羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

究極の動態保存

2005年09月25日 09時24分48秒 | Weblog
 先日、ハープ愛好家の集いに招かれました。
 もちろん野口体操をご紹介するためです。
 そこで素晴らしい楽器に出会いました。
 マリーアントワネット時代のハープです。それは、華麗にして重厚。ロココ風の金の彫刻を冠し、彩色された絵が胴体に施されています。音色は低音から高音まで、温かみのある落ち着いた音。なんでもイギリスのオークションで落札したものを、譲り受けたとか。イギリスの文化財保存は、非常によいそうです。

 その前日は、池袋にある自由学園「明日館」で、打ち合わせをしました。
27日からはじまる花王・antu(中高年女性のQOLを考えるプログラム)の秋の企画で、野口体操をおこなう場所の下見も兼ねていました。
 この「明日館」は、自由学園創立者の羽仁吉一・もと子夫妻によって建てられたもので、関東大震災や太平洋戦争の災害を免れて80年にわたって保存されてきたものです。
 帝国ホテルを設計したライトによる設計。教室にある椅子やテーブルにいたるまでライトのデザインによっていて、幾何学的な全体の設計理念と調和しています。

 もうひとつ池袋には、立教大学のレンガつくりの校舎があります。
 立教開校130年。池袋の雑踏のなかに、この二つの建物群は、タイムスリップする以上の価値があります。
 
 この二つの場で、野口体操を指導できる機会をえていることに、縁とはいえ素直に感謝!

 さて、楽器や建物等々の保存は、使われてこそ生きるわけですが、こうした動態保存の傾向は増えているのだそうです。
 
 そこで、はたと立ち止まりました。
「そうだ、私のからだは45億歳」
 ー地球創生から命がつながっていて、今、ここに、生きている。自然遺産であり、文化遺産ですーというのは、野口三千三先生の考えでした。
「からだ」と「ことば」、こんな貴重なものが、身近? 身内? にあったじゃないの。
 究極の動態保存は、「私のからだ」。もちろん「あなたのからだ」でもあります。

 これから、「御身お大切に」と手紙の末尾にに記すときは、もっともっと、心をこめよう! 
 末尾じゃなくて、ほんとは、最初に書きたいわね。
コメント (1)
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