遅ればせな写真ですが、昨暁の当庵からの雪景色です。未明に戸を繰ってみた際は、夜の雪が月光に照らされて荘厳でした。
今日は茶道の稽古。近所のhKさんに譲ってもらったウールの着物に、篆刻家のaSさんから頂いた淡赤色無 地の帯を締めて愛車で行きました。
1年ぶりの「逆勝手」の稽古でした。室内の配置も所作も、いつもの「本勝手」の点前とは左右が逆です。歩くのも右足と左足が逆で、躓きそうになったり。右手と左手が宙で迷ってしまったり。先生も私達も破顔一笑がしばしばでした。逆勝手を学ぶことによって、本勝手の所作の意味が浮かび上がってくることも。
掛軸は「笠重呉天雪」。ネット検索したら、「鞋香楚地花」と続く漢詩の一節で、僧の行脚の(冬の)辛苦と(春の)喜悦を詠ったものらしいです。節分の今日にピッタリですね。
奥の茶室には大炉が開かれていました。大炉があるのは従者の控えの間だから床の間は無い、という設定なので、床の間は屏風で遮られていました。大きな炉に大ぶりの鉄釜が掛けられています。yOさん(当庵設計者)のお連れ合いだった故tMさんの作です。どっしりと重量感のある釜だけれど、ふくよかな丸味のある形。昨秋亡くなられたtMさんを偲ぶお言葉が大先生からありました。炭火が熾り湯が滾って、釜が鳴る「松風の音」がしてきました。慎ましくデリケートな音色に暫し耳を傾けました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます