである。兎にも角にも、敗戦後に、ごまかしのきかない体で生きる職業の人と交流し、人間にとっての身体運動の基本を探り始めた野口だ。「サーカス」「ダンス」「プロレス」から学んだことが、野口体操に活かされていったことの真の意味が分かりかけてきた。

最後に、「大機小機」の記事に戻ろう。

繰り返しになるが、一見「破れかぶれに見える」選挙戦術は、トランプ大統領の大衆を巻き込む選挙戦術が、プロレス流のやり方だったというわけだ。

バイデン氏が圧勝すれば問題はないが、僅差の結果が出れば、法廷闘争に持ち込まれて、なかなか大統領が決まらないという大乱戦になる。

記事は『この決戦、米大統領選に新たな歴史を刻む名勝負になるのか、大乱戦になるのか。世界が固唾をのんで見守っている』と結ぶ。

長い戦いも、残り1週間に迫った。

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オンライン講座 高円寺お蔵スタジオ

2020年10月27日 05時25分56秒 | Weblog

オンライン講座 高円寺お蔵スタジオ 11月7日朝カルオンライン野口体操講座が近づいた。元々この部屋で野口体操のレッスンを行うつもりだった。コロナ禍でもっぱらzoomズームを使ってのスタジオとして使っている。教室に通えない方、ぜひご参加ください。

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「野口体操の会」会員向け オンラインアーカイブ

2020年10月14日 15時04分43秒 | Weblog

「野口体操の会」会員向け オンラインアーカイブ NHK訪問インタビュー「からだとの対話」野口三千三先生69歳。下落合の教室と西巣鴨のご自宅で撮影。一般に公開できないのは残念であります。テストみをして、懐かしく。

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FBの話にちなんだ写真

2020年10月13日 13時39分17秒 | Weblog

FBの話にちなんだ写真 2020年10月13日のFBにつけた写真です。

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ある方からのメッセージに触発されて・・・・

2020年10月13日 13時16分07秒 | Weblog

2020年10月13日 FBの記事をはりつけます。

ほとんど毎朝、家中の窓を開けている。
蔵の急階段を上って、二階も同様に開ける。
面倒に感じる時もある。
そんな時は、前掛けの紐をお腹の前でキリッと締めて、気持ちを奮い立たせて階段を上っていく。

だが、今朝は違う。
昨晩、一通のメールをいただいたからだ。
内容はこうだ。
先日の朝カルオンライン講座を受けた方が、日常のささいな動きを大切に味わっているという。
歩いたり、階段の上り下りの際に、立つ時に…………、気づきを楽しんでおられる様子をリポートしてくださった。
この日のレッスンテーマは、野口三千三先生の胆嚢摘出手術後に、はじめて立って、第一歩を踏み出した時のことを克明に記したエピソードを中心にお話しした。
その貴重な経験が、その後の野口体操の動きの意味を深めた。ラジオ放送で語れた言葉を、文字記録とした本を通してお伝えした。
昭和50年、NHK「人生読本」の一部だ。この録音は、西巣鴨のご自宅で、SONYの名機デンスケによるもの。インタビュアーは、金光さんだったとお聞きしている。

オンラインの一方通行レッスンでも、受けとっていただけた❗️
というわけで、ひさしぶりに天気も良く、足取りも軽く上った。
開けた窓から一気に入ってくる早朝の空気をたっぷり吸った。
嬉しさのあまり、報告したくなりました。

「のこす つたえる つながる」新井英夫さんが、フッと口にした野口体操の会の新キャッチ。
ささやかな ひそやかな 私の第一歩。
オンラインであることに、新たな時代の到来を感じた朝のこと。
 
 
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ホッとしたことごと

2020年10月06日 19時04分37秒 | Weblog

10月3日土曜日 朝カルオンライン野口体操講座 2回目。

札幌 群馬 埼玉 京都 大分 ・・・・北から南まで、ご参加いただきました。

今回は、番組を放送するイメージで、一方通行を覚悟した。

どのように受け取っていただいたのか、お任せする覚悟を持って臨んだ。

いただいたメールから、伝えたかったことはそれなりに伝わったことを確認できた。

ただ、新規の方々には、いかがだっただろう。

前日の夜には、PCのインターネットに不具合あが生じて、予備を準備したもののハラハラしていた。

何事もなく無事に終えられたことにホッとしている。

これまで何度もZoomを使ってきたが、未接続状態に陥ったことは初めてのことだった。

まだまだデジタルは始まったばかりの媒体だ、と思った次第だ。

 

もう一つホッとしたこと。

本日、母の入所している施設の「窓越し面会」が実現したことだ。

耳が不自由なので、筆談用にスケッチブックを持参した。

母は大きな声で書いてある文字を読み上げているうちに、意識がしっかりしたのか、私が誰だかわかってくれた。

介護士さんは、若い元気な男性で、終始いい雰囲気で母を気遣ってくれていたことに好感を抱いた。

今日が、初めての試みで、施設長さんはじめ多くのスタッフの方々が見守っていた。

私が持っていったスケッチブック筆談は、非常に評判がよかった。

短い時間だったが、直接、会えたことがうれしかった。

帰宅した途端、軽い疲労感を感じていた。

今日の日を待っていたのだ。

ホッとして、一気に緊張が解けた。

いやはや生きていると思いがけないこと、嬉しいこと、ありがたいこと、いろいろな出来事に遭遇する。

 

おかげさまです。

ありがとうございます。

この二つのことばが、以前にもまして意味が深まっていく。

 

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窓越し面会

2020年10月02日 13時49分51秒 | Weblog

母が入所している施設の「窓越し面会」が始まる。

本日、予約開始で初日で話中の20分ほど待って、ようやく電話が通じたに。

希望する日に予約が決まった。

 

母は、電話では聞こえなくて、話ができない状態になっている。

一方で、聞こえてくる母の声は張りがあって元気一杯である。

今までと変わらない様子だった。

来年は95歳になるとは思えない感じを受けている。

せめて繋がりが切れないように、2週間に一度は、手紙をつけてお菓子を届けていた。

喜んで食べているという話は聞いている。

果たして、来週早々に会った時に、私を覚えていてくれるだろうか。

 

まずは、一歩、前に進んだ。

少しだけホッとしている。

再度のこと面会禁止になりませんように、祈っている。

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