みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

十三塚の清流苑

2015-09-15 22:08:18 | 俳句
俳句の会で十三塚の清流苑へ行きました。荒れた天気が続いていましたが、今日は爽やかな天候に恵まれたことを皆で感謝し合いました。

十三塚という地名は全国各地にあるそうですが、ここ八郷の十三塚には興味深い伝承があることを知りました。昔、この村に大きな化けネズミが現われて悪事を働き村人たちが困り果てていました。すると、村人に懐いていた猫が、仲間の猫11匹と共に12匹で化けネズミと闘い、退治しました。しかし12匹の猫も討死してしまいました。村人は猫たちに感謝すると共に、猫の死もネズミの死も憐れんで、12匹と1匹の合わせて13匹を弔って13の塚を立てた・・・これが十三塚という地名の由来だという話です。

世間の常識では化けるのは猫でネズミではないし、猫はネズミより大きくて強いのに、この伝承では常識を覆しています。また、悪事を働いたネズミをも共に弔ってあげた、というのも深く大きな心が感じられて、いい話だなあ・・・と思います。

清流苑は、山の持主が仕事の合間を縫って8年前からお一人で整備を続けられている自然園です。渓流があり、沢水を引いた池が幾つかあり、池には緋鯉や金魚が泳いでいます。岩魚(イワナ)も飼っているそうですが、人の気配を警戒して隠れているのでしょう、見えませんでした。

池の周りの自然石は苔むして趣が深く、傍らに植えられた万両の実はもう真っ赤に色づいていました。鹿威し(ししおどし)や四阿(あずまや)も設えてあります。見上げたら、林立する梢の間に青空が広がっていました。

               天高し男は一山を苑と成す
                                    「男」は「を」と読んでくださいませ               

清流苑に向かう山路の傍らに杜鵑草(ホトトギス)が咲いていました。当庵に咲いている杜鵑草とは少し違うし、何ともいえない慎ましやかな趣が感じられます。



調べてみたら、山路の杜鵑(ヤマジノホトトギス)という種類であることが分かりました。初めて出会った花です。当庵の杜鵑草は台湾杜鵑(タイワンホトトギス)であることも分かりました。



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