羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

きくさんの鉢とキクさん

2005年09月24日 07時38分27秒 | Weblog
 夕べからの雨が降り続いて、今朝の水遣りはお休み。なんとなくほっとするのも事実。
 父の盆栽が、預かってもらっていた松庵の知人宅から戻って、2ヶ月。無事に秋を迎えられそうです。
 そのなかの一つ、紅葉は、私が中学生のときに、父が高尾山からとってきた僅か数センチの実生のものが、四十数年たって幹も太い正真正銘「紅葉」になりました。
 木は、時間が育てますね。

「植物は生きる場所を途中で変えることはできないの」
 野口先生は、その日の天候や風向きによって、鉢植えの植物を移動させていらした。
「狭い庭でたくさんの植物を元気に育てるには、鉢植えはとてもいい」
 
 野口先生は、九州の「きく」さんという女性がつくった青緑色の大きな鉢には、岩檜葉を群生させていました。この陶芸家は、機械を使わず手捻りで作品をつくる方だそうです。小物盆栽用の鉢から大鉢まで、すこしの歪みをもたせながら、ぽったりとした暖かい雰囲気の鉢をつくる才能の持ち主です。
 
 木や草物は、鉢の相性によって、思いがけない効果が生まれます。
「陶芸をやりませんか。野口先生だったら凄いものができそうだ」と芸大の学生にもすすめられたことがあるそうです。
「いや、止めておく。のめりこみそうだから」
 正解だったのか、やっておけばよかったのか。二つの道は同時に歩めません。

 因みに先生のお母様のお名前が「キク」さんでした。不思議な縁。
 羊歯類や草物を、その「きく」さんの鉢でいくつも育てておられた先生の思いを、育てられる植物が感じ取っていたのかも。
 
 今日は土曜日。
 羊歯に貞く「逆立ち」が、無事に練習できますように。
コメント (1)
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